『舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争』蒼井翔太さんインタビュー│取材を受けるときもヒールは履いていたい、爪も綺麗に塗っておきたい――指先までその人物になりきるのが“役者としての性”
『BanG Dream!(バンドリ!)』や『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』など、数々の作品を手掛けるブシロードが新たに贈る『ROAD59 -新時代任侠特区-』。
本作は、欲望が渦巻く街で4つの組織が互いに勢力争いを繰り広げている、新時代の「任侠物」がテーマのメディアミックスプロジェクトです。
そのプロジェクトの舞台第1弾が去年の12月に開催され、舞台第2弾となる『舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争』が4月15日よりKAAT神奈川芸術劇場ホールにて上演されます。
そこで今回は、ベネディクト・ロレンツォ・ヴァザーリ役:蒼井翔太さんにインタビューを実施! ご自身が演じるキャラクターや属しているチーム「PHOENIX」のこと、蒼井さんが舞台に立つ上で心がけていることなど語ってくださいました。
『舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争』あらすじ
かつて絶滅した桜の木が、 この街には今も残っている──。
東京湾に浮かぶ摩天楼、 天海区。
欲望渦巻くこの街では4つの勢力が地下に眠る「夜真多大蛇(やまたのおろち)の首」と、 その封印を解く鍵となる春雲組の娘、 華夜(演:河内美里)をめぐる抗争を続けていた。
そんな中、 天海区にニセ札が回り出し、 「春雲組」のシマにも影響が出始める。
八薙バクト(演:君沢ユウキ)と、 大井町高久(演:白又敦)は、 ニセ札の件に大井町の詐欺師時代の仲間であった”一条”という男が関わっているという情報を掴む。
取引現場に現れた一条は、 過去のことは水に流し、 共に仕事をしないかと大井町に持ちかける…。
ニセ札事件の裏で「PHOENIX」の日本支部リーダー、 ベネディクト(演:蒼井翔太)は協力者である、 マリア・ベルナール(演:奥仲麻琴)に、 とうの昔に絶滅した「桜」を咲かせる計画を打ち明ける。
その頃「狛狼組」の氷室涼香(演:美波わかな)は財政難である組のために、
姉の氷室 静(演:相羽あいな)に黙って、 裏カジノへ乗り込もうとしていた。
一方、 「黒条組」の皇 賢誠(演:井上正大)は「PHOENIX」のベネディクトとの過去の商談の様子を黒鉄一臣(演:末野卓磨)に話す。
次第にそれぞれの勢力は
天海区に狂い咲く「桜」の下に集結していく──
ついに生のベネディクトが楽しめる!
――舞台第1弾は映像出演でしたが、今回はリアルでの出演となります。楽しみにしていることがあれば教えてください。
蒼井翔太さん(以下、蒼井):前回は映像出演ということで、ベネディクトとして本編で流れる映像を撮影しました。アクションの素晴らしい方々と一緒に撮影をさせていただいて、すごく楽しかったのですが、公演がスタートしてキャストの皆さんがTwitterで「今日も行ってきます!」というツイートや皆さんで一緒に撮っている写真を見て、楽しそうだなぁと羨ましい気持ちもありました。
なので、ついに今回は皆さんと一緒にステージに立てることがとても嬉しいです。やっぱり映像だけでもベネディクトは“すごい人”だと伝わったと思うので、舞台上でも生のベネディクトのすごさを伝えていけるように頑張りたいな、と思っています。
――蒼井さん演じるベネディクトのビジュアルはSNS上でも話題になりましたが、周りからの反響はいかがでしたか?
蒼井:キャストの皆さんは出来上がった映像を稽古の際に見られたと思いますが、八薙バクト役の君沢ユウキさんが「美しくて笑った」とおっしゃってくれて(笑)。
“ベネ様がすごかった”、“ベネ様の映像出演がとても新鮮で本編の中で良いアクセントになっていた”と本編をご覧になった皆さんから感想をいただけていたみたいで、自分としては一緒に舞台に立ちたかった気持ちはありましたが、何かしらこの物語にお力添えができたのであればすごく幸せですし、ベネディクトを演じた意味があると思いました。
――舞台第2弾はどのような物語になりそうですか?
蒼井:正直、登場人物がとても多いので、どこにフューチャーした物語になるのか想像できなくて……でも、それが逆にワクワクしています。
今回、実際にベネディクトも出演するということで、ベネディクトの今まで謎だった部分が浮き彫りになったりしたら良いな、と思っています。
――ちなみに、『ROAD59 -新時代任侠特区-』は任侠ものということで、アクションが見どころでもあります。
蒼井:アクション系は一昨年のミュージカルでいろいろとやらせていただいたので、これまで培ってきたものを全力で活かしていきたいと思っています。ただ、ベネディクト自体がどういう風に戦うのか、僕の中ではまだ謎なんです。
むしろ、ベネディクト自身が戦うのか?と。ベネディクトは周りが戦ってくれますし人を見る目があるので、そこは舞台の幕が上がってからの楽しみでもあります。
結果にシビアな「PHOENIX」
――海外から来たマフィア連合の「PHOENIX」はビジネスライクな関係で結果主義というチームの特色がありますが、蒼井さんが感じる「PHOENIX」の特徴や他の組とは違う魅力を教えてください。
蒼井:どの組の人たちにも実力があると思いますが、その中でもベネディクトが率いる「PHOENIX」は、ベネディクトが自分の目でじっくりと見て選んだメンバーになっているというか、実力主義なチームです。的確かつ正確に成果を出せる者だけを入れているイメージがありました。
ただ、僕の中では「PHOENIX」は“結託”や“人情”というものはあまりないんだろうな、と。正確に任務をこなせる人、自分にとって得がある人、そういう基準で選んでいるような気がします。
舞台第1弾でも、人情や人の心を重視しているのなら、イリーナ(演:加藤里保菜)が上にのし上がるためにアンソニー(演:渡辺和貴)を殺そうとはしないと思うんです。
そういう意味でも、「PHOENIX」はぶっ飛んでいるチームだと感じるので、アクションを含めてそこは僕個人も楽しみにしているところでもあります。
――そんなぶっ飛んでいる「PHOENIX」を束ねているのがベネディクトですから、彼はカリスマ性があるのでしょうね。
蒼井:そうですね。舞台第1弾の映像出演のときも、特にアンソニーはすごい圧を感じていたと思います(笑)。ベネディクトは物理的に人を動かす能力があるんじゃないかな、と。
どの組も同じことが言えるかもしれませんが、「PHOENIX」は任務を1回失敗すれば殺されてしまうぐらいの勢いだと思うんです。
他の組は人情があったり、チャンスをもう一度もらえたりするかもしれませんが、「PHOENIX」はそれがないチーム。そういう緊迫感は「PHOENIX」ならではだと感じます。
――チームの特色にも“互いにビジネスライクな関係で厳しい上下関係は無いが結果主義”と書かれてありますから……。
蒼井:やっぱり成果を残せないと存在している意味がないと判断されてしまうのは、とても残酷で、「PHOENIX」という華やかな名前に反してすごくシビアなチームだと思います。