『舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争』白又敦さん&鮎川太陽さんインタビュー|第2弾は“過去”が重要なカギ。共闘シーンなど見どころ満載!
高久の優しさ、愛おしさを感じるユウトの後輩感
——高久とユウトが属している「春雲組」は他の組とは違って、どのようなところが魅力だと思いますか?
白又:やっぱり「仲の良さ」だと思います。藤堂時雨役の山本さんは僕らと歳は離れていますが、良いお兄さんのような距離感で接してくださったり、僕らが話しているときも隣でニコニコ見守っていてくださったりして。チームとして出来上がっているのが「春雲組」の良さだな、と。
君沢さんも言っていましたが、「春雲組」は“担当”が決まっているチームなんです。たとえば、締めるところを締めるのが成山誓吾(演:前田誠二)、イタズラをするのが大井町としっかりとカテゴリーが分けられているので被りがない。だからこそ、全員を愛することができるって思いました。
鮎川:それこそ第1弾のときは役作りや距離感がみんな探り探りで、みんなどうしていけばいいのか時間がすごくかかりました。
でも今回はまったく時間がかからずに「俺はこうする」「じゃあ自分はこうする」とみんな自発的に出てきて、すごくやりやすい。
だからといって、それが他の人の演技を邪魔するわけでもなく、良い感じに作用していて。誓吾役の前田くんも面白いアイデアを稽古場に持ってきていたり、「ここが空いているから使おう」とステージのセットもみんなでうまく利用したりしています。
あと、結津万清信役の京本政樹さんの殺陣が垣間見えるシーンもあってみんなで“ウォ~!”となったり(笑)。1人1人をすごく大事に立ててできるのが「春雲組」の良いところだと思いました。
白又:僕は役柄的に組のみんなといるシーンが少ないので寂しいです。
鮎川:あはははは(笑)割とみんなと一緒にいないもんね。
白又:そうなんです。今回は単独行動が多いので……みんなと一緒にやりたかったですね。
——第3弾に乞うご期待!ですね。今回はせっかくお二人へのインタビューですので、それぞれ相手が演じる役柄の印象などをお聞かせいただけたらと思います。
白又:太陽くんは僕より年上ですが、劇中では僕が演じる高久が年上なので逆なんです。でも、ユウトはしっかりと年下に見える。あと、ユウトから“高久さん”って呼ばれることにムズムズします。
鮎川:(笑)
白又:年上の人にさん付けで呼ばれるのが不思議なんです。実年齢とは逆の年齢設定ですので、そこが個人的にもすごく面白くて。
でも、キャラクターの年齢設定のように年下に見えるのは、役者としての太陽くんの魅力ですし、ユウトというキャラクターの良さだと思いました。
——やっぱり実年齢と逆の年齢で演じるのは不思議な感覚があるんですね。
白又:めちゃくちゃ不思議な感覚です! 普段、年上の俳優さんから“さん付け”で呼ばれることがないので、ちょっとドキッとします(笑)。
また、ユウトは「春雲組」の中でも1番身長が高くて、見た目のインパクトは大きいですけど、“後輩感”がすごく見えて愛おしさを感じるんです。
今回、ユウトがピンチになるシーンがありますが、そこに自分が隣にいないのが悔しくて。ユウトに対しては居合わせたかった!と思う瞬間が多いです。
鮎川:どの座組でもそうですが、だいたい距離感を詰めること自体がすごく時間がかかる作業でして。劇中で1年、2年と関わっている仲を何日、何週間で作っていかなければならないのが難しいところで、最初は本当に大変でした。
敦の役とは実年齢が逆だったので、どうしようかな?と自分でも思っていましたが、コミュニケーションを結構重ねながら関係性を詰めていけたんじゃないかな、と。だからこそ、第2弾の稽古場ではそういうところを意識せずに自然と作り上げることができました。
また、「春雲組」がピンチになったときに高久の優しさが強く出てくるんです。家族想いなところが彼の中にあり、自分で何とかしようとする健気さもあって。観ていただけたら分かると思いますが、すごくカッコいい。
敦の演技も割とナチュラルなので、嫌に目につかなくて。スッと心の中に残るような感じの雰囲気を残していくので、僕たちも全力で助けなきゃ!と思えます。
イタズラっ子が多い「PHOENIX」
——稽古場の雰囲気はいかがでしょうか? 稽古場で印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
鮎川:昨日の稽古、良かったよね!
白又:良かったですね! 僕は外から見ていましたけど、このシーン熱いな!って感じでした。
鮎川:本当に熱い。心がポカポカするというよりも胸が熱くなるようなシーンで。すでに稽古場でもその熱が出ているので、本番はさらにすごくなるんじゃないかなと思います。
白又:あと、近々のエピソードとしては、井上正大さんの話じゃないですか?
鮎川:あぁ! あれね!
白又:稽古場の自分のテーブルに軽食のカップラーメンを井上さんが置いていたんですけど、ある人が勝手に食べていたんです(笑)。
一同:(笑)
白又:食べたのは太陽くんと君沢さんでしたっけ?
鮎川:僕は“食べるよ~”って言っただけで、実際には君沢さんが食べました。
白又:しかも、井上さんのカップラーメンを食べちゃった君沢さんがすぐにグループラインで報告したんです。
井上さんは「大丈夫だよ~」って言っていたんですけど、その次の日に君沢さんが罪滅ぼしなのか、山積みのカップラーメンを買ってきていて(笑)
鮎川:数えたら21個ありました。
白又:あはははは(笑)。
鮎川:君沢さんが美味しそうに食べていたので、後日、同じものを買おうと稽古場に行く前にコンビニに寄ったんです。でも、そのカップラーメンが売り切れていて。
それで稽古場で山積みにされていたカップラーメンを見た瞬間に、「あぁ、君沢さんが全部買ったんだ!」と(笑)。