angela 10thアルバム『Battle & Message』発売記念インタビュー|遠藤正明さんとのコラボ曲や『ヴァルヴレイヴ』新曲に、『ファフナー』、『K』、『はめふら』の楽曲など熱いメッセージを込めた12曲を収録! 発売記念1万字インタビューをお届け!!
atsukoさんの個性的なボーカルと、変幻自在の演奏&アレンジを繰り出すKATSUさんのユニット、angelaの約3年半ぶり10枚目のオリジナルアルバムとなる『Battle & Message』が5月19日に発売!
全12曲中7曲が新曲で、遠藤正明さんとコラボした表題曲に、『革命機ヴァルヴレイヴ』の新録2曲に加え、既存曲も『蒼穹のファフナー』、『K』、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』など超豪華盤です!
初回限定盤には、新曲2曲のMVと2020年12月27日に生配信された『angelaのミュージック・ワンダー★生特番 ~パシフィコで会いたくて~』を完全収録!
リリース直後には18周年&アルバム発売記念のオンラインライブを開催するなど、精力的な2021年になりそうなお2人にアルバムのご紹介と聞きどころなど、約1万字に渡ってたっぷり語っていただきました。
今は誰もがメッセージを伝えたい時代であり、日々戦っているみんなへのエールをこのアルバムに
――オリジナルとしては約3年半ぶりのアルバムになりますが、制作するにあたってのコンセプトとタイトルの由来を教えて下さい。
atsukoさん(以下、atsuko):アルバムの準備を始めたのがちょうどコロナ禍に入った時で、音楽業界でライブやイベントもできなくなりました。でもネットやSNSを通じて、歌や音楽を披露したり、アーティスト同士で一緒に繋がって何かをする企画が生まれたりして。
数年前にコミケに参加した時も自分の描いた絵や作った曲などの創作物を出展する人がたくさんいて、それらを欲しいと思う人たちが何十万人も並んでいたことにも驚きました。
「みんな、誰かにメッセージを伝えたくて、その想いはとどまることを知らないんだな」と感じたし、私たち自身も歌でメッセージを伝えたいと思っていて。
また私たちの楽曲は敵がいて、過酷な運命に抗いながら戦って未来をつかもうというバトルを描いた曲も多いし、今はコロナとの戦いだったり、学校や会社、世間と日々戦っている皆さんへのエールも込めて、このタイトルになりました。
――ちなみに表題曲「Battle & Message」は、遠藤正明さんをゲストボーカルに迎えていますが、どういう経緯で実現したのでしょうか?
KATSUさん(以下、KATSU):遠藤さんとはこれまでもご一緒したことがあるし、以前、『ENSON』というアニソンカバーアルバムで「明日へのbrilliant road」をカバーしてくださっていることも知っていました。
今回のコラボについては、アルバム制作の話が出る前に、「今度どんな曲を作ろうか?」と話したらatsukoさんが「デュエットしたい。相手は遠藤さんがいい」と言い出して。
実は僕も同じことを以前から思っていて。その直後にJAM Projectさんのアルバム『The Age of Dragon Knights』に楽曲提供(「HERE WE GO!」)することになり、JAMさんのレコーディングに立ち会いつつ、ずっと遠藤さんの観察をしてました(笑)。
そのレコーディング後に「やっぱり遠藤さんしかいない、いやできない!」と2人で確信しました。
atsuko:普通ならキングレコードさんから遠藤さんの事務所さんへお話ししていただくのが筋だと思うんですけど、私たちの熱い想いをまずお伝えしなくてはいけないなと思って。でも個人的には4年前に遠藤さんとLINE交換してからそれっきりで。
「久しぶりの連絡がお仕事のお願いというのもつまらないな。遠藤さんの歌をカラオケで熱唱している動画を送ってみよう」と。そこで「爆竜戦隊アバレンジャー」を1コーラス歌った動画に、「お元気ですか!? カラオケ行ってきました」とメッセージを送って。
そうしたら遠藤さんから「うまいな」と返信があって。「どうした?」と尋ねられたので、こちらの希望をお伝えしたら「俺でいいならやるよ!」と言ってくださって。その後に事務所さん経由でお話ししたら快諾していただいて決まりました。
またキングレコードさんにプレゼンした時は、よっぽどのことをしないと説得材料に欠けるかもと思って、「もう曲を作っちゃったんで。あとご本人にご了承いただければできるんです!」と、もうNOとは言えない状況を作りました(笑)。
アニソン歌手が歌う「令和版・3年目の浮気」? 普段のお茶目な遠藤さんを引き出したかった!?
――楽曲は男女のラブソング、俗な言い方をすれば痴話げんかみたいで。
KATSU:atsukoさんの中では、アニソン歌手が歌う「令和版・3年目の浮気」みたいなものをやりたいというイメージが最初からあったそうです。
atsuko:アニソン界では水樹奈々さんと西川貴教さん(T.M.Revolution名義)や、宝野アリカとデーモン閣下のデュエットがありましたが、タイアップ曲ということで、作品のイメージに合わせたバトルソングになっていて。
また今回タイアップがないので自由に作れるから恋愛の曲が書けると思って。昭和生まれの私が見聞きしてきた男女のデュエットソングは「あなた、浮気したでしょ?」、「そんなことないよ」という曲が多かったんですけど、そこイケるなと(笑)。
――カッコよさと、1番の冒頭から浮気がバレて、しのごうとしているコミカルさを同時に表現できるのは遠藤さんならではかもしれませんね。
KATSU:ステージ上の遠藤さんと楽屋での遠藤さんが違い過ぎていて、実はお茶目な方なんですよね。
MV撮影の時、「JAMの時は俺までしゃべったら、うるさすぎてしょうがないから、みんなの意見を尊重するポジションなんだ」とおっしゃっていたり、「ソロのライブも皆さん、作品が好きで来てくれているので、イメージは壊したくない」と。
でも楽屋ではよくしゃべるし、一番冗談も言うんです。そんな遠藤さんを引き出したくて。
atsuko:見た目も歌もパワフルで男らしいけど、色気も出ていて、「あ、いいな」と思いました。だから楽曲の中でも小難しいことはしたくなくて。また私たちのファンの方は男女の比率が半分ずつくらいですし、今は難しくてもいつかファン同士で、カラオケで歌ってもらえたらいいなと思いました。
――MVもバンドメンバーと一緒にレコーディングしているシーンをそのまま撮影したような映像になっています。
KATSU:レコーディングの雰囲気をそのまま出したくて。このようなコラボの場合は普通、どちらか1人がまず歌って、その後にもう1人が録った音声を聞きながら歌いますが、今回は2人同時にレコーディングしました。
遠藤さんが余裕で仕掛けてきたらatsukoさんもそれにのっかっていく様子がおもしろくて。年末に行われる格闘技イベント『RIZIN』や『K-1』を見ている感覚で、ディレクションするよりもレフェリーとして身近でバトルを見ているような。
その感覚をMVにそのまま詰め込みたくて、監督にも格闘技を撮るような感覚で撮影してほしいとオーダーしました。そして楽曲のアーティスト名義も最初は「angela featuring.遠藤正明」だったけど、最後に「angela VS 遠藤正明」に変えました。
atsuko:バトル属性と思われる遠藤さんが終始ニコニコ楽しそうに歌っているけど、吠えるところは吠えて。私と遠藤さんが向い合わせで歌っているけど、KATSUさんが「もっと寄せたほうがおもしろい」と言って。お互い恥ずかしくなるほどの距離で、「近すぎじゃない!?」と思ったくらい。
KATSU:実際のレコーディングはこんなに近くはないです(笑)。
――これほど強く男性を攻めているatsukoさんを見られるのも貴重ですね。
atsuko:ないです! ないです! 2人で肩を組んで歌っているだけでも信じられないのに、ステージ上では見られないような遠藤さんの表情もたくさん見られて。
KATSU:僕やバンドメンバーも2人の楽しんでいる様子につられて、自然と笑顔になるんですよね。
――曲の最後で遠藤さんが「ゴメン」と謝るところもちゃんと収録されているんですね(笑)。
atsuko:レコーディングの時、歌い終りに、やりすぎちゃった「ゴメン」と言ったのを、私たちはそのまま使わせていただきました。