春アニメ『フルーツバスケット』The Final 草摩燈路役・大地 葉さん|妹を抱きしめる第7話は演じるのがとても苦しかった【声優インタビュー第11回】
2021年4月より、テレビ東京・テレビ愛知・テレビ大阪ほかで放送中のTVアニメ『フルーツバスケット』The Final。
本作は2019年4月より新スタッフ&キャストにより全編アニメ化となったTVアニメ『フルーツバスケット』の最終章となっており、ついに“十二支の呪い”を軸に繰り広げられてきた物語が結末を迎えます。
アニメイトタイムズでは最終回に向けて、キャスト21名のメールインタビューを毎日連載でお届け! 第11回目は、十二支の「羊」の物の怪憑きである草摩燈路役の大地 葉さんです。
演じるのがとても苦しかった第7話
——The Finalで心を鷲掴みにされたシーンやセリフ、好きなシーンなどがあれば教えてください。
大地 葉さん(以下、大地):自分の演じているキャラクターのお話で恐縮なのですが、第7話で遂に燈路の呪いが解けて妹の日向を抱いたまま立っているシーン。
念願であるはずなのに、彼は母親の五月さんに向かって、涙をいっぱいに溜めながら声を震わせて「複雑な気分」だと話します。その気持ちは彼にしか……というよりは、当事者である彼等にしか分からない。
形容し難い感情を上手く言葉にする事が出来ないのは、彼が子供だからという理由では決してないと私は思います。きっと、例え大人であったとしても説明出来ない感情なんです。
彼の心情が重なった瞬間、本当に胸が痛みました。演じるのがとても苦しかったシーンの一つでもあります。
——これまでのシーズンとは違い収録形式にも変化があったと思いますが、アフレコ現場の様子はいかがでしたか? ディレクションや演技面で気をつけたことがあれば教えてください。
大地:年頃の少年特有の揺れ動く心、上手く態度に示せない不器用さやもどかしさを持っている燈路というキャラクター。
彼がただの生意気な子供ではないという事は演じている自分が1番よく分かっていましたが、初めてこの作品に触れた視聴者の方々にどんな印象を持たれてしまうかがとても心配でした。
全面的にツンケンとした部分を出し過ぎては嫌われてしまうのではないか、しかしその要素を薄くしてしまったら彼らしくなくなるのではないか……など、芝居を組み立てるにあたってとても悩みました。
最終的にこれで行こう!と決めて持っていった芝居が現場で問題無く受け入れて頂けて、オンエアまで持っていけた事に安堵しています。
今シーズンは杞紗役の上田麗奈ちゃんと二人で収録する事が多かったのですが、自分以外の役者さんと同じブースで掛け合いが出来る幸せを改めて噛み締めました。
全員揃って収録したかったという気持ちが拭えないのが正直な所ではありますが、それでも1番「近い」相手である杞紗と一緒に録れたのは大変有り難かったです。
最終回の収録を終えた後二人して名残惜しくなってしまって、スタジオを後にしてからもしばらく道端で「寂しいね」「帰りたくないね」「本当に終わっちゃったんだなぁ」なんて言い合いながらお互いを引き止め続けたのも、今となってはとてもいい思い出です。帰ってから一人でしくしく泣きました(笑)。
麗奈ちゃんが杞紗でよかったです。本当に。
——燈路といえば杞紗との関係性です。The Finalを迎えて2人の関係性について大地さん自身、どのように感じられますか? また、杞紗の1番好きなところを教えてください。
大地:燈路はとても大きくなりました。外見的は勿論ですが、内面も彼を取り巻く環境に変化が生じた事によって変わっていったと思います。彼女の存在が彼にとってどれほど大切な存在なのかは、本編をご覧になって頂いている皆様には伝わっていると思います。
杞紗は精神的に強くなり前進する為にこれまで沢山努力してきた女の子。だからこそ、ちゃんと間違っていると思った時は燈路と真正面から向き合って衝突してくれるんです。其処が杞紗の1番大好きな点でもあります。
そんな直向きな彼女が傍に居なかったら、燈路はこんな風に大きくなれなかったと思います。ゆっくりですが確実に心の距離が縮まって行っていると感じられるシーンが随所にあって、二人共成長しているのだと感じられて胸を打たれました。