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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』佐藤 健・有村架純インタビュー

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』がついに公開! 佐藤 健さん・有村架純さんインタビュー|有村さんが佐藤さんに隠していたこととは!?

 

「一生この名前忘れんなよ」という気持ちで演じた名乗りのシーン。

——有村さんと、撮影で初めて剣心と巴として向き合った際はいかがでしたか。

佐藤:最初から非常に素晴らしかったですよ。本当に言うことはなかったです。僕以外のスタッフも思っていたと思いますが、本当にビシッとはまっていて。「来たーー!」と。

——まさに思い描いていた巴そのもの、ということでしょうか。

佐藤:思い描いていた、というわけでもないんです。思い描きようがないので。ただ、巴という人との人生を経た後の剣心はずっと演じてきたわけですから、やっぱり巴との日々というのは一作目のときから考えて撮影に挑んでいました。

なので、今現在のことが起きているはずなのに、すごく懐かしい感じがして。夢を見ているというか、自分の過去の回想の中に自分がいるような不思議な撮影期間でしたね。なかなか不思議な体験をしたなあ、と思います。

 

 

——今お話しされたように、一作目からずっと剣心のバックボーンとして意識してきた巴との日々が本作で描かれたわけですが、そんなシーンを演じるということにどのような感想を抱きましたか?

佐藤:描けることに対して非常に嬉しい気持ちでした。すごくやりたいエピソードだったので、一本の映画としてちゃんと向き合えるということに、幸せを感じましたし、背すじが伸びる思いというか、大好きなエピソード、大切なエピソードだからこそしっかりやりたい、という思いがありましたね。

——今の佐藤さんのお話も受けて、改めて巴という大きなプレッシャーのある役柄を演じられていかがでしたか? 撮影前に勉強されていく中、そして台本を読んで、彼女が辿る結末も知られたわけですが。

有村:生きている心情としてはとっても辛かったですけど、でも巴の立ち姿とかが美しくて。だけど、決して強いわけではなくて、とっても危うい人だな、と思いながら演じていました。弱さを知っているからこその強さというんですかね。

傷つくことを避けるんじゃなくて、ちゃんと傷ついて怒ったり笑ったりした上で、そこからどうするか、ということができる人だなと思います。だから、彼女にとっては本当に悲劇だったのかな、と。

——そんな巴の結末でもある、剣心の頬に十字傷が付くシーンを、佐藤さんはどのように捉えて撮影に臨まれましたか?

佐藤:当然大切なシーンになる、というのは全員分かっていたので、非常に緊張の糸が張りつめた状態でした。そんな中、1カット1カット丁寧に積み重ねていって、最終的には納得のいくもの、満足のいくものが撮れたと思ったので、ホッとしたと同時にこの映画の成功というか、「いいものになるな」という確信めいたものが見えた瞬間でしたね。

——クライマックスはもちろん、ほかに思い入れのあるシーンはなにかありますか?

有村:全部忘れられないですけど、剣心と出会ったところとか、初めて清里殿への気持ちを吐露するシーンは印象的でしたね。クライマックスは2日ぐらいかけて撮ったんですけど、辰巳とのくだりとかもけっこうしんどかったですね。

でも、やっぱり「雪代巴です」と初めて剣心に名前を言うところですかね。「一生この名前忘れんなよ」という気持ちで言いました。

佐藤:自分の気持ちとして?

有村:巴の気持ちとして。これから復讐をするつもりだったから。

佐藤:「雪代巴という名前を忘れんなよ」ということで。

有村:あの最初の自己紹介はそういう皮肉な思いを込めて言いましたね。

佐藤:怖いね。怒ってたんだ。

有村:怒ってた(笑)。

——佐藤さんはいかがですか?

佐藤:僕ももちろん全部ですけど、山でふたりで暮らす日々は印象に残ってますね。とっても素敵なロケーションだったんですよ。のどかで、いい天気で。我々の日々の中でも唯一といっていいくらい幸せな日々だったので、撮っているときもすごく心を穏やかにできましたね。神戸だっけ?

有村:神戸です。

佐藤:撮影時は神戸に泊まりっぱなしで、あの山小屋に通っていたんですけど、撮影が終わってもなにもすることもなくただただ籠もって。撮影が始まってもなにもないところに行って、という暮らしをするだけの淡々とした日常がものすごく幸せだったのがすごく印象に残ってます。

——剣心の唯一心安らぐシーンだったわけですが、佐藤さん自身としても心安らぐ期間だったんですね。

佐藤:殺伐としているシーンが多かったのもあって、確かにそうだったと思います。はしゃぐわけでもなく、ゆったりとした時間が流れていました。

 

 

逆刃刀ではなく日本刀を使った殺陣は「非常に楽しかった!」

——本作は余韻がすごく印象的というか、かなり後を引く映画だと感じたのですが、撮影後すぐに自分に戻れるものなんでしょうか?

佐藤:僕はあまり意識していないので分からないというか、「戻ろう」とか思ったことがないですね。

でも、まったく関係ない友達に会うと、やっぱりその役をやってるときによって、表情とか顔とか違うよね、とは言われます。

——自覚はないけれど、少しなにか残ってはいるというか。

佐藤:自覚はないんですけどね。

有村:私もあんまり意識したことはないですね。ただ、集中力は切らしたくないので、楽しい気持ちになりすぎないよう、忘れないよう気を付けています。なので、そういうときはあまり友達と会わないですね。この作品は地方でも撮っていたので、一切外との関係は持ってなかったです。

——先ほどの山小屋のお話のように泊まり込みが多かったのでしょうか?

佐藤:そうですね。基本は全部どこかの地方で撮ってました。

——『The Final』までの剣心は不殺の誓いを立てており逆刃刀を用いていましたが、今作は人を斬れる日本刀を使います。殺陣のシーンにも変化があったと思いますが、いかがでしたか?

佐藤:非常に楽しかったですね! やっぱ刀は斬れたほうがいいです(笑)。今までいかに戦い辛い武器で戦っていたんだろう、というのを発見しました。

——逆刃刀は叩く武器、という印象でした。

佐藤:まさにそうで、難しいんですよね。打撃でインパクトを強く見せることって非常に難しかったんだなって。斬撃にできることで、刀の使い方の幅も広がったし、アクションを派手に見せることも前ほど難しくなくなりました。

今までやってきた剣心というのは、言ってしまえば引退10年後なんですよ。対して今回は現役バリバリなので、絶対キレが圧倒的に違うべきだと思っていたんですけど、刀を変えることでそういったところをクリアできたかな、と思います。

——『The Beginning』の剣心はスピード感はもちろん、斬れる“怖さ”が乗っていてアクションシーンが今までよりも恐ろしいという印象を受けました。

佐藤:ありがとうございます。

 

 

——今回の映画剣心の頬に十字傷が付くシーンは、原作やアニメとはまた少し違った印象を受けました。どんな心境であのシーンに挑まれましたか?

有村:解釈って人それぞれだと思うんです。答えのようなものは私からはあんまり言わないほうがいいと思っていて。私が「こうです」と言ってしまうと、もうそれ以上でも以下でもなくなってしまうので、観てくださった方に委ねたいと思います。

 

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