angela『はめふら』2期OP曲「アンダンテに恋をして!」発売記念インタビュー|『はめふら』との出会いから生まれた新しい引き出し。今作も『はめふら』ファンへのサプライズや仕掛けもいっぱい!
angelaのニューシングル「アンダンテに恋をして!」が7月7日リリース! 7月より放送が始まったアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』のOP曲。
1期シリーズのOP曲「乙女のルートはひとつじゃない!」は、今までのangelaのイメージを覆す明るく、楽しく、奇想天外なアニソンで「令和2年アニソン大賞」作曲賞を受賞するなど話題になりました。
今作もクラシックやポルカの要素を詰め込んだ作品に寄り添いつつ、遊び心いっぱいの楽しい曲になっています。カップリング曲「愛を謳う」もまさかのクラシック3曲の要素を取り入れたウエディングソング風のハッピーソング!
angelaのatsukoさんとKATSUさんに『はめふら』2期への想いや、「アンダンテに恋をして!」の制作秘話と聞きどころなどを語っていただきました!
18周年記念&アルバム発売記念配信ライブは遠藤正明さんをゲストに迎えつつ、新しいライブの形を提供
――5月23日に18周年記念&アルバム発売記念の配信ライブ『angela Debut 18th Anniversary Online Live -Battle & Message-』が行われました。振り返ってみての感想をお聞かせ下さい。
atsukoさん(以下、atsuko):楽しさを感じながらも、「お客さんがいたらもっと果てしなく楽しかっただろうな」と想像してしまうともったいない気もしています。ただ、ライブ後もアーカイブで1週間くらい見ることができたんです。今までは自分のライブ後にすぐに映像を見られる環境はなかったので、オンラインライブならではだなと思いました。
NEWアルバムの『Battle & Message』から全曲歌ったので、新曲が多いこともあって緊張感も大きくて。その割には翌日にアーカイブを見たら、意外と自分が楽しそうで、お客さんにもこの楽しい感じが伝わったんじゃないかなとホッとしました。
そして遠藤正明さんにゲストに来ていただいて、アルバム収録のデュエット曲「Battle & Message」と、「明日へのbrilliant road」を歌えたことも嬉しかったし、やっぱりお客さんに生で見てほしかったなという気持ちも強かったです。
KATSUさん(以下、KATSU):ライブ配信というより歌が聴ける番組というものを心がけてきましたが、VJさんとのコラボをしたり、ライブハウスでは不可能な装置や演出ができたので、新しいライブができたかなという新鮮な感動がありました。それと同時に自分たちはお客さんがいるライブが好きなんだなと改めて実感しました。
――ステージの床にタイアップ作品のロゴが映し出されたり、配信を見ている方からのコメントが見られたのは驚きました。
KATSU:無観客&配信特化した日清パワーステーション[REBOOT]ならではのシステムみたいで、ライブハウスでは不可能だなという演出や装置があって。これが新しい形のライブなのかなと思いました。
atsuko:皆さんの書き込みのコメントが床から後ろに流れていましたが、そのコメント数は今までで一番多かったらしくて。きっとみんながツッコミたくなるようなライブをしたのかなと(笑)。
――あとライブ中にカップヌードルをバンドメンバーと一緒に食べるもぐもぐタイムもありましたね。
atsuko:お誕生日ライブでいただいたケーキを食べることはよくありますが、カップヌードルを誰もしゃべらず完食するというのはなかなかないですよね。あの会場でライブする時はみんな食べなくてはいけないわけではなく、あくまで私たちの演出の一環ですから(笑)。
KATSU:憧れの会場でのライブだったので、テンションも今まではちょっと違って。自分たちがお客さんとして何度も訪れていたライブハウスがまさか復活するとは思っていなかったし、そのステージに立てるのも嬉しくて。ライブ前にも会場内をまわりましたが、2階席のバルコニーもそのままで、「この柱でよく見ていたな」とか感慨深かったです。
暗い空気を吹き飛ばしてくれた『はめふら』1期。OP曲が大好評も2期OP曲担当にプレッシャーも
――新曲「アンダンテに恋をして!」は、アニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』のOP曲ですが、2期シリーズが始まることへの思いや期待している点など教えて下さい。
atsuko:去年の4月から『はめふら』の1期が始まって、その頃は初めて緊急事態宣言が出された時で世の中も暗い雰囲気で、どんよりした気分になりがちでしたが、夜中に『はめふら』を見ていると自然とほんわかと優しい気持ちになれて、気分良く眠れました。
更に私たちの曲がOPで流れ、変なCMまで流れて(笑)。そんな明るく照らしてくれた作品に自分たちが少しでも関われたのが嬉しかったし、視聴者の方も喜んでくださって。
だから2期が決まった時は「アニメの続きがまた見られるんだ」という喜びが大きかったです。そこでまたOP曲のオファーをいただいて、「前の曲は嫌がられてなかったんだ。よかった」と(笑)。
「乙女のルートはひとつじゃない!」はいろいろな挑戦をしたので、受け入れてもらえるのか心配だったので、ホッとしました。でも「今度はどんなOP曲を作ればいいんだろう?」という悩みも。
KATSU:『はめふら』は今までangelaが手掛けてきたタイアップの世界観とはまったく違うもので、曲を作ってからもオンエアされるまで、合っていたのかわからなくて。でもオンエアされる毎週土曜の夜になるとワクワク待ち遠しくて、心穏やかにしてくれる時間がくるんだというありがたみを噛みしめながら。
ささいなエピソードでもホロっとしてしまうような、あの頃にこの作品があって本当に良かったと思えたし、「こういう時代だからこそ必要なアニメだな」と思いました。
またこの頃はアニメ制作にも大きな影響があって、延期や中止が相次ぐ中で、日程を変えることなく、始まり、最後まで終われたことは、スタッフの皆さんの努力と姿勢、チームワークの素晴らしさに感謝、感動しました。
――今シリーズでは、第1弾のPVを見たらカタリナが誘拐されてしまったり、新キャラが登場したりとドタバタとあわただしくなりそうです。
atsuko:そうですね。PVの第2弾では早速、OP曲を使っていただいて。先ほど、キングのプロモーターの方から「めっちゃ合ってますね。この曲。鳥肌立ちました」と興奮気味に熱く語られて(笑)。
KATSU:「乙女のルートはひとつじゃない!」の後の今回ということでプレッシャーもあって。「超えられないのでは?」という葛藤があったし、しかもオンエアされるのは「スーパーアニメイズム」枠ということで、僕らでいいんだろうかと。
――そのOP曲「アンダンテに恋をして!」はどのように制作されたのでしょうか?
atsuko:まず井上(圭介)監督から「キャラクターたちが踊れて、ステップを踏めるような曲がいいです」というリクエストをいただいて。ステップといえば、この世界観なら舞踏会でワルツみたいな感じかもしれないけど、作品のイメージからいえば明るく、前向きな曲のほうがいいんだろうし……と悩んでいたら、KATSUさんから提案があって。
KATSU:映画『タイタニック』のジャックとローズが舞踏会ではなく、一般の乗客が酒を酌み交わしながら楽し気にポルカを踊るシーンがあったんですけど、そのシーンが好きで。そこからアイリッシュダンスやケルト民謡みたいなポルカはどうだろうと。
atsuko:たぶん監督が求めていた「ステップ」とは違うとは思うんですけど、EDMでもワルツでもないだろうし。「乙女のルートは―」の歌詞「ちょっと想像ナナメ上」みたいな(笑)。軽快なメロディになったので軽やかさも出せたかなと思っています。
――軽快なのに、途中に混声コーラスや「第九」のフレーズっぽいものを挟んでいるところがおもしろいです。
KATSU:「第九」を挟んでいるのは、「乙女のルートは―」で「運命」のフレーズを入れているので、ベートーヴェンつながりで。
atsuko:ベートーヴェンつながりって何?(笑)
KATSU:ベートーヴェン色を入れたほうがいいのかなと思って(笑)。やっぱり「第九」ってバレるんですね。僕の中では「いかに第九と感じさせないか」がテーマだったのに。「第九」は『エヴァ』をはじめ、いろいろなアニメ作品で使われ、こすり続けているような曲ですが、angelaも遂に使ってみようと。