声優
ほし×こえ<オンライン公演>KENN・柿原徹也、阿部敦×代永翼インタビュー

声優星空プラネタリウム朗読会「ほし×こえ」が初のオンライン公演として復活 公演にかける出演者たちの意気込み、そして藤原啓治さんへの思いとはーー KENN×柿原徹也、阿部敦×代永翼、各キャストへのWインタビュー

阿部さんと代永さんにとっての高校時代は、夢を叶えるための日々だった──?

——代永さんは特に役柄と共通する部分も多かったようですが、今回それぞれが演じられた役についての印象と、役作りについて意識された部分はありますか?

阿部:青羽について意識したのは、普通の少年であり青年であるってところですかね。僕の演じ方だとちょっとチャラい感じになるのかなーとは思うんですけど。

代永:(笑)

阿部:人間誰しも、本音を見せないところってあると思うんですよ。特に二十代の青羽の場合、やりたかったことができなくて、今は古本屋の店主をやらなきゃいけないっていうモヤモヤがあって。

そういうのを明かさないで取り繕おうとすると、ちょっとこうお調子者になるというか。隠しているからこそ、少し調子がいいやつになってしまうという感じなのかなーと思って、僕はやらせていただいてます。

リアルな気がするんですよね、よく喋る人ほど意外と本音を話してないって。だから逆に本音を語る部分では、いつもの軽口とは違う感じにできたらいいなと。そういう本音と建前の使い分けみたいところが面白いキャラかなと思ってます。

——代永さんはいかがですか? 古澤というキャラについて。

代永:青羽君は古澤君のことを「クールで無口であんまり喋らないやつなんだろうな」って言ってくれるんですけど、たぶん古澤君はそう演じてるんですよね。

本当はすごく明るくてめちゃめちゃいいやつだし、友達になったらすごく話やすいんだろうけど、常にいろんなところへ転校しなきゃいけないっていうのがあって。

それで傷ついてしまうのであれば、仲良くなるより距離を取っていたほうが自分も楽だし、傷つかなくて済むっていう思いから、本当の自分じゃない自分を作って演じてるのを読んでてすごく感じたというか。

阿部:古澤にしても青羽にしても、仲良くはなったけれど、本音みたいなものは明かす前に離れてしまったわけで。たぶんそのことがお互い引っかかったまま十年経ってるので、熟成されてるところがあるんでしょうね、十年前の楔みたいなものが。

——十年と言葉で言ってしまえば簡単ですが、お二人はお芝居の中で17歳と27歳という2つの年代を演じていらっしゃるわけですよね。演じる上で変えた部分、逆にここは変えなかったという部分はありますか?

阿部:僕はあんまり変えてないんですよね。古澤にも「青羽は青羽のまま」みたいなことを言われてたし、あんまりがらっと変えてしまうのも違うかなぁと思って。

わかりやすさとか演じ分けっていう意味で言うと、変えたほうがいい部分もあるんでしょうけど、自分を思い返してみても十年前と今とで変わってるかって言ったら、そんな変わってないと思うんですよ。

もちろん青羽にしても十年間いろいろあったから、内面では変わってる部分があると思うんですけど、見ている方にぱっと伝わるほどわかりやすい変化ではないのかなと。わかりやすくキャラ付けするっていうのも何か違う気がするんで、結果あんまり変わってないんだと思います。

代永:僕は17歳ならではの、素直になりたいけど素直になれない……ってところを出すようにしてますね。

27歳になってからは、本当の古澤君が出てきてるんだろうなっていうのは演じる時に意識してます。やっと青羽と対等に話せるみたいな部分。

あとはやっぱりプラネタリウムの学芸員としての話し方が染み付いてる部分と思うので、お客様に対してと、青羽に対しての違いを出すようには考えてますね。だからなんか三役やってるみたいな感じです、自分の中では(笑)。

——ちなみに17歳の青羽や古澤と、ご自身が17歳だったころを比べて、重なる部分や共感できるなどはありましたか?

阿部:青羽君は口では否定してましたけど、天文部の活動に結構ハマってたんだと思うんですよね。僕も演劇部で、部活をやりに学校へ行ってた感もあったので、その辺は共感できるかなーと思いましたね。好きなことを見付けられて、やれてる感。

高校って進路に対して微妙な時期じゃないですか。夢も見られるけどある程度現実もわかってきて、でも部活では好きなことやれたりだとか。一番夢と現実が入り交じる時期で、(青羽にとって高校時代が)居心地のいい時間だったんだろうなぁっていう部分では共感できますね。

代永:僕は高校に入った時点で、声優になるために少しでもお芝居の経験をしておかなければいけないっていう思いを持ってましたね。

でも高校時代は限られていて、それをどう過ごすかって考えた時、三年生になったら遊べないなっていう思いがあったので、とにかく一年生の間は、めいっぱい遊ぼうと思って(笑)。一年間いろんな経験をして、それで二年生になってからは演劇の勉強をするために演劇部に入って。

三年になってからは部活を続けつつ、専門学校を探したり、あとはその頃って、まだここまで世に声優っていう仕事が知られていなかった時期なので、いろんな人に反対されたりして、どう説得すべきかっていうのをずっと考えてましたね。じゃあ、まずは母親を味方につけようとか(笑)。

——戦略的ですね。

代永:戦略的にやってました。先生にも反対されていたんで、母親を味方につけて先生を説得するほうが早いなって(笑)。

——2対1に持ち込もうと。

代永:そうなんですよ(笑)。だからもう進路っていうか、声優になるぞ! っていう思いのほうが強かったかもしれないですね、高校時代は。

——いろいろな意味で寄る辺ない古澤君と違って、代永さんは目標とやるべきことがしっかり決まっていた青春時代だったんですね。

代永:はい! (目標を)変えるつもりはなかったので。

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