声優
2021年9月前半の総括(靴)|青山吉能『みずいろPlace』#31

2021年9月前半の総括(靴)|青山吉能『みずいろPlace』#31

皆さんこんにちは、元気ですか?

わたしは元気です。

青山吉能です。

最近、ネチコヤンお迎え欲が爆発しています。

ブリーダーさんや保護猫ちゃんのサイトを覗いては癒され、SNSに次々に現れる各々のネチコの生体を眺め、そして現実を見て、己にひとつの命を最期まで幸せに育て切る覚悟があるのかを問い、情けなく寝る日々です。

親しい人間に、「わたし猫飼えるかな」と聞くと皆々が、みにゃみにゃが、口を揃えて「やめておけ」と言います。それはわたしの婚期のためではなく、猫の幸せのために。

じぶんひとり幸せにできない人間が自分よりちいこ命を・・・守り抜くだなんて・・・。なんて不甲斐ない人間なんだろうか。

そもそもわたしは生き物を飼うという経験を積んできませんでした。

兄が無責任にお祭りでとってきたフグも、両親がしぶしぶナフコで水槽から砂から水温計から比重計から全部買い揃えてくれて、たくさん見張ってたくさん愛を込めて育ててきたけれど2週間で虹の橋を泳いでゆきました。

庭のアサガオの下に埋めました。

カブトムシの幼虫も、土を湿らせるための霧吹きを使うのがあまりに楽しくて、気がついたら水没させてしまっていました。

庭のアサガオの下に埋めました。

わんちゃんを飼いたい、とサンタさんにお願いしたこともあります。

しかし「うちは6人家族て決まっとるけんあたが死んだらね」という残酷なお返事しか返ってきませんでした。

わたしがアサガオの下で暮らしていたかもしれません。

こんな強引な言葉に納得していたよぴぴ(ちいこすがた)、偉すぎる。

最近は同業者の方でもペットを飼われる方がぐんと増えた気がします。

乗っかりたいですね、このビッグウェーブに。そう言い続けてもう3年くらい経ってますけど。

今回のテーマは「くつ」です

さて今回のテーマは、9月2日が「靴の日」だという、もう、ひねることを忘れたクロワッサンのようにひらたく「靴」になりました。

オシャレは足元からなんて言うとりますけれど、正直この言葉が有名だと知るまでは自他ともに足元なんて気にしたことがありませんでした。

以前お洋服についての遍歴をこのコラム内で書かせていただいたと思うのですが、そんなお洋服以上に関心がなく、近所の八百屋さんくらいだったら裸足で駆けるくらいのものでした。

スニーカー1足、サンダル(母と兼用)1足、制服用のローファー。長らくはずっとこんな生活をしていたと思います。

しかし、今まで足元に向かなかった興味指数がここ1、2年でギュンとパラメーターをあげていきまして、靴箱から芳香剤箱へ名前を変えたほうがいいと思うほどスカスカだった靴箱を飛び越え、玄関にどばどば溢れかえっています。

いま、玄関の半分は靴です。かわいそうに・・・。そんな玄関の肩身を救うために、最近ようやくシューズケースを買いました。

こちらです。

まだシューズケースとしての自我が芽生えていないようですけど。こら!

うんうん。いいですね。

こちらタワーボックスっていうなんか界隈では大人気な代物らしいです。わたしはそういった「知ってて当然っショ」みたいな商品に弱いのでこれを選びました。

見せる収納。靴を見せつけながら収納ということをしたことがなく、少しの戸惑いが生活の良いスパイスになっています。

靴のなかでもとりわけスニーカーに関しては愛好家の方が多いなあという印象です。タワーボックスさんもそんなスニーカーヘッズのための収納ボックスらしいですよ。

わたしはどの分野においてもコレクター癖があまりないので、各有名ブランドさんの新作が出るたびにそれらの話題で盛り上がっている方を見て、あまりに知らない世界にまるで博物館にきた気持ちになります。

今もなお、履けていればまあという気持ちは否めないですが、言われるがまま買ったちょっぴりレアらしいサンダルとか履いていると、その博物館の中にいる多くの方々から「それ○○の○じゃーん!」と呪文を唱えられます。ナイトミュージアム。

本当に足元って見られてるんだ・・・、そんなことを実感しました。

しかしそんな人たちに認められるセンスのある買い物をしたという事実はなかなかわたしの鼻を高くしてくれて、そこから色々自分でも調べるようになり、魅力が分かり、虜とまではいきませんが、理解ができるようになりました。

そして靴のサイズ表記も、国によって様々です。

かわいい靴を見かけて、サイズあるかしらとひっくり返したら「38」とかいうびっくり数字だったことがあります。

そんなところに「サイズお出ししますよ」と声をかけられて、慌てて「24cm 足 別名義」で調べたことも。慌てると訳のわからない検索をしてしまいます。

今までわたしの足は24でしかないと思っていたのですが、どうやらヨーロッパ的に言うと37。アメリカ的に言うと7。国によってここまで数字が違うのかと驚きます。

そんな「24cm」表記じゃないものもいくつか持っていますが、異国からはるばる日本にきてくれたこの靴が、たまたまわたしの目に止まって履かれているということに少しわくわくします。

どんぶらこと島国に流れ着き、わたしより2分早く生きている人がひょっとしたらシンデレラだったかもしれないのに、ずっと待っていてくれた。出会い、いいえ出逢いって本当に“奇跡”、infinity——。

胡散臭すぎ。

しかし、履いてなくったっていいし怒られないし捕まらない。そんなものを愛おしく大切に思う気持ちから、生活のきらめきって生まれるのかもしれませんね。

わたしのように常に下を向いて歩いているような人にとって輝いてくれるものは靴だけです。せめて狭すぎる視野のなかでも心の余裕がそこに生まれてあらわれるといいな。

いまこれを読んだ方も、明日履く靴ちょっと磨いとこうかな、となってくれていたらそれもまた素敵です。

素敵な靴はあなたを素敵な場所に連れて行ってくれますから。

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