「ヴィランアカデミア編」を通して味わってほしい『ヒロアカ』の奥行き――アニメ『僕のヒーローアカデミア』内山昂輝さんインタビュー│死柄木弔役に決まった当時の話も
「週刊少年ジャンプ」で連載中の堀越耕平先生による『僕のヒーローアカデミア』。現在放送中のTVシリーズ5期は、ファン待望の「ヴィランアカデミア編」が佳境を迎えています。
これまで物語の節目節目で暗躍していた敵(ヴィラン)連合の面々にスポットが当たる「ヴィランアカデミア編」では、トガヒミコたちに続き、いよいよ死柄木弔の過去が明らかになります。
今回は、そんな「ヴィランアカデミア編」で活躍するキャラクターのひとりで、敵(ヴィラン)連合のリーダー・死柄木弔を演じる内山昂輝さんにインタビューを実施!
これまでの死柄木の活躍についてはもちろん、『ヒロアカ』の魅力についてもお話を伺いました。
死柄木は一回一回を印象的にしないといけないキャラクター。顔が見えないからこそ最初は苦戦?
――これまでの死柄木の活躍を振り返っていただいて、印象的なシーンはありますか?
死柄木弔役・内山昂輝さん(以下、内山):5年、6年と続いてきたアニメシリーズですが、死柄木は1期の後半で初登場した後、ずっと出続けてきたわけではありません。新たな敵(ヴィラン)が登場する際に、あわせて出てくることが多かったですが、登場するペースに波があるからこそ、出演回はどれも印象的でしたし、演じる側としても常にインパクトを残さないといけないキャラクターだと思っています。
――各エピソードで存在感を放ちましたが、登場回数は意外と少ないですからね。
内山:しかも、登場するのは物語のクライマックスが多かったので、より印象に残りやすいんだと思います。
――第5期まで死柄木自身にも数々の出来事がありました。演じていく中で彼に対する印象や演じ方に変化はありましたか?
内山:キャラクターデザインは何度かアップデートがありましたが、演技において具体的にここを変えてほしいというオーダーはなかったです。内面になにか変化があったのだとしたら、それは場数を踏んできた結果だと思います。
――今回の「ヴィランアカデミア編」で演じるにあたって意識されたことはありますか?
内山:「こう演じよう」というよりは、「背負わせる」というイメージでした。自分としてはベストを尽くして今回の「ヴィランアカデミア編」に挑んだつもりなので、良い作品に完成しているといいなと思っています。
――敵(ヴィラン)連合のリーダーとして意識していることはありますか?
内山:これまでの死柄木は、先生(オール・フォー・ワン)との繋がりがあるからか、いわゆるリーダー然とした態度はあまりとっていなかったので、そういうことはあまり意識しませんでした。
――だいぶ前のお話になってしまいますが、死柄木を演じることが決まったときの感想は覚えて居ますか?
内山:初めてキャラクターデザインを見たときは、手が顔にくっついていてびっくりしましたが、それと同時にこのキャラクターをどう演じようか悩みました。アニメのキャラクターは顔がもたらす印象が大きくて、それが性格や作品における立ち位置などの他のイメージにも影響を与えると思うんです。でも、その表情が見えないので最初は悩みました。
――しかし、これまで演じてこられたということはなにか指針のようなものが見つかったのでは?
内山:どうだったかな……。原作から受けた印象などを頼りに演じたんだと思います。あとは僕自身、その時その時でやり方にブームのようなものがあって。
――ブームですか。
内山:僕はそもそも声優の基礎を学校で教わったわけではないので、実際にスタジオで演じながらなんとなく学んできました。いわゆるアニメっぽい声に挑戦しようという時期があったり、逆にアニメっぽくない発声でやってみようという時期もあったりして。
――なるほど。
内山:死柄木については、おそらくアニメっぽくない声とか表現を意識していた時期だったと思います。