『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』アスナ役・戸松遥さんインタビュー｜今回のキリトは「可愛い」が勝る!?　“不器用なアスナ”からのスタートにも注目

14歳のキリトとの掛け合いのなかで松岡さんとの関係にも変化が!?

――キリトもまた昔の姿、14歳のころの彼が登場したわけですが、戸松さんから見て今回のキリトはいかがでしたか？

戸松：今の私が見ると、今回のキリトは「可愛いな」という感情が勝っていますね。

もちろん、「さすがです！」という強さはちゃんと描かれていますが、戦っていないときのキリトが、TVアニメのときよりも女の子慣れしていなくて、より“コミュ障感”が出ていて（笑）。14歳なので、TVアニメのときよりも少年感が出ていて当然ですが可愛いかったです。

――アスナとのやり取りもすごく初々しかったです。

戸松：そうですね。「うわ～慣れてないな」と。アスナが可愛い女の子ということもあって、目が合わせられていなくて面白かったですね。

――これまでの姿に比べてすごく等身大というか、より親近感が湧きました。

戸松：人間味がありますよね。「その年頃の男の子はこうなるよ」という初心な男の子感がありました。

――キリトを演じられている松岡（禎丞）さんとはどのようなお話をされましたか？

戸松：（松岡さんは）収録が始まる前はすごく緊張していました。「当時の声が出るだろうか」と気にしてましたが、いざ演じてみたら、「本当にあのときのキリトだ！」と感じました。

ただ、本人の現場での向き合い方も当時に戻ってしまって。

一同：（笑）

戸松：この10年で座長らしさが出ていたというか、特に《アリシゼーション》はキャストが変わる中でも適応していたりして、頼もしいなと思っていたのですが、『プログレッシブ』になった瞬間、おそらく当時の緊張感が返って、初々しい松岡くんに戻っていました（笑）。

――改めて《アインクラッド》編のアスナとキリトで掛け合いをしてみていかがでしたか？

戸松：直近のTVアニメよりさらに若いふたりの掛け合いがすごく新鮮でした。作品の時代が戻ることってあまりないと思うのです。時代が進んでいくことはこれからもあるかもしれないですが、こういう体験は、原作などない限りは珍しいことだと思いました。

当時のことも思い出しながら、私と松岡くんの関係性は急によそよそしくなることはなかったので、収録の合間は「緊張するね～！」と言いながら、当時の年齢感に戻れているかな、と雑談も踏まえながら話していました。

――そして、映画オリジナルキャラクターであるミトが登場します。戸松さんから見て、ミトはどんなキャラクターですか？

戸松：ただ「カッコいい」とか「良い子」とか、そういう言葉ではくくれない子だと思いました。人間味が強いというか、「こういう子です」という説明だけじゃ収まらない、いい意味で人としての強さと弱さを持っている子だな、と。

ミトの気持ちがすごく分かるようなシーンがあって、映画を観てくださるお客さんも共感できる、むしろ一番共感しやすいキャラクターなのかな、と思います。