音楽
TRD(近藤孝行×小野大輔) 1stシングル「Strangers」インタビュー

近藤孝行さん×小野大輔さんのTRD 1stシングル&『吸血鬼すぐ死ぬ』ED曲「Strangers」インタビュー|小野さんが「良くできたアニメのタイアップ曲」と絶賛する理由とは?

タイトルはダブルミーニング。ED映像を見た近藤さんは新たな発見も!

――ちなみに畑さんから歌詞が上がってきた段階からタイトルも「Strangers」だったんですか?

近藤:そうです。

小野:タイトルの直訳を調べてみたら「見知らぬ人」と書いてあって。「確かに作中のキャラクターたちは見知らぬ人だし、変な人ばかりだな」と思いましたが、意味は転じて「海外で会う見知らぬ人→異邦人→旅人」で。畑さんにうかがったわけではないですけど、ダブルミーニングなのかなと。「ちょっと不思議な存在」、でも「一緒に旅をする人たち」。見事過ぎます、畑さん。

――ドラルクとロナルドのことを描きつつ、TRDのお二人とも重なっている深さが畑さんらしいですね。

近藤:EDを見ていたら、たぶん原作の55話だったと思うんですけど、ジョンの冒険とばっちりハマるんですよね。もしかしたらジョンのことを書いているのかなと思ったくらいの歌詞にもなっていて。更にこの曲を聴いてくださる皆さん、1人ひとりにも当てはまると思うんです。そう考えるとすごいですね。僕は畑さんと過去1回しかご一緒させていただいたことはなかったんですけど、みんな、「畑さんはすごい」と言っていて、それを今回、実感させていただきました。

「Strangers」のMV撮影地は小野さん曰く「カリフォルニア」? 近藤さんが決死の覚悟と役者魂爆発!?

――「Strangers」のMVは抜けのいい海の景色や公衆電話が英語表記など、日本ではないような。

小野:あれはカリフォルニアです。

近藤:そう、ずっと言い張ってるんです。

小野:実は千葉県富津市です。

近藤:言うんかい! プロデューサーから「撮影場所はここを使いたいんです!」と熱弁されて。僕らがいた、突き抜けるような空の下の高台を使いたかったみたいで。もしかしたら場所ありきで、ストーリーも作っていたのかもしれませんが(笑)。

小野:富津市の明治百年記念展望塔というところです。

近藤:撮影日は東京では嵐が来ていて、まさにDメロの「進んだ先は嵐の予感に満ちて 荒れる空を見上げたって」みたいな状況で。

小野:都内ではひょうも降ってきて。更に東京から撮影場所に行くまでの東京湾アクアラインも渋滞して。予定より2時間押しで始まりました。

近藤:撮影場所も昼から嵐が来そうな予報でしたが、何とか撮影中は持ちこたえていて、「なんて楽しいんだ!」と。でも電話ボックスで2人で会話しているシーンあたりから、向こうから嵐の訪れを告げるような雲が迫ってきて。いそいそとあわてながら撮影していましたが、荒天にもならず最後まで無事に撮影を終えることができました。

小野:でも展望塔の上は強風だし、暑すぎて体力も消耗しました。だけど想定外のことがあるからおもしろいんだなと思いました。歌詞の「未来は分からない~分からないから面白いんだな」のように。あと監督のムチャ振りも。公衆電話でのシーンで急に「何かしゃべってください」と言われて、「ここでエチュードをしろと」。でもお互い役者同士なので、1つ設定を決めたら無限にできるんですよね。あのシーンでは僕らの共通の友人である菅沼久義君に電話をかけて、「今、カリフォルニアに来てんだよ」と言って、近藤君に変わって。近藤君は「富津です」と素直に言うので、「貸して」と受話器を取り上げて、「カリフォルニアだよ!」、すると近藤君が受話器を取り戻して「富津です」の繰り返しをするというお芝居をしました。

近藤:更におもしろかったのは『吸血鬼すぐ死ぬ』のアニメ1話をリアルタイムで見ていたらCMでこのMVが流れて、その後に菅沼君がナレーションをしているゲームのCMが流れて。「うまくできているな!」って(笑)。

小野:何があるか、わからないからおもしろいね!

――あと前作の「Take You Higher」のMVはビルの屋上でダンサーと共に歌っていましたが、今回もやっぱり高所なんだなと。

小野:僕らと何とかは高いところが好きとでも?(笑)

近藤:僕、すごい高所恐怖症なんです。それなのに明治百年記念展望塔での撮影が決まっていて。

――しかも映像で見てもすごい強風で、それほど床もそれほど広くないのに怖くないのかなと思っていました。

近藤:それに揺れていたんです。映像以上の強風でしたが、そこは役者なので、カチンコが鳴れば、全然涼しい顔で。なんせ芸歴25周年ですから。自分をほめてあげたいです。

――ではその役者魂で、次回のMVでもより高所での撮影を楽しみにしています。

近藤:それはちょっと……。

カップリング曲「Clock Hands」は温かくて、優しく、自然と笑みが浮かんでくる曲

――カップリング曲「Clock Hands」はイントロのギターの感じなどファンクっぽいですね。

小野:確かにイントロはファンクですね。でも僕らが得意とするテクノやハウスっぽい部分も盛り込まれているけど、それでいて温かくて優しいという。聴いていると心がほわっとやわらかくなって、自然と笑みがこぼれるような曲だと思います。

近藤:初めて聴いた時に僕だけかもしれないけど、大好きなSMAPさんを感じてしまって。めちゃめちゃ気合が入りました。歌詞も今までになかった、おもしろい歌詞だし、しっかえい練習して素晴らしいパフォーマンスを見せるぞと意気込んでいたら、レコーディング当日の朝にぎっくり腰になってしまって。できるかどうか、わからないけど、とりあえず現場に行こうと思ったけど、歩けずに何とかタクシーでスタジオに行きました。

でも腰にバッキバキにコルセットを巻いた状態なのでうまく歌えなくて。皆さん気をつかってくださって、早く終了させてあげようと思っていたけど、僕自身、「もっとできる!」と納得できなくて「一度コルセットをはずして歌わせてください」と。カップリングではありますが、それくらい思い入れが強い曲です。

歌詞のモチーフは小野さんが感動したあるCM?

――歌詞には2人の登場人物がいますが、どんな関係性なのでしょうか?

近藤:僕らを反映した歌詞ではありません(笑)。タイトルは「時計の針」という意味ですが、コンセプトは小野君が出したんだよね?

小野:描きたかったのは同世代の男2人の友情や絆です。同じ性格だから気が合うのではなく、違うからこそお互いを認め合えるという関係性を描きたかったんです。ちょうど僕が好きなモチーフがあって、「ひとのときを、想う。」というJTのコーポレーションCMシリーズがあって。同期の会社員2人はデコとボコでお互いに分かり合えないけど、「なのに、なのに♪」というCMがすごく好きで。あんな世界観を描いてみたいんですというお話をしたら、東川 遥さんの見事な歌詞が上がってきたんです。お互いのいいところも悪いところも認め合って、一緒に積み重ねていける、そんな想いを歌詞にしていただけました。

――「初めから真逆のタイプで どちらかと言えば苦手かも?!それでも…きっと憎めない ふとした瞬間に 笑ってる僕がいる」や「新たな空 広がる」などからも感じられますね。男性同士ではなくても、女性同士や恋人同士などでも成立しそうな歌詞だなと。

近藤:聴く人によって、自分を重ねたり、いろいろな解釈ができそうですね。

小野:確かに。東川さんに聞いた話では、この曲は「Strangers」のカップリングではあるけど、作中のドラルクとロナルドの関係もちょっとだけ匂わせられたらいいなと思いながら歌詞を書かれたと。だからそういう見方をしてもアリなんです。

近藤:それ、初めて聞いたよ! 教えておいてほしかった(笑)。

小野:余談ですが、少しトゲがあるくだりもありますが、それはロナルドとドラルクを落とし込んでいる部分だと後で知って。

近藤:そうなんだね。

小野:歌は受け取る人のものだと思うんです。それぞれの場所で、それぞれの関係性に落とし込んで聴いてもらえたら、僕らも幸せです。

近藤:そうなるとなおさら、『吸血鬼すぐ死ぬ』をご覧になっていただけている方にはED曲の「Starngers」をフルで聴いていただくだけではなく、この曲も聴いていただきたいです。僕自身も「Strangers」にヒケを取らないような素晴らしい曲だと思っていますから。僕にとってはダブルAサイドシングルみたいな感覚です。

――他に聴きどころを挙げるとすれば?

近藤:この曲はスタッカート(音と音を区切って、歯切れよく短く演奏すること)が効いていて、リズムにのって歌えるので、どんどん気持ちがハイになってくるんですよね。アゲアゲな曲ではないけど、楽しくなってきて、口角も上がってくる曲だなとリハーサルで歌っていて感じました。

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