『ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart』颯砂 希役・佐藤拓也さんインタビュー|「恋愛シミュレーションゲームは尊い仕事です」
噛めば噛むほど味が出るキャラクター
ーー演じられた颯砂くんの印象や魅力についてもぜひ教えてください。
佐藤:いわゆる運動が得意な体育会系キャラクターなので、スポーツマンらしいエネルギッシュな人です。めちゃくちゃカラッとしていて周りを巻き込んでいく。それだけではなく、すごく繊細な一面もあるんですよ。
ーー先ほどお話されていた「人間性の複雑さ」みたいな部分ですね。
佐藤:颯砂くんの夢は「陸上十種競技(デカスロン)で完全優勝すること」です。自分の目標が明確であるがゆえに同じ部活のメンバーから浮いてしまったり、自分の目標タイムに届かなかった時に落ち込んでしまったりする場面があります。例えば大会で優勝して部員から「優勝したんだからいいじゃん」と言われるのだけど、目標タイムに届かないからその言葉に傷ついたり、理想と現実のギャップに悩んだりするんですよ。
そんな中、主人公であるプレイヤーと出会うことで、颯砂くんは自分の知らない自分に気づき始めます。なので、単純にプレイヤーに元気を分けてくれるキャラクターではなく、共に成長していける関係性を築けるキャラクターだと思いますね。
ーー元気なスポーツマンなのに繊細な一面が見えると、プレイヤーもギャップを感じてキュンとしちゃいそうですね。
佐藤:そういう意味では噛めば噛むほど味が出るキャラクターだと思います。演じる上では、好きな子に弱い部分を見せることは新鮮でしたよ。(好きな子の前で)こんなに正直になっちゃっていいのかな? みたいな気恥ずかしさがありました(笑)。
学生の頃から変わらぬ夢を追い続ける
ーー颯砂くんは「陸上十種競技(デカスロン)で完全優勝する」という夢を持っていますが、佐藤さんは学生時代どのような夢を抱いていましたか?
佐藤:颯砂くんと同じくらいの年齢の夢であれば、「東京に出て声優さんの勉強がしたい」でしたね。とにかくそのことしか頭になかったです。
僕も学生時代は陸上競技をやっていましたが、それも声優さんへの目標に向けた体力づくりのため。颯砂くんのように陸上競技を極めたいという目標はなく、声優さんは声のトレーニング以外にも体を鍛えなきゃいけないという知識しか当時はなかったので、文化部より運動部の方がいいだろうと選んだのが陸上競技でした。東京に出て声優の勉強をするための下準備を陸上競技でやっておくか! くらいの気持ちだったんです。
ーーそして、夢を叶えたと。
佐藤:ありがたいことに。夢が叶ってラッキー! ですよ。『ときめきメモリアル』という歴史あるタイトルに、そして実際に自分がプレイしていたゲームのシリーズに声優として出させていただいている。嬉しいですね。
ーーせっかくなので今の夢もお聞きしたいのですが、いかがでしょう?
佐藤:今ですか!?
ーー叶うか分からないビックな夢でも、逆にすごく些細な夢でも構いません!
佐藤:うーーん、そうですねぇ……。今37歳なのですが、とりあえず40歳までは大きな病気をせず、元気に仕事をしていたいなと思っています(笑)。お芝居をすること、アニメやゲームに声を吹き込むことが夢で、それが叶って今こうしてお仕事になっているので。これ以上に大それたことを望むと罰が当たりそうな気がしています。好きな仕事へ元気に取り組むことが、僕の日々の大きな目標なんですよ。元気に仕事を続けていれば、きっと何かいいことがあるだろうと思っているので、とにかく元気に仕事をすることが直近の夢ですね。
ーーいつまで夢(声優の仕事)を続けられるか、絶賛チャレンジ中ということですね。
佐藤:そうです、そうです。40歳まで元気に仕事を続けられたら、次は還暦まで元気に仕事を続ける。「死ぬまで現役」の気持ちでチャレンジし続けたいですね。