「地獄の門」?「ゴルゴダオブジェクト」?『エヴァンゲリオン』に登場する「ガフの扉」の謎に迫る!【ネタバレあり】
TVアニメシリーズである『新世紀エヴァンゲリオン』や新劇場版シリーズである『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズにも登場する重要な用語である「ガフの扉」をご存知でしょうか?
物語に登場する「人類補完計画」に不可欠な存在でありながら、詳細な説明がされない部分でもあり理解が難しいポイントでもあるのが「ガフの扉」や「ガフの部屋」と言った用語です。
本稿では「ガフの扉」が一体どのような存在なのか、情報をまとめわかりやすく解説!『エヴァ』シリーズの理解を更に深めていきましょう!
目次
- ユダヤの伝説で語られる「ガフの部屋」
- 『エヴァ』に登場する「ガフの扉」とは?
- TVアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』における「ガフの扉」とは?
- 新劇場版シリーズの「ガフの扉」について
- 楽しみ方は無限大!『エヴァ』シリーズを更に楽しもう!
ユダヤの伝説で語られる「ガフの部屋」
作中で語られている「ガフ」に関する言葉は、実際に伝承されているユダヤ人(ヘブライ人)の伝説を引用していると考えられています。この伝説は他のゲームや映画作品でも引用されている神話のような伝説です。
その「ガフの部屋」とは神様の住む館に存在する魂の保管場所の事を意味するそうです。この地球に生まれてくるすべての生命は「ガフの部屋」で魂を授かるとされており、「ガフの部屋」を通ることによって魂を持った生命体として生まれ落ちるとされているようです。
その伝説を『エヴァ』に当てはめてみると、「ガフの扉」というのは何らかの生命の魂が保管されている場所へと通ずる門ということがわかります。その生命がリリン(人間)であったり、使徒であるということなのです。
『エヴァ』に登場する「ガフの扉」とは?
すべての『エヴァ』作品で登場する「ガフの扉」ですが、その存在や解釈は登場するシリーズのによって異なっており、1つの答えが用意されているわけではありません。またファンによって様々な考察がされている用語でもあり、解釈は多岐に渡っています。
ここではTVアニメシリーズ(旧劇場版を含む)と『新劇場版』シリーズにおける「ガフの扉」についての情報をまとめていきます。
TVアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』における「ガフの扉」とは?
旧劇場版から登場した「ガフの扉」は、旧劇場版の絵コンテや資料集から考察した結果、生命の始祖であるアダムとリリスの掌に生じる裂け目であるとされています。
なので旧劇場版で綾波とゲンドウに移植されたアダムを取り込んだリリスの掌に亀裂が発生した際に、サードインパクトが起き人類の魂はその扉の奥へと回収され、リリスが眠っていたとされる黒き月の中へ還っていきました。
先程ユダヤの神話ではガフの部屋は神の館に存在するとされていましたが、『エヴァ』では別の場所に存在するとされています。
その場所がどこであるかの考察は主に2つの説が存在します。1つ目は生命は皆ガフの部屋を持つという説です。ガフの扉が開いた際に、自分自身の中にあるガフの部屋(魂のあるべき場所)に入っていき人の形を失って人類補完計画が発動した状態になると言われています。
もう1つは、ガフの部屋は2つあるという説です。アダムが生まれた白き月と、リリスが生まれた黒き月と同じ様に「ガフの部屋」もアダムのもとのリリスのものが存在し、使徒と人間はそれぞれの主が持つ部屋に還っていくのではないかと言われています。
人類補完計画の項目の中に「ガフの扉」を開けることも含まれていると考えて良いでしょう。覚醒したエヴァや槍を使ってリリスを目覚めさせた結果、扉が開いていることからもそれがわかります。
人類補完計画や扉の解放についての情報はこちらの記事を確認してみてください。
『エヴァンゲリオン』シリーズを楽しむための「鍵」、人類補完計画をわかりやすく解説! ゼーレのシナリオとは? ゲンドウのシナリオとは?
新劇場版シリーズの「ガフの扉」について
旧劇場版と同じ要素を持ちながらも、そのビジュアルや設定が変更されている部分もありわかりにくいものになっています。製作期間も長い空白期間が存在していて、その間に変更された設定も数多くありますので、「ガフの扉」においても様々な考察ができそうです。
新劇場版シリーズになっても長年に渡って考察されている「ガフの扉」ですが、本稿では『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で明かされた情報を中心に解説していきます。
まずミサトのセリフで登場した「地獄の門」と呼ばれるものが「ガフの扉」と考えて問題ありません。新劇場版シリーズでも度々登場した、虹色の光輪の中に現れた黒い穴を「ガフの扉」と読んでいるため北極で観られた地獄の門もそう考えていいでしょう。もしくは北極のカルヴァリーベースに存在しているガフの扉のことを「地獄の門」というのかもしれません。
そんな地獄の門の中にひろがっていたのはマイナス宇宙であり、その奥には「ゴルゴダオブジェクト」と呼ばれる生命や魂、世界の形まで変えてしまう謎の場所が存在していました。地獄の門からは魂がコモディティ化(均一化、一般化)したものが溢れ出てきていたため「ガフの部屋」と考えられています。
ゲンドウはゴルゴダオブジェクトにたどり着くために、ヴンダーらをトリガーとして地獄の門を開きました。ゴルゴダオブジェクトでユイのいる世界を書き換えようとしますが、シンジとの対話の末にユイの目的を悟って、自らゴルゴダオブジェクトの中に消えていきました。
シンジはヴィレの槍を用いて、ゴルゴダオブジェクト内で「エヴァの無い世界」に書き換えることを決意し、自身が人柱になろうとしますが「シンジの中にいた」とされるユイによってシンジは救われます。
ゴルゴダオブジェクトの中に存在していたという、謎の生命体であるユイ。そしてこれまでに起こったすべての事象はユイが人類と自分のパートナー、そして息子のシンジを守るために組んだシナリオであったことが明かされて、『シン・エヴァ』は幕を閉じました。
楽しみ方は無限大!『エヴァ』シリーズを更に楽しもう!
様々な解釈や考察が飛び交う『エヴァ』シリーズ。今回は「ガフの扉」にフォーカスして情報をまとめました。
作品に関する用語や設定の謎を解き明かしていくことも『エヴァ』シリーズの醍醐味ではありますが、楽しみ方は無限大!
それぞれの好きなポイントや解釈を楽しむことが1番です。『エヴァ』の感想は鑑賞した人間の人生や育ってきた環境を表す心理テストのようなものだ、ともよく言われる様に自由な受け取り方をするのも魅力の1つです。
それぞれのスタンスで『エヴァ』という作品を楽しんでいきましょう!