映画
『キングスマン』小澤征悦・梶 裕貴インタビュー

人気スパイ・アクションシリーズの最新作『キングスマン:ファースト・エージェント』公開記念──吹替版で主役の親子役を演じる小澤征悦さんと梶 裕貴さんにインタビュー!小澤さんが梶さんにした無茶振りとは!?

気になっていた「キングスマン」の生い立ちがわかる『キングスマン:ファースト・エージェント』。ここからの入門にも最適!

――本作は、過去2作で描かれていた「キングスマン」という組織の誕生秘話にあたりますが、前日譚ならではのおもしろさを挙げるとすれば?

小澤:キングスマンがなぜ結成されたのが明かされるわけですが、英国作品ならではのウィット感やおしゃれ感と、激しいアクションとのギャップが見どころの1つですね。

あとガジェットにも当時の時代感が反映されていて、今のガジェットの前身にあたるものが見られるので、過去のシリーズをご覧の方はより楽しめるのではないかなと思います。

梶:誕生秘話が描かれているからこそ、これを機に『キングスマン』シリーズを観るというのもアリじゃないかなと。もちろん設定や世界観は前2作とつながっているわけですが、今作はエピソード0的な立ち位置なので、この作品で興味を持たれた方は、間違いなく他の『キングスマン』シリーズも楽しんでいただけるのでは。

小澤:『スターウォーズ』方式だよね。

梶:たしかに(笑)。 

そして本作は、「キングスマン」という組織についての成り立ちだけではなく、親子の関係性や想いも重要な要素として描かれている作品ですので、そのあたりにもご注目ください。

――映像をご覧になった感想をお聞かせください。

梶:この取材の時点では、僕はまだ吹き替えとしての完成版は観られていないので、それ以前の感想になってしまいますが…まず、自分にとって本作は、1本の長尺映画として、重要な役どころでのオーディションで合格することができた初めての作品なんです。なので、参加させていただけたこと自体が本当に幸せなんですよね。

そして内容に関してですが、『キングスマン』シリーズは「英国紳士」と「スパイ」という一見意外な組み合わせが、他にはない大きな魅力として確立している作品だなと感じました。それぞれの要素が足し算ではなく、掛け算として見事に作用し合っていて。

また、シリーズに触れれば触れるほど、「キングスマン」という組織の成り立ちが気になって仕方なかったので、今回その謎が解けた嬉しさがありました!(笑)。当然コンラッドとオックスフォード公の親子関係や家族愛といったものがドラマの根幹に大きく絡んでくるので、前作を見ていると更にグッとくるものがあるんじゃないかなと思います。

小澤:僕もオーディションを受けて、初めて吹き替えをやらせていただいたので嬉しかったです。

劇中で、あるきっかけから第一次世界大戦が始まるんですけど、開戦直後の1シーンでふかんで撮られていた街が空爆を受けて、それが早回しになり、街がどんどん廃墟になっていって。

この1カットで戦争を表現しているのがすごいなと思ったし、映像の力、ディズニーさんやハリウッドの力を改めて見せつけられました。あとは梶さんと以下同文で(笑)。

 

ファッションも見どころの本作。2人のファッションのこだわりとは?

――『キングスマン』シリーズはアクションやガジェットも注目ポイントですが、今作ですごいなと思ったものは?

小澤:ガジェットではオックスフォード公がピンチに立たされて崖にしがみついている時に、胸からナイフを出して靴の先に取り付けて、氷壁を登っていくシーンはすごいなと思いました。

アクションは、劇中にラスプーチンという男との格闘がカッコよくて、おしゃれで。バックにある曲が流れて、曲調とアクションがリンクして……見ればわかります。

梶:僕も印象的なアクションはそこですね!親子での共闘シーンでもあるので。ガジェットでいうと、前2作でハリーが持っていた傘のように、今回はオックスフォード公の杖が隠し武器になっています。

小澤:座頭市です(笑)。

梶:はい、と言っていいんでしょうか…?(笑)。杖というのも、まさに英国紳士らしさが出ているなと。

――また英国紳士的なファッションも魅力の1つだと思いますが、ご自身の中で好きな色やファッション上のこだわりはありますか?

小澤:僕は赤いパンツが好きで、常に赤いボクサーパンツをはいています。今日は残念ながらお見せできませんけど(笑)。あとジェームス・パースの黒のVネックのTシャツが好きで、好きすぎて同じものを30枚くらい持っています。今日も着ているし、昨日も着てました。

梶:数日前に初めてお会いした時にも着てらっしゃいました!

小澤:要するに毎日同じTシャツを着ていて。もちろん毎日、変えていますよ(笑)。それが僕のマイルールかな。

理由は好きというだけではなく、芝居をする時にいつも衣装に着替えるので、私服に関してあまりこだわりがなくて。気づいたらこんなことになっていました。コットン100%で着心地は最高です!

梶:先日、小澤さんとご一緒した番組で、小澤さんのラッキーカラーが赤なことが発覚したのですが…お聞きすると、それこそ普段から大事な日には赤いパンツを履かれていたそうで!さすが「持ってるなー!」と思いました。僕はオレンジと黄色だったので、すぐに買わなくてはと思っています。一枚も持ってないので(笑)。ファッション自体は好きなのですが、どちらかというと"好きなものを着たい"という欲よりも、"目立ちたくない"という気持ちのほうが強くて。

小澤:スパイ的に?

梶:ええ、役作りです(笑)。人目にあまりつかないように黒いもの…頑張っても、グレーや白を選んでしまいがちで。

目立ちたくないあまりに上下黒づくめにしていたら、妻から「逆に目立ってるんじゃない?」と言われてしまいました。「たしかに!」と…(笑)。

なので派手な色やデザインの服は、イベントや撮影など、衣装として用意する機会に楽しんでいますね。日常生活では、色は同じでも、よく見ると「あれ?ここの縫製、糸の太さが違う」とか「ボタンの材質が違う」とか、そういうさりげない違いを満喫しています。

小澤:それはおしゃれじゃない? ちょっとずつ違うんだから。俺なんて全部一緒だからね。

梶:でも、着心地は大事ですよね!

小澤:俺はそれ一本だから。

梶:じゃあ、僕は形で(笑)。

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