広井王子インタビュー 夢は歌劇に育まれ、創作は歌劇に還る ~サクラ大戦から少女歌劇団ミモザーヌへ~
1996年9月27日の発売から今年で25周年となる『サクラ大戦』シリーズ。様々なゲームとのコラボ企画や、『新サクラ大戦』『サクラ革命』など、2021年はサクラ関連に多種多様な動きがありました。なお、その中に『サクラ大戦』原作・総合プロデューサーである広井王子さんの名前はありません。
はたして広井さんは何をされていたのか。実は12歳から19歳までというリアルな年代の少女たちによるレビューカンパニー「少女歌劇団ミモザーヌ」を立ち上げ、初めての有観客公演として2021年8月17日に東京・なかのZERO小ホール、8月20日に大阪・東大阪市文化創造館での夏公演を開催。12月28日からは冬公演も始まります。
ミモザーヌでは広井さんは総合演出を務めているとのことですが、実際には少女たちのメンタルケアをきめ細かに行い、コロナ禍でまったく先が見えない中でモチベーションの維持に努め、公演開催まで持っていきました。歌劇団の器を作ったり、オリジナルソングの歌詞を書くという大仕事もありますが、一番の役目は少女たちをまとめることでした。
その立ち位置はまるで『サクラ大戦』主人公の大神一郎そのもの。多感な少女たちひとりひとりに寄り添い、力を引き出す様は、バラバラだった帝国華撃団をまとめあげた大神の働きぶりに重なります。
広井さんはミモザーヌを“リアル版サクラ大戦”と例えます。年齢もリアルな少女で、劇団をゼロから作り上げていく様子も帝国歌劇団のスタートと同じ。そこで起こるリアルな問題の数々は、創作をはるかに超えています。しかしそれゆえに、ミモザーヌは面白い! 気になるメンバーの成長を見守る楽しみは、リアルな育成ゲームと言ってもいいでしょう。
歌劇にこだわり、今も歌劇を作り続ける広井さんに、『サクラ大戦』を経て少女歌劇団ミモザーヌを作ることになった経緯や、そもそもマルチクリエイター広井王子がどのようにして生まれたのかまで、この機会に伺いました。
ますます創作の炎を燃え上がらせる広井王子さんの“今”を、ぜひ少女歌劇団ミモザーヌでお確かめください。リアルな少女歌劇、衝撃的です。
▲広井王子(ひろい おうじ)/マルチクリエイター。主な作品は『天外魔境』シリーズ、『サクラ大戦』シリーズ、『魔神英雄伝ワタル』シリーズほかゲーム『天外魔境』製作の折、本名の「廣井」だと画数が多く、EDテロップで文字が潰れて見えないため「広井」に変更。名前も同様に画数を少なくするため、『ドラゴンクエストII』から「王子」を拝借、「広井王子」になる。以来その名前で活動してきたが、最近は「廣井王子」表記も使用
少女歌劇団ミモザーヌ
――8月17日の初めての有観客公演を拝見しましたが、パフォーマンスの凄さに圧倒されました。
みやはら にこさんという、シルク・ドゥ・ソレイユに憧れて4歳からアクロバットを始めた13歳の少女がいるじゃないですか。ステージの下手から上手まで連続バク転をして見せたりとか、小さな身体でまさに縦横無尽に動きますよね。
広井王子さん(以下、広井):東京オリンピックに出ていたスケボーの子たち(スケートボード 女子ストリートにおいて、史上最年少13歳7か月で金メダルを獲得した西矢椛選手や、16歳で銅メダルを獲得した中山楓奈選手)のように、きつい練習で怪我をしてもしょうがないと思っているみたい。
――パルクール(跳躍や回転を交えて障害物を乗り越えるスポーツ)もされているとか。
広井:はい。最近はパルクールもやっていますね。
――バトルアクションアニメの少女キャラクターが実在したら、こんな感じかもしれないと思いました。
広井:「新しい子たち」だね。3期生として入ってきた中にも、小学6年生で新体操をやっている子もいるし。
身体の利く子たちがショウに出たいとなった時に、中学生くらいだとショウがないんですよ。『アニー』(ブロードウェイ・ミュージカル。日本版では子役キャストは毎年オーディションを実施し、数千名の中から選ばれる)に出るしかないんですね。
だから、その出口を作ったみたいなことですよね。板の上(ステージ)に乗りたいけれども、チャンスは『アニー』しかない。だったら作れるかなと思って。
(ミモザーヌのオーディションは)小学5年生で受けられますから、2年の育成期間があるとして、中学生で板に乗れるということになりますよね。基礎をやっていくと、どうしても2年くらいかかるんですよ。ダンスの基礎も、ボイスの基礎もやらなきゃいけないので。
――あのステージを観れば、どれだけ鍛えられてきたのかはわかります。
広井:その辺りを鍛えていくと、ああいうふうになる。だから、リアル大神一郎(『サクラ大戦』主人公。帝国華撃団・花組隊長)をやっている感じ?(笑)
――リアル米田(米田一基。『サクラ大戦』帝国華撃団創設者・大帝国劇場支配人)として劇団を作って、リアル大神としてメンバーのメンタルケアをされているイメージがあります。
広井:米田さんは吉本の大崎会長(吉本興業ホールディングス代表取締役会長・大崎洋氏)だと思いますよ。大崎会長が「やろうよ」って言ったわけだから。
僕は大崎会長に全部報告してますから。お金にもタッチしていないし。そこは吉本で管理されていますので、報告はしなきゃいけないんですよ。「今度こういうことをやる。冬公演はこうなる」。そうすると「わかった。じゃあここまで広げていいよ」とか、「ここらへんまでに収めてね」とか。
その中で「じゃあ、どうやろうか」というのが僕の仕事なので。帝国歌劇団と違うのは、毎年新人が入ってくるっていう。それがすごく大変。
――入ってくるし、出ていくし、なんですね。
広井:そう。二十歳で卒団だから。
――最年長のきくた まことさんは、有観客だと8月の公演が最初で最後の舞台になったのでしょうか?
広井:10月で二十歳になって、今度二十歳の卒団公演が12月にあるんです。
少女歌劇団ミモザーヌ冬公演 「Winter Story~きくたまこと卒団公演~」
大阪【堺市立東文化会館】
2021年12月28日(火)
①11:30開場/12:30開演
②15:30開場/16:30開演
東京【草月ホール】
2022年1月9日(日)
①11:30開場/12:30開演
②15:30開場/16:30開演
チケット購入
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大阪公演
https://l-tike.com/order/?gLcode=51472
Lコード:51472
東京公演
https://l-tike.com/order/?gLcode=71060
Lコード:71060
――もうひとり、とにかく目を引いたのが、すずき みあい ムェンドワさんです。
広井:ケニアとのミックスの子だね。
――存在感がもう図抜けていました。言い方が難しいのですが、ブラックミュージックのクールさをまとっていて。
広井:やっとね。(ミモザーヌに)入った時はもう、メンタルが弱くて。やっぱり、虐められてきたんだろうね。
――ああ……。
広井:みんなと同調するんだよね。探るんだよ。それだとショウはできないので。「私が!」って前に出てこないと。そのオーラがなかなか出なくて苦労したね。
今年になってからだね。何がきっかけか、何のスイッチが入ったのかわからないけど、グワッと良くなってきて、「よし、行ける!」って感じ。だから今回「センターで行こうぜ!」ってなりましたね。作曲家の先生と「みあいをセンターにする!」って。
――みあいさんがセンターの「MONSTER NIGHT」って、要はマイケル・ジャクソンの「スリラー」ですよね。
広井:そうそう、「スリラー」っぽい感じだね。
――だとしたらもう、みあいさんをジャネット・ジャクソンにしてしまえばいいんじゃないかと思うんですよ。
広井:そうなってほしい(笑)。
――贔屓かもしれないですけど、彼女には徹底的にムーンウォークやブレイクダンスを仕込んで、ミモザーヌを引っ張るくらいのパフォーマーに育て上げる。そういう素質を持っている気がします。
広井:そうだね。
――リズム感とか声のパンチ力、表情の作り方なども、彼女だけ別格な感じがするんですよ。
広井:それをもっと自覚することだよね。本人が「いや、私なんて……」っていうタイプなので。
あの髪も、本人は本当に嫌で、いつもひっつめてるのね。だからワンって広がっている、あれが本当の髪なの。でも、ああいうふうにすると虐められるから、ひっつめるって言うのね。
「いいから! それ解いてワンってして! かっこいいし、美しいと思うから!」って言ってるんだけど、最近やっとそこに気が付き始めてきたの。
ひとりひとり個性が違うので、向き合って、どうやって舞台の中で伸ばしてあげるかっていうのが僕の役目なので。技術的なことは先生がいっぱい付いているので。11人の先生たちがいろんなことを教えているんです。で、僕はメンタルケアです。
――個性で言うと、みあいさんはリアルサジータ・ワインバーグですよ(『サクラ大戦』紐育華撃団・星組メンバー。ハーレム出身)。
広井:あっははは! 僕が紐育星組の舞台で掃除人(OGシンプソン。前説を担う)をやった時に、顔を黒く塗ったじゃないですか。もうあれが許されないんですよ、世界的に。
――ああ……。
広井:そうすると、今後日本でミュージカルをやった時に、「黒人の役をどうするの?」っていう。その時に、みあいみたいな子が下から出てこないと、日本のミュージカルが厚くなっていかないと思っているんですね。
そういう意味でも、彼女には役目があると僕は思っています。もっともっと勉強して、上に行ってほしい。まだ16歳だから。これからですよ。
――広井さんがミモザーヌを“リアル版サクラ大戦”と仰られていて、まさにそんな要素をたくさん秘めていると感じます。ステージも、今回は歌だけでしたが、今後はお芝居もやるんですか?
広井:やりますよ。レビュウのお芝居というのは、そんなに濃くないんですね。今後は少し入れていきます。お芝居が一番大変で、小学生の子にお芝居というわけにはいかないので。
中学の上級生か高校生くらいになったところでお芝居のレッスンが始まるので、これから少しずつ入ってくると思います。
――我々の年代では、本物の少女歌劇団を観る機会はなかったわけですが、今はアニメでも少女歌劇を扱った作品がいくつもあります。そんな中で、本物の少女歌劇団をゼロから立ち上げたミモザーヌの軌跡が、今後の創作における、非常に貴重なサンプルになるのではないかと思うんです。
2年という基礎訓練の期間を設けると、このくらい歌って踊れるようになるとか、4歳からアクロバットを始めると13歳でここまでになるとか、すべてが有益な情報になる気がします。
広井:凄いところにお気づきになりましたね。まったくその通りで、日本の演劇ってわりとデータがないんですね。アメリカはあるんですよ。いろんなデータを積み重ねて、メソッド(教授方法)を作っているんですね。
アメリカでは『アクターズ・スタジオ・インタビュー』なんていう番組になるくらいで、名優がいっぱい出ているわけですよ。日本はわりと劇団ごとで全然違っていたり、その劇団に入るためにはどうするかとか。入ったら入ったでその劇団の色に染まってしまうし。
そういう色を持たないで出来たらいいなというのを最初に考えたんです。ミモザーヌはあまり色をつけないやり方でやろうと。メンタルも含めて強くして、ある程度の基礎技術を持って、二十歳を超えて卒団した後に花開けばいいっていうふうに考えているんです。
アマチュア以上、プロ未満くらいの、ギリギリのところを行きたいんですよ。ちょっとプロには成りきれてないくらいのところが、少女歌劇団なんじゃないかな。初々しさと危うさがあって、ギャラいくらっていう頭にまだなってない(笑)。
戦前は少女歌劇団って40団体くらい、日本中にあったらしいですから。タカラヅカも最初は宝塚少女歌劇団だったわけだし。それが戦後にみんな少女を取ったんですよね。少女に限ると、ビジネススキームが作りにくい。どうしても二十歳以上で儲ける感じなので。
でも令和の時代にスケボーの少女を見た時に、「行ける!」って感じたんですよ。ミモザーヌもこの子たちで全然行ける。大人も子供も一緒くたに、観に来たみんなが楽しめる、間口の広いショウが作りたいんですよ。
それこそジャネット・ジャクソンからジャズから、『おはよう!こどもショー』まで含めてひとつのパッケージになっているっていうショウが作りたいですね。
(サクラ大戦)歌謡ショウもそういう気持ちで作っていましたけどね。間口をすごく広くして。
――浪曲、京劇、人形浄瑠璃、なんでもアリでしたからね。
広井:そうそう(笑)。そういうのを入れ込んでいい器を作ったつもりだったんですよ。今回もミモザーヌで、少し広めの器を作って用意しているところなんですね。
そこへいろんな作曲家の方とかも含めて、みんなが参加してくれて、いろんな曲を作って。それをレビュウという、ミュージカルみたいに太いストーリーがあるわけじゃなくて、やわらかなテーマみたいなもので括ってあるショウに落とし込むわけです。
一番わかりやすいのは「アラウンド・ザ・ワールド」といって、世界中の音楽を聴きながら、ゆる~いストーリーの中にいるっていうのが代表的なんですけど。
羽田から新婚旅行に旅立って、香港に行って香港の音楽、インドに行ってインドの音楽、フランスで喧嘩別れして、ニューヨークで仲直りして東京へ戻ってくる、みたいな。そういうのは作ってみたいです。
――それ、サクラの「これがレビュウ!」で既にやってらっしゃいますよね。
広井:あ、やってますやってます(笑)。あれが「アラウンド・ザ・ワールド」です。一曲の中に世界中の音楽を入れたんですね。
――それと、2年の育成期間でどれほど鍛えられたのかは、あのステージを観れば想像がつきますが、脱落者もけっこう出たのでしょうか?
広井:出ました。まぁ2割くらいは出るだろうなとは思っていましたけれど。最初は1年近く体幹の基礎訓練ですから、耐えられないんです。早く踊りたいとか思っても、なかなか難しかったし。
それからコロナになりましたから、リモートレッスンに切り替えたんですね。うちはけっこう早くからリモートレッスンをやっていたんですけれども、なかなか希望が見えない。(舞台に)いつ立てるの?っていう。
そこでみんな揺れていましたね。だからみんなでお茶会をやったりとか。女子会は僕らは入れないんですよ。だから何やってるかはわからない。代わりに、僕を囲むお茶会みたいなのがあったりとか。
あとはランチ会っていって、みんなでごはんを作ってくる。小学生もごはんを作る。それを見せびらかす。「なに作ったの?」って。それをみんなで食べて、雑談するみたいな。いろんな企画をやったんですよ。そうやってみんなのモチベーションを上げたりとかして。
お母様たちとの父兄会もやって、「ご要望はありますか?」とか、そういうこともやりました。「広井さんに言われて魚を食べるようになりました」「それは良かった!」とか。みんな食生活を全部ノートに書いているんですよ。それを2か月ごとに提出しなきゃいけないんです。それをチェックして、「もう少しこういうのも食べたら?」とか、そういうケアもしているんですね。
――耐えられなかった子もいたし、耐えきった子たちは8月の公演で初めて観客を前にして、「これがミモザーヌか!」と思ったでしょうね。
広井:受験で1年休団と言った子たちは、まず戻ってこないと思っていたんです。それがひとり戻ってきたんですよ。その子が今、がむしゃらにやっているんですよ。そういうのを見ると、やってて良かったなって思います。
にこなんかも、シルクを目指したけれども日本では出す場所がないので、彼女が僕に「居場所を見つけた!」みたいなことを言ってくれて、本当に良かったと思って。歌を作るとまず、にこに相談して「これ、にこがセンターなんだけどさ。どこでバク転入れる?」「この辺、入るんじゃないですかね?」とか。だからあれ、にこが作ってるんですよ。にこが跳びたい場面なんです。
――へぇぇ~!
広井:だから何を出すかわからないんですよ。なんとなくウロウロしながら、「これどうですか?」って(軽業を)見せてくれるんです。
――あれを最初に観た時は、コクリコだと思いましたよ(『サクラ大戦』巴里華撃団・花組メンバー。元サーカス団員で軽業が得意)。本物がいたら、ああいう感じだろうなと。
広井:あっ、そうね(笑)。コクリコに似てるよね、なんとなくね。
――13歳というリアルな少女で、背格好といい、あの身体能力といい、アニメのキャラクターが目の前にいるような感覚でした。
広井:サクラファンの方、興味があったらぜひ観に来てください。コクリコがいますから(笑)。
――伺えば伺うほど、ゲームで作ってきた世界を今、現実でやられている感じですね。
広井:いろんな場面で思うんだけど、誰かが僕の人生のサイコロ振ってる。僕は会社員でもないのに、(仕事が)降ってくるから。これも本当にたまたま。
ハドソン時代からすごく仲の良かったプロデューサーとごはんを食べていて、「僕さ、最近上方の落語とか、そういうのを勉強しなきゃなと思い始めたのよ」って話してたら、「あっ、いい人知ってるよ! 紹介するわ!」って言って。
次の時に吉本の大崎会長がいらっしゃって、「いや、ラスボス連れてくるんじゃない!」って(笑)。
――そりゃまぁ、上方の落語を知り尽くした方ですけど(笑)。
広井:「その前があるでしょう!?」っていう(笑)。「いきなり重いよ!」って、そんな話をしてたら、大崎さんが僕のことを面白がって、「今度大阪案内するわ」「えっ、直々にですか!?」って。
そのあと本当に直々に、花月(なんばグランド花月。吉本興業が運営するお笑い・喜劇専門の劇場)も見せてくれて、いろんなところを案内してくれて、夜ごはんを食べようと車に乗った時に、腕を掴まれて「王子、俺となんかやろう」って。
なんかってなんだろうって(笑)。「僕、こんなことをやってきたんですよ」ってゲームの話をしていたら、「あっ、それ。歌劇団やろう」って。その一言ですよ。それで、うちに帰ってお断りのメールを入れたんです。「こんな理由があるので、難しいです」という話をしたら、「わかった。面白い。やろう!」って1行書いてあって(笑)。
「やるんだ……」と思って、そこから真剣に考え始めましたね。
――今のお話を伺うと、大崎会長は花小路伯爵ですよ(花小路頼恒。『サクラ大戦』賢人機関メンバー。帝国華撃団の結成に関わる)。賢人機関が吉本で、米田はやっぱり広井さんですよ。
広井:あはは、そうかもしれないね(笑)。今回も、けっこういい先生を入れているのね。先生との会議もあるし、どんなレッスンをするかっていうのも一緒にやっているし。11人の先生でどうプログラムを組むかっていうのも、吉本と一緒に「今月はボイス中心」とか、「ダンスのこの辺が弱いから、ヒップホップを多くしよう」とか、そういうのも調整しながらやってて。
Zoomを使ってやる時は、Zoomの中にルームが4つ作れるので、4人の先生が入って、そこをみんながひとりずつ、ぐるぐる回るの。だからZoomだったおかげで、ひとりずつ見て行けるから、個人のパフォーマンスは上がっちゃったのよ。そういう効果もあったのね。
その代わり、集団の踊りがなかなかできなくて。今はまた集められるようになったので、集団の踊りをメインにやったりしているんだけどね。
――ということは、今後はもっと群舞の人数を増やしていけるわけですね?
広井:そうそう、それ!
――「MONSTER NIGHT」なんて絶対、もっと欲しいですよ。
広井:そうなの! もっと欲しいの!
――やっぱり「スリラー」ばりに集団で踊るのが見たいです。スペックは十分あると思うので。
広井:できるのよ。ただ、集まって稽古できるようになってから1か月しかなかったの。だからコンパクトにやるしかなくて。2人の歌だったらZoomで稽古できるでしょ。そうやって歌はZoomで作っていって、踊りは1か月で作ったので、やっぱり時間がなかったね。
――きくたさんが卒団となると、「ラストダンス」でみあいさんの次の相方は誰になるのだろうとか、色々と今後も気になります。
広井:歌に関しては、うちはメンバーが変わっていくのもアリなので。前はあの2人だったけど、今回はこっちの2人とか、そんなこともやっていきたいと思っているので。
▲少女歌劇団ミモザーヌ1期生、2期生の少女たち