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『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』田中真弓・伊倉一恵 対談

『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』ワタル役の田中真弓さんと虎王/翔龍子役の伊倉一恵さんの特別対談!──「過去のシリーズも一緒に見たり、親子三代で楽しんでほしいです。」

放送当時との声の変化に不安も、みんなでブースに入れば自然と『ワタル』の世界へ

――『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』で久しぶりに役柄を演じるにあたって意識されたことや苦戦されたことはありますか?

田中:演じていた当時よりも声が低くなっていて、昔の作品をたまに見ると「こんなに声が高かったんだ!?」と思うこともよくありました。

だから「変声期前の少年の感じを出さないといけないかな?」と思いましたが、いざ収録が始まると、そんなことも気にならず、みんなもいつもの通りで。ヒミコ(CV:林原めぐみさん)もヒミコのままで。

伊倉:みんなが特段変えることなく、いつものままだったから自然と入り込めたよね。

田中:シバラク先生(CV:西村知道さん)もそのままで、「そうそう! これだ! これ!」って。私も問題なく、いつものようにやれました。

伊倉:音程の問題もあるけど、今大人になった私が、9~10歳の子供の気持ちでやれるだろうかと。子供は意味なく走ったりするけど、そんな気持ちを思い出せるのかなと。

真弓ちゃんはずっと男の子を演じ続けているから、すっと入れると思うけど、私は今、学校の先生をやっていたりするので、不安はありましたが、やり始めて、周りでみんなの声が聞こえてくると、自然に役になれて、思いのほか戻れたかなと思います。

――『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』が再編集されて、『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』になりました。映像をご覧になった感想をお聞かせください。

田中:映像がきれいでビックリしました。

伊倉:2020年に配信された時は各話15分ずつの全9話だったので、ちょっと物足りなさもありました。もうちょっとそれぞれのキャラにスポットが当たれば、いろいろなドラマが演じられたのになと思ったりして。

でも今回、再編集された劇場版として通しで見てみたら、「なるほどな」と納得できたし、改めてわかることや発見がありました。

田中:配信で見ていた時よりも、1本の映画に仕上がっているなと思ったし、1つのストーリーとして楽しめました。

 
伊倉:話の展開が次々と変わるし、続々と魔神も登場して、いろいろな魔神に搭乗できるのも楽しいし。ワタルも変身して、いろいろな世界に行くのも話的にも絵的にも楽しかったです。

田中:しかもちゃんと当時の絵やお話のテイストも再現されていて、芦田さんや井内さんの意志をしっかりと継いで。

伊倉:スタッフさんのあふれ出る『ワタル』愛の賜物ですね。

田中:また子供の頃に『ワタル』を見ていらっしゃった方も制作に参加されているし、キャストでも見ていた方がいらっしゃって、「見ていた作品に自分が参加できるなんて信じられないです!」と言われました。

私と伊倉さんと、海火子を演じていた(高乃)麗と一緒に「コーネンキーズ」という演劇ユニットを組んでいて、2020年2月に舞台をやったんですけど、そこに子供の頃に『ワタル』を見ていたというアニメーターさんたちが観に来てくれて、絵も描いてくれて。

『ワタル』を大好きだった人がアニメーターや作家になって、今活躍されているんだろうなと想像すると嬉しいです。

龍神丸がいなくなるワタル最大のピンチ! 何度も「龍神丸」を呼ぶ声だけでも胸を打たれる

――『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』の中で印象に残っているシーンやエピソードを挙げてください。

田中:龍神丸の魂の欠片が飛ばされた先が逆さ創界山で、そこにはいくつもの世界があって、ワタルがそれぞれの世界を訪れるんですけど、行く先々で違う格好をしているのが楽しくて。

「すごく昨日の世界」で吸血鬼みたいになったり、「とても明日の世界」では犬になったり。「昔々の世界」で侍になった時は一瞬だけイケメンになるのが素敵でした(笑)。

伊倉:アングルも下からあおるようにね。

田中:あと虎王にぶたれたシーンも印象に残っています。そのシーンがあったリューグーランドのお話ではいろいろなことを思いました。「なんで虎王はしっかりしているんだろう?」とか、「海火子は海の人なのに、なんで唐揚げをたくさん食べているんだろう?」とか(笑)。

伊倉:最初は海火子が「鳥を食うのか!?」って驚いていたのに、ひとたび食べたら「うめえな、これ!」って(笑)。剣を誰かに預けて遊んじゃって、虎王が取り返してワタルに渡そうと投げたらワタルが剣と一緒に落ちていっちゃったり。

でもそんなギャグテイストだったのに、『ワタル』らしく最後はシリアスなテイストになっていくんですよね。

――そもそも20年以上経っての新作なので、お祭りや同窓会的なノリになるのかなと思ったら、ワタルにとって最高のピンチじゃないかというガチンコのストーリーで。

田中:相棒の龍神丸がいなくなるのは最大のピンチですよね。魔神を操る相手と戦うのも大変だし、何より龍神丸はいつもそばにいてくれたり、困った時は助けてくれたのに。

伊倉:ワタルがよく龍神丸の名前を呼ぶんですけど、「何回呼んだでしょうか?」というクイズになるくらいの頻度で。ただ名前を呼んでいるだけなのに、そのたびにいろいろな感情があって。

「どこにいるの?」という心配もあるし、「助けてよ!」という願いだったり、再会の時の喜びとか。名前を呼ぶシーンを見るだけでキュンとするんですよね。龍神丸もワタルの名前を呼ぶけど、そこでも様々な感情があって。思わず抱きしめてあげたくなるような。

田中:龍神丸を?

伊倉:ワタルを! 龍神丸もそうだけどね(笑)。早く元の姿に戻った龍神丸に会うために必死なワタルの姿は胸を締め付けられます。

田中:あと龍神丸が強くなりたいと願う負の感情から邪悪な姿になったのも意外でした。

(C)サンライズ・R
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