新時代の幕開け──10周年を迎えたLiSA「LiVE is Smile Always~LADYBUG~」日本武道館公演2日目レポート|「今日がどんな世界でも、2021年12月7日、8日、本当に最高でした!生きててよかったって本気で思ってます」
この世界を遊び尽くす
音ゲー実況風のレクチャーを挟みライブ後半戦へ。迷彩衣装で戦闘モードに入ったことを感じさせると、PABLOとツインボーカルで「play the world! feat.PABLO」を投下(曲終わり、石井のドラムに合わせて、バンドメンバー・ダンサーが掛け合いを楽しむシーンも)。さらにPABLOが編曲した「RUNAWAY」では円形ステージを高速回転しながらの歌唱。ポールにつかまりながら火柱が燃え盛る中を思い切り駆け抜け、武道館を遊び尽くすのだった。
優しく炎が灯る。和風の衣装に着替えたLiSAがアニメ『鬼滅の刃』の楽曲──「炎」、「明け星」、「紅蓮華」を立て続けに熱唱。中でもこの日いちばん高くせり上がったステージで歌った「炎」の絶景は圧巻だった。
ここからはクライマックス。和風の衣装を脱いでライダース姿でロックモードに。
「一気にいくよーーー!」
「ROCK-mode'18」「Rising Hope」と、エネルギッシュなナンバーでファンの心を射抜いてみせる。本編ラストナンバーに選んだのは「ハウル」。優しく力強い歌声で壮大な景色を見せるのだった。
「いろいろな日を越えて、日本武道館で大切な10周年を迎えられたこと、本当に幸せに思います! 今日はありがとうございました! どんな日も、今日を、今日を、今日を越えていけーーー! ピース!」とメッセージを送ったのだった。
LiSAたちがステージを去ると、LiSAの軌跡を振り返るインタビューがモニターに流れ出す。「Believe in myself」が流れる中、「10年前の自分へ」メッセージを投げかけていた。
「がむしゃらに必死に走り続けた先には、“あ、なんだかすごいところきたな”って思える10年後が待ってるから。たくさん悩んでください。たくさん悩んで、たくさん泣いて。それでも絶対なにかあるって信じて走り続けてください──」
アンコール1曲目は、この10年の感謝、11年目の決意を込めた「Letters to ME」。デビューミニアルバム『Letters to U』のアンサーソングでもある。以上ない素晴らしい選曲だったと思う。歌い終え、気持ちが溢れる。
「10年最高の日ばかりじゃなかったけど、“今日もいい日だっ。”って言える完璧な日ばっかりじゃなかったけど……その一つひとつを。みんなが会いに来てくれた1回1回を、大切につくった1曲1曲を。毎日生きてる1日、1日を。最高じゃなかっただなんて思いたくなくて。みんなと生きてる今日は最高なんだって、“今日もいい日だっ。”って唱え続けてきました。うまくいえないけど、LADYBUGツアーファイナルを迎えられたこと、最高に“今日もいい日だっ。”って言えます! どうもありがとう! みんなが一緒に信じてくれた今日のように、私もみんなと生きている今日を信じてます。だから……思い切り走っていいよ! また10年後も一緒に遊ぼうね! いろいろな日を最高に変えてくれたのは、キミです、キミです、キミです! みんなです!」
涙ながらにキミに感謝の気持ちを伝え、松本孝弘(B'z)サウンド・プロデュースを手掛けた「Another Great Day!!」(「今日もいい日だっ。」の英訳)を最後にプレゼントしたのだった。
終演後、たくさんの拍手を浴びながら自らの足で扉の前まで行くものの……「いやや、帰りたくない!」と駄々をこねたLiSA(笑)。「私はライブがとても好きです。私の楽曲は声を出して、みんなのパワーをもらいながらできあがっていく楽曲がたくさんあって。なので、今回の状況の中で楽しんでもらえるかたくさん試行錯誤をしました。だから今日、マナーを守った上で、みんなが一緒に遊んでくれて。今日は新時代のはじまりだなと思いました!」と涙ながらに話した。
また、この追加公演で、4月に「LiVE is Smile Always~Eve&Birth~」を開催することを発表した。“the Birth”の会場は日本武道館(この日の公演を持って日本武道館がLiSAのライブの最多会場となる)。4月のライブについてもここで言及。
「まだまだ不安定な時期は続きますけど、いつもとは違ったって、私たちで楽しいこと、一緒に作れるよ! またいつか、こんなに最高な日を過ごせると信じていてください! 4月はどんな状況になってるかわからないけど、私たちなら最高な日を一緒に作れるよね! その時は今日歌えなかった大切な曲たちもたくさん歌いにくるからね! 一緒に、この先、ずーっとずーっと遊ぼうね! 今日がどんな世界でも、2021年12月7日、8日、本当に最高でした! 生きててよかったって本気で思ってます。未来にどんな日があるかなんてわからないけど、一緒に生きている今日は、明日は、その先は、絶対に最高だよ! みんなと生きているこの時間が本当に幸せです。ありがとーーー!」
「生きて会おうね、ばいちーー!」と最後にゆびきりしてバックステージへ。長く熱い拍手が会場に響き渡った。
新時代のその先
たくさんの笑顔とトピックスに溢れた2日間。2022年も太陽に向かって羽ばたいていく彼女の背中を追いかけたい。そして、少し気は早いが10年後、20年後はどんなステージを見せてくれるのか、新時代の先に、どんな景色を切り拓いているのか、楽しみでしかたない──ああ、今日もいい日だっ。
[文・逆井マリ 写真・photo by Viola Kam (V'z Twinkle)]
リリース情報
LiSA「明け星 / 白銀」
2021年11月17日発売
初回仕様限定盤(CD) 1,320円(税込)
期間生産限定盤(CD+DVD) 1,760円(税込)
発売:SACRA MUSIC