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劇場版『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版の初日舞台挨拶より公式レポ到着!

劇場版『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版の公開記念テイキング・オフ!イベント開催! 監督・りんたろう氏&アニメ評論家・藤津亮太氏登壇

2022年1月14日(金)より、全国7館の劇場にて公開がスタートした劇場版『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版。その初日舞台挨拶として、<公開記念テイキング・オフ!イベント>は開催されました。

イベントでは、本作の監督を務めたりんたろう氏と、アニメ評論家の藤津亮太氏をゲストに迎え、ドルビーシネマ版として現代に蘇った本作の⾒どころや、1979年公開当時の制作秘話など、本作の魅⼒を語り尽くしました!

劇場版『銀河鉄道999』ドルビーシネマ版<公開記念テイキング・オフ!イベント>より公式レポート到着!

松本零士により1977年から連載開始後、TVアニメとして放送され最⾼視聴率22.8%を記録するなど、日本中にSFブームを巻き起こしたアニメ史に残る名作「銀河鉄道999」。

1979年に公開された劇場⽤⻑編アニメーション第1作目の劇場版「銀河鉄道999」が、鮮明な映像と⽴体⾳響による最新の上映システム「ドルビーシネマ版」として、全国7館の劇場にて公開がスタート。

この度、1⽉14日(⾦)に本作の公開を記念した初日舞台挨拶として、都内で「公開記念テイキング・オフ!イベント」が⾏われ、監督を務めたりんたろうと、アニメ評論家の藤津亮太が登壇し、公開当時の制作秘話などを明かした。

登壇したりんたろうは、「遥か遠い昔に無我夢中で⾶び乗った列⾞で、銀河の果てまで旅して、今ここの地球という惑星に戻ってきました」と挨拶。

一足先にドルビーシネマ版の本作を鑑賞した感想を聞かれ、「蘇ったなって感じですね。当時の僕はとにかく、音楽や耳から聞こえてくるものとか、そういう体感を感じられる作品がやっぱり映画だなと思っています。新しい技術で出来上がった本編を観て、臨場感がすごいですね。特にSFにはドルビーシネマが向いているので、観るというよりは体感していただきたいです」とコメント。

続いてトークは、印象的な演出についての話題に。りんたろう監督作品の特徴とも言われる“透過光”を使った演出に「本当にこだわりましたね!」と語るりんたろうは、「当時の2Dアニメーションっていうのは、何も使えないんですよ。だから、光も星もライトの光も全部手書きで書いてそれらしく⾒せるんです。

それだとやっぱり本当の光を感じないんですよね。それで僕はある時、テレビシリーズで星空を特別に⾒せたいと思ったんですけど、やり方もわからなかったんです。

その時ふと思いついたのが、⿊のラシャ紙に針で穴を開けて、それを撮影台の上に置き、撮影室の明かりを全部消して下からバックライトを当て、上にあるカメラに脚⽴で登ってファインダーで覗くという方法。フレアが出て完璧に星の光になるんです。

その時に『これだ!』と思ってやったのが最初でしたね。それから透過光という演出が誰にも知られるようになっていきました」と、当時革新的な技法で作り上げた苦労と秘話を明かす。

また、「銀河鉄道999」はテレビシリーズを経て劇場版が制作されているが、劇場版では主人公・星野鉄郎の年齢が10歳から15歳に引き上げられ、⻘春映画として作られるという独特のアプローチがされている。

この経緯について、「東映の当時の社⻑が、少年から⻘年までの層を狙うアニメーションを作りたいと言っていたことがきっかけです」と明かすりんたろう。「そういう意図のもとで松本零士さんも含めて話し合い、テレビシリーズの『銀河鉄道999』とは違った少年を主人公にして、⻘春ものにしたいという思いがありました」という。

さらに、「劇場版ではテレビシリーズの延⻑戦というわけにはいかないので、主人公の鉄郎の設定を変えるくらいのことをしないと成り⽴たない。やっぱり脚本でも“少年の旅⽴ち”というのを意識してもらいました」と当時を振り返る。

これを聞いていた藤津は、「あの当時、僕も子供の読者・視聴者でしたが、鉄郎が10歳から15歳になったということの意味って、今改めて観ると本当に大きい意味があったんだなと思います」と感慨深い様子を⾒せていた。

また、本作はりんたろうが⻑編アニメーションとして初めて手掛けた作品。「最初は⻑編アニメを作るなんて思ってもいなかったですし、お手本も無いので、どう作っていいのか分からなかった。しばらく悩みましたが、最後はやけくそで、自分のスタイルで作ればいいと思って時間割だけ考えてやりました」と大変な苦労があった。

「その時に頭の中にあったのは、中学生くらいからずっと観てきたフランス映画やイタリア映画とか。そういうものが頭の中にチラチラあってそういうスタイルで自分勝手に作りました」と、少年時代に観た数々の映画が大きく影響したと語る。

続いて、りんたろうを支えた制作スタッフとして美術を務めた椋尾篁や作画監督の小松原一男についての話題に。

「映画はどうやっても監督一人ではどうにもならない。やっぱり皮膚感覚が同じ人と共同で作らなきゃいけない。アニメーションの場合は作画監督、美術監督、撮影監督もいるが、特に絵を作るこの二人の感性がもの凄く重要で、僕にとっては欠かせない二人でした」というほど、彼らの存在は大きかったそうだ。

そうして生み出された本作は、1979年に劇場で公開されると大ヒットし、一大ムーブメントを巻き起こした。当時の印象についてりんたろうは、「初めての経験で、新聞でも騒がれたんですよ。松本零士さんと一緒に乗りましたが、999号が実際に走ったんですよね。とにかく全てが初めての経験でした」と振り返った。

最後に本作の上映を楽しみにしているファンに向けて、「僕も今回ドルビーシネマの企画を聞いて、『え!?そんな40年前の古いものやるの?』って思いましたが、今回改めていろんな人の努⼒で非常に映像も綺麗になって掘り起こされ、音も非常に迫⼒あるサウンドになることで『本当に蘇ったな!』と思います。

43年前から戻ってきた浦島太郎みたいなものですが、開けてみたら玉手箱のようでびっくりしました。なので、とにかく楽しんでいただければ嬉しいです」と呼びかけ、イベントは幕を下ろした。

劇場版「銀河鉄道999」ドルビーシネマ版 作品情報

全国7館にて公開中!

★「さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅-」ドルビーシネマ版
1月21日(金)より全国7館にて順次公開!

【上映劇場(全国7館)】
丸の内ピカデリー/T・ジョイ横浜/MOVIXさいたま/ミッドランドスクエアシネマ/MOVIX京都/梅田ブルク7/T・ジョイ博多

公式サイト
公式ツイッター(@toeianime_info)

(C)松本零士・東映アニメーション
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