普段見られない“実業団選手の日常”が面白い! 作中でペアを組む三木眞一郎さんとの収録エピソードも|冬アニメ『リーマンズクラブ』白鳥 尊役・榎木淳弥さんインタビュー
居心地が良かった三木さんとの収録現場
——榎木さんからご覧になって、白鳥 尊はどのような人物なのでしょうか。
榎木:もともと天才と呼ばれていましたが、序盤で挫折して宮澄建がいるサンライトビバレッジに入社します。そのためか、割とバトミントンにかける想いが強く、その分の悔しさもあり、過去の体験からトラウマも持っていて、強い部分と脆い部分が極端にあるキャラクターだと感じました。
小学校の頃など過去のデータが記載されている資料をいただいたので、まずは自分が思ったイメージで現場に持っていって、現場で指摘されたことを少しずつ修正していきました。でも、そんなに大まかに変更することはなかったです。
——収録現場ではディレクション等ありましたか?
榎木:根本的な部分はあまりなかったです。シーンごとに「ここのセリフはこういう風に言ってほしい」というディレクションはありましたが、根っこの部分から直してほしいということはありませんでした。
——白鳥尊は宮澄建とペアを組むことになります。演技の面では、宮澄建を演じる三木さんとペアを組むことになりますが、キャスト表をご覧になったときはいかがでしたか?
榎木:三木さんとはレギュラーの役でご一緒すること自体が初めてでした。単純に、どういう感じになるんだろう?という楽しみがありましたし、自分が子供のときから耳にしているお声なので、早く収録したい気持ちが強かったです。
三木さんは誰に対しても礼儀正しい方で、後輩の意見も尊重してくれる方ですので、一緒に収録していて何をやっても受け止めて返してくれる雰囲気があって、すごく居心地が良い現場でした。
——キャスト同士もダブルスのような一体感があったのですね。
榎木:そうですね。力を合わせて良い作品にしていこうと思っているので、そういう意味ではダブルスのような感じがありました。
——三木さんにインタビューさせていただいたとき、榎木さんとの掛け合いから「“自分”を見せたいんじゃなくて“お芝居”がしたい人」だと、きちんと役と向き合っている様子が伝わってきたと話されていました。
榎木:いやいや、恐縮です。僕自身、準備段階ではかなり考えますが、現場では感覚も使わないといけないので、お芝居では考えて感覚を使っています。
全部を使わないと、なかなか自分の思い描いたものにはならなくて。技術的にできないことは習得できるように何度も反復して体に覚えさせるしかない。スポーツでも勉強でも基礎や復習が大事なことと同じです。
——そういう意味では、バトミントンでも瞬発力や理解力、考える力が必要ですから、通ずるものがあるかもしれませんね。
榎木:そうですね。お芝居でも常に考えることが大事というか、相手の気持ちは想像することしかできませんが、自分の中は頑張ればある程度覗けるのでなるべく自己観察と、相手の気持ちを想像することを意識しています。
——また、榎木さんとの1話の収録でディレクションを受けなかったことを、三木さんは驚かれていました。お二人のお芝居が最初からすごくマッチしていたのでしょうね。
榎木:たぶん、ちゃんと相手を感じていれば自然となっていくものなので、それがお互いにあったと思います。
結構、アドリブで2人で会話するシーンがありますが、そこで僕が投げかけた言葉をさらに僕が反応しやすいように返してくださったり。アドリブはセリフを考えるのが結構大変で、ずっと頭が回転している状態なんです。
でも、そのシーンはあまり頭では考えずに、スムーズにポンポンポンと掛け合いができている気がしたので、それはすごく三木さんのお力でできたものだと感じます。
——2人の掛け合いでのアドリブですか!
榎木:社会人なので飲み会みたいなシーンがあるんですけど、そこでは1番会話が立っているキャラクターの後ろでちょっとしたやり取りをしています。
——飲み会といえば、榎木さん演じる白鳥 尊の酒癖が分かるシーンがすごく面白かったです。
榎木:ありがとうございます(笑)。そこもぜひご注目ください。