その男、ホー……過激で危険なのに、どこか憎めない│TVアニメ『殺し愛』リレーインタビュー│第3回:リャンハ役・下野 紘さん&ホー役・前野智昭さん
Fe原作によるTVアニメ『殺し愛』が、1月12日よりTOKYO MXほかにて好評放送中。アニメイトタイムズでは、本作の出演キャスト陣によるリレーインタビューを実施している。
第3回は、リャンハ役の下野紘さんとホー役の前野智昭さんの対談を実施。リャンハとホーの間に隠されたあまりに深い因縁、そしてシャトーを巻き込んだ怒濤の展開について振り返ってもらった。
強い信念に駆られてリャンハを狙う、過去からの復讐者
――前野さんは、最初に本作に触れたとき、どんな印象をお持ちになりましたか?
前野智昭さん(以下、前野):メインキャラクターもそれ以外のキャラクターも、それぞれミステリアスな部分が多く、そのバックボーンを探るのが楽しい作品だなと感じました。ストーリーも先の展開が予想できなくて、今まで培ってきた知識で先読みしようとすると、いい意味で裏切られていく感じがとても斬新で面白かったです。
――ホーに関してはどんなキャラクターだと思いましたか?
前野:リャンハとは過去に因縁があり、彼への復讐心で行動しています。見た感じは危険な香りを漂わせていますが、自分が信じる者への揺るぎない信頼があって、登場人物のなかでも特に強い信念に基づいて行動している、非常にまっすぐな性格のキャラクターです。言い換えると、目的のために手段を選ばない残酷な性格でもあるんですけどね。
下野紘さん(以下、下野):すごく人間的だよね。
前野:そうなんですよ。シャトーもリャンハも感情をあらわにするタイプじゃないので、ホーがすごく感情的に見えるという(笑)。序盤に登場するキャラクターのなかでは、社長と同じくらい人間らしいキャラクターだと思います。
下野:どちらかというと、僕はホーみたいな役を演じることが多くて(笑)。以前に兄貴分を慕って復讐を遂げようとするキャラクターを演じたこともあったので、個人的にとても愛着を感じました。シャトーの命を奪おうとする過激で危険なヤツではあすが、どこか憎めないところがあります。
前野:性格がまっすぐなので、行動にもそれなりに納得がいくんです。慕っていた人があんな殺され方をされたら、ホーのような行動を起こしても仕方ないなと思わせてくれる。
下野:誰の指示でもなく、あくまでも自分の信念に基づいて行動するというところは、わからなくはないなと感じました。
――前野さんはホーを演じる際にどんなことを意識されていますか?
前野:感情を前面に出すキャラクターなので、感情の出し方の強弱に気をつけています。あとは、現場で音響監督とディスカッションさせていただいたときに、少し人を小馬鹿にするような、イラッとさせるようなニュアンスがあるといいかもとアドバイスをいただいて、そのニュアンスをつけ足していくようにしました。
――第3話では5年前のホーも登場しました。
前野:過去のホーに関しては、スンウさんも存命で今ほどやさぐれていないので、かわいらしい手下感を少し意識しました。ちょうど今日(取材日)、第4話のアフレコが終わったんですが、第4話に関しては打って変わってかなり鬼気迫るものがあると思います。
下野:初登場の第2話もインパクトあったよ。あのバイクのシーンがすごかった。
前野:シャトーを殺しにくるシーンですよね? 大型バイクに乗って、後ろを見ながら片手で運転して、銃を撃つ……すごいですよね。普通はできないと思います(笑)。
下野:前野君、バイク乗るの?
前野:バイク、免許は持ってるんですよ。片手運転なんてしないですし、絶対にできないですけど。
下野:ホーは毎日乗って練習した。
前野:想像すると面白いですね(笑)。
――そしてリャンハですが、第3話では過去にスンウを殺害していたことが明らかになりました。あのシーンは、リャンハの冷徹さを改めて突きつけられました。
下野:いや、本当に何を考えているのかわからないですよね。
前野:この人に背中を見せちゃいけないなって思いました。明日のメシの話をしていたら、いきなり後ろからズドン、ですからね。一瞬でも隙を見せたら命を奪われるかもしれない……そんな“信用ならなさ”があります。
――逆に何かリャンハに魅力を感じた部分はありますか?
前野:視聴者目線で見ると、優しい顔をして感情を出さずに敵を倒していくというのは、圧倒的な強者感があって純粋にかっこいいなと思います。ただ、下野さんもおっしゃったように、真意をはかりかねる部分が非常に多いので、やっぱり怖いですよね。……まぁ友達になりたいかと言われたら、ちょっと困っちゃいます。
下野:(笑)。
前野:腕利きの殺し屋というのは間違いないんですが、すぐ裏切りそうな危うい一面もあるので、目を付けられないようにしたいです。