珠玉の名曲たちが手をつなぐ　デビュー10周年イヤーを記念した『やなぎなぎ 10周年記念 セレクションアルバム -Roundabout-』タイトルは“さまざまな人との巡り合い”を表現　やなぎなぎさんインタビュー

ソロデビュー前の楽曲も

――2曲目にはメルト10周年記念で作られた、ryo (supercell) & やなぎなぎ名義の「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」が収録されています。2曲目に持ってきた理由はあったのでしょうか？

なぎ：今回のアルバムの曲たちが時代もジャンルもバラバラだったので、どうしたら聴きやすい作品になるかなって。それを考えた時、北川さんの「Roundabout」から自然に聴けそうなサウンド感だなと思ったんです。

――それで「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」の次に、北川さんが作詞・編曲を手がけられている「芽ぐみの雨」「宝石の生まれるとき」に続くんですね。

なぎ：そうですね、バンドサウンド寄りのブロックといいますか(笑)。

――そのブロックの次には『NORN9 ノルン+ノネット』主題歌「melee」が収録されています。

なぎ：結構前の曲で。「melee」は作品のサウンドトラック(2013年発売『NORN9 ノルン＋ノネット サウンドトラック Plus』)に収録されていて、やなぎなぎ名義のシングルやベスト(『やなぎなぎ ベストアルバム -LIBRARY-』『やなぎなぎ ベストアルバム -MUSEUM-』)には入っていなくて。でも女性からの人気がすごく高い曲ですね。

――『しゅぷれ～むキャンディ』OP主題歌の「飛べない魔法使い」は、さらに古い曲になりますね。

なぎ：ソロデビューする前の曲なので、結構前にですね。確か2008年くらいかな……。でもリクエストをいただくことが多かった曲なんです。知っている人もそこまで多くないのかと思いきや、根強く推してくださる方もいて、せっかくの機会なので入れさせていただきました。

――ゲーム『Rewrite』の「恋文」、同人時代の「オールトの夢」もこの機会ならではなのかなと思いました。特に「オールトの夢」は待っていた方も多いでしょうね。

なぎ：「オールトの夢」が収録されている盤自体、手に入れられるところが限られていて、時々参加しているM3くらいしかなかったんです。聴きたくても聴けない方もいたでしょうし、集めるのも大変だろうなと(笑)。

ラストは「自分の音楽活動のテーマソング」を

――後半には麻枝准×やなぎなぎ名義の「終わりの世界から」と「君という神話」、さらにMANYOさんとのユニット・mamenoiの「Tachyon」が収録されています。なぎさんの人との出会いも感じさせるブロックですね。

なぎ：そうですね。特に麻枝さんはデビュー当初にもひと作品一緒に作らせていただいていて(2012年発表『終わりの惑星のLove Song』)。その後「また一緒にやりたい」と声を掛けてくれて、(麻枝准さんが脚本を手がけられた)テレビアニメ『神様になった日』の楽曲で再びコラボレーションして……そういった時の流れも改めて感じました。

――奇しくも麻枝さんの新作ゲーム『ヘブンバーンズレッド』が今作と同じ2月に正式リリースされますね。この新作にも主題歌などでなぎさんが関わられています。

なぎ：本当だったらゲームのリリースは昨年だったので、10周年とはズレてしまう予定だったんです。なので、本当に偶然というか。改めてご縁があるなぁと感じています。

――14曲目には一番人気だったというデビュー曲「ビードロ模様」も。

なぎ：ライブでも最後に歌わせていただくことが多くて。それぞれの会場で歌ったときの景色が目に浮かんだり、デビュー日の大雪の景色を思い出したり……。

――10年前のうるう日って大雪でしたっけ！　

なぎ：大雪でした(笑)。東京にめちゃくちゃ雪が積もって。

――あ、関東圏の交通機関がめちゃくちゃ乱れた日ですね……！　うるう日に雪景色ってそれこそなかなかない日ですよね。ところで、ライブで最後に歌われる曲と言えば、15曲目の「深遠」を選ばれることも多いですよね。

なぎ：そうですね。アンコールの最後に歌わせていただくこともあって。

――アルバムを聴いていてライブのセットリストを思い出しました。アルバムのラストを飾るのは同人時代の「CorLeonis」。「CorLeonis」って当時から録り直しされてます？

なぎ：あ、「CorLeonis」は1回作ったあとにもう1回歌っているんです。

――そうだったんですね！　ホームページ(http://corleonis.info/)で聴けるものしか聴いたことがなかったんですが、その後録り直しされてたんですね。

なぎ：でも本当にめちゃくちゃ前の話で。確か……同人時代の曲を集めたベストアルバム『雨の海』の時です。

――現在は入手が難しいアルバムですね。この曲をラストに持ってきた理由というのは？

なぎ：この曲自体が同人活動の周年記念にウェブアルバムとして誰にでも聴けるように公開していた曲なんです。「CorLeonis」というタイトルは自分の同人活動しているときのサークル名で、(当時の)ホームページのタイトルにもしていて。なので、ある種自分の音楽活動におけるテーマソングというか。

――かつ原点でもあるわけですね。

なぎ：そうですね。

――改めて整理すると、本作には麻枝准×やなぎなぎ名義の曲、MANYOさんとのユニット「mamenoi」の曲、ryo (supercell) × やなぎなぎ名義の曲、さらにデビュー前の同人サークル「CorLeonis」時代の曲(名義はやなぎなぎ)などデビュー前の曲、さらにデビュー後の人気曲やシングルには収録されていない曲がひとつになってるという。

なぎ：そうですね、あらゆるところから(笑)。

――ここまででもかなり豪華なのに、あにばーさる(NBCユニバーサルエンターテイメントの公式オンランショップ)完全限定盤の特典がすごいですよね。まず、特典CDには、なぎさんが鈴木みのりさんや、逢田梨香子さんに楽曲提供した作品のセルフカバーが収録されています。セルフカバーするにあたっては、どのようなことを意識されたのでしょうか？

なぎ：やっぱり人に歌っていただいたものなので、自分で歌うにあたっても、歌ってくださった方をどれだけリスペクトして歌えるかなってところを意識しながら歌いました。

――さらに、特典Blu-rayとして初Blu-ray化となるMV集も。すごいボリュームです……！

なぎ：最近知ってくださった方はあにばーさる完全限定盤はかなりお得というか(笑)。今までのMVも観られるし、それ以外の曲も聴けるし。

――ジャケット写真で、なぎさんが木の車を走らせている姿も素敵ですね。あの模型もすごくかわいくて。

なぎ：ぬくもりがあってかわいいですよね。デザインチームが作ってくれました。