「GRANRODEOらしくて面白いですよ」──約3年ぶりとなるアルバム『Question』をリリースしたGRANRODEO アルバム・タイトルを「Question 」にした理由は、ダジャレから? KISHOWさん、e-ZUKAさんによる、超ロングインタビュー!
お洒落ギターはフェイクです
──ところで最初のインスト「FAQ」は意外な雰囲気もあったんですが、どういったイメージで作られたのでしょうか。
e-ZUKA:びっくりさせたい一心と、お洒落ぶりたいという気持ちとで。これも2人でラジオの選曲をしてる中で、やたらKISHOWがオシャレな曲ばっかり選ぶんですよ。シティ・ポップとか、若者のやつとか。
KISHOW:若者のやつ(笑)。
e-ZUKA:ネオ・ソウル系というか。あとGRAPEVINEさんの新しいアルバム(『新しい果実』)とかね。「俺たちもコロナ禍を経てアルバムを出したら、こういうアルバムになるのかなぁ」なんて言ってたから、ちょっと僕もプレッシャーを感じてしまいまして。
「Question Time」ではじまっても良いんだけど、先に世に出されるはずだから驚きがほしいなって。アルバムをパッと聴いたときに「あれ?間違えちゃったかな?」って思うようなものにしたいなと思っていたんです。
最初はもっとシティ・ポップ的なものにしようと思ったんですけど、もうちょっとアダルティで、ローファイな感じがいいなと。ソウルっぽいギター、「Question Time」につながるフレーズも入っていて。
──私、まさに間違えたかなと思いました。
e-ZUKA:だいたいそうなんですよ。『FAB LOVE』のときも弦楽四重奏からはじまるから「間違えたかな?」と思われる(笑)。でもまぁ、今You Tubeに全曲視聴っていうネタバレがあるので、驚きも何もって感じですけども(笑)。
──あの曲があることで、「Question Time」の物語がより広がったような気がします。
e-ZUKA:そうなんですよね。「FAQ」という言葉は、Frequently Asked Questions(フリークエントリー・アスクド・クエスチョンズ)の略で。よくある質問って意味なんです。だから皆さんもね、インタビュアーの方は同じ質問をしてしまうんじゃないかと……。
──それは胸がズキズキします(苦笑)。すみません……!
e-ZUKA:それは冗談ですよ(笑)。あと、フェイクとも読むらしいんですよ。だからこういうお洒落ギターはフェイクですよ、っていう意味も掛かってたり、掛かってなかったり……。
「よくある質問集」みたいな、そういう紙資料を用意しておいたら面白かったかもしれませんね(笑)。そこまで気が回らなかったけど。
──それは読んでみたかったです(笑)。話が変わるのですが「時計回りのトルク」は配信リリースだったので、盤に入ることを楽しみにされていた方も多かったと思います。
e-ZUKA:そうなんですよね。「Question Time」とは別のリードトラック的立ち位置になっています。
──リードと言える曲が2つあると。
e-ZUKA:そう、だから強力ですよね。この曲があってよかったなと。
──今作は12曲が収録されてますが、9曲というアイデアもあったんですね。
e-ZUKA:確かにGRAPEVINEさんのアルバムも10曲入りでした。でも僕は昭和の人間なので。
昔は46分カセットテープで、A面23分、B面23分で、アルバム1枚入っていたんですけど、CDの時代になっていっぱい分数が入るようになって嬉しかったんですよね。いっぱい曲が聴けるから。
あとですね、今回入ってる「カミモホトケモ」が私たち的には久しぶりにクリーンヒットしましてね……ポテンヒットといいますか(笑)。
KISHOW:(笑)
e-ZUKA:週間オリコンチャート10位以内に入ったってこともあって。この曲でアルバムを買ってくれる人もいると思うんですよ。
その人たちに「GRANRODEOにはもっといろいろな曲があるんですよ」って知ってもらいたいなと思って。それでカップリングの「Scorn」や「BEFORE the DAWN」も入れたわけです。
──「Scorn」はキャッチーな響きですけど、軽蔑するという意味があるんですよね。
KISHOW:そう、蔑むとかね。後ろ向きな言葉ですよね。
e-ZUKA:「恋はハチャメチャ」の次が「Scorn」。同じ人だとは思わないかもしれないですよね(笑)。それがGRANRODEOらしくて面白いかなと。