春アニメ『阿波連さんははかれない』ライドウ役・寺島拓篤さんインタビュー｜寺島さんいわく「制御するのが難しかった」というライドウと作品の魅力とは？

阿波連さんとライドウ君の関係性や他キャラとの交流が見どころ。最終回の収録では原作の水あさと先生と現場でご対面

――PVなどで映像をご覧になった感想は？

寺島：ティザーPVでは淡々としてましたね。動く絵も『阿波連さん』らしく緩やかで、ゆったりした時間が流れていく感じで。だからこそ作品の雰囲気とライドウ君のギャップにビックリしたわけですけど（笑）。完成した映像はPVよりもっと楽しい作りに仕上がっていると思うので、お楽しみに。

――演じた中で印象に残っているシーンやお気に入りシーンを教えてください。

寺島：ライドウ君はずっと同じテンションなんですよね（笑）。おもしろいなと思ったのは、原作のエピソードを掲載順ではなく、各話ミックスしてアニメにしていて。

例えば「あれ？　この話って3巻くらいじゃなかったっけ？」と思ったエピソードが割と早めに出てきたりしていましたが、全然違和感がないんです。

3本立てのエピソードを1話に上手にまとめているので、原作を読み込んでいる方でないと気付かないかも。シリーズ構成の吉岡（たかを）さんはすごいなと思いました。

その中でも印象的だったのは後半で、阿波連さんとライドウ君の関係性の変化だったり、阿波連さんと他のキャラたちがどう交流を深めていくのかが見どころかなと思います。

――ご自身の演じるキャラ以外の好きなキャラを教えてください。

寺島：際立っておもしろいのは大城さんと桃原先生ですね。近所の小学生のふたばちゃんもあっくんもおもしろくて。だから石川と佐藤さんがめちゃめちゃ普通に見えるんですよね。個性豊かなキャラに囲まれながらも石川と佐藤さんがフラットでいられるのは逆にすごいなと今、気付きました。

阿波連さんと2人でいるからあまり目立たないけど、ライドウ君も変わり者なのに誘ってくれるのはありがたいです。それに異常な事態も冷静に受け止められるのもすごいです。

――収録時の雰囲気はいかがでしたか？

寺島：基本的に静かでしたね。僕も水瀬さんも（大城役の）M・A・Oさんも無理してわいわいしゃべらなくてはいけないかなと思うタイプではなくて、むしろ気を遣い合う必要がない居心地の良さを感じて。

ふとした時に作品の話をしたり、水瀬さんとは事務所が同じなので、事務所の話をしてみたり。自然で無理しなくていいホッとできる空間でした。

――原作の水あさと先生とはお会いされましたか？

寺島：このような状況ですので、毎回オンラインで見守って頂いていたんですが、最終回の収録の時には現場までいらっしゃって、少しだけお話しさせていただいて、「この方からこんなに素敵なお話が生まれるんだな」と思いました。また収録後に、先生から「いい感じにライドウ君を演じていただいてありがとうございます」と言っていただけて、「頑張ったかいがあったな」と嬉しかったです。

あと先生から「前の作品（『デンキ街の本屋さん』）で奥さん（佐藤聡美さん）にもお世話になりまして」と言われて、「こちらもその話をしようと思ってました」という会話もしました（笑）。

それだけいくつもアニメ化されたり、メディア展開している作品を連発されているのはすごいですよね。また最終回の収録後にカバーの内側に演じたキャラのイラストが直筆で描かれた原作コミックをプレゼントしていただいて、とても感動しました。