『メガトン級ムサシ』レベルファイブ代表取締役社長/CEO・日野晃博さんインタビュー【第2弾】|シーズン1は2への序章にすぎない……! あの衝撃のシーンが生まれた裏話まで飛び出す!?
あの話題になったシーンの裏側とは?
ーーシーズン1で日野さんが印象に残っているシーンはどこですか?
日野:どこも魅力的なんですけど、ネットの評判なんかも気にしながら見ていましたね。
自分的にはどのシーンも好きなんですけど、話題になったという部分では第4話で猫が死亡するシーンですね(笑)。
ーーあれは……(笑)
日野:あれに対しての批判的な意見があって……。
でもあれも裏話があって、最初の映像が上がってきた時は、今よりももうちょっとすごい表現になっていて……。
ーーうわ~!
日野:さすがにそれはあかんでしょ、ってなって。フィルム納品のときにまずカットして、打撲したくらいの感じにしようとなったんです。それでもやっぱりだめだった。
そういう部分の配慮がシナリオを作る上で足りなかったなと。もっと工夫できたなと思ったんですよね。
ーー逆に手応えがあったシーンは?
日野:やっぱりロボットのシーンはどれも好きです。メガトンパンチもかっこいいし。その中で自分が音付けをする時にすごくかっこよくなったなという部分があります。曲やカットインするタイミングを秒単位でサウンドスタッフと一緒に僕が決めるんです。
その中で「ハイドロバズーカ」を使うシーンがあるんですが、射出されたバズーカをキャッチして坂を滑りながら構えるっていうシーン。あの一連の流れを描いたシーンではかなり音楽付けでのこだわりがありました。超かっこよくなったなと思っています。
毎回、戦闘シーンの音付けは秒単位でこだわっているんですよ。だから最初に「マキシマス」が送られてきて戦うのもそうですし、ロボットのシーンに関しては毎回こだわってましたね。
ロボットシーンはCGががすごく良かったのもあって、オペレーションコールをもう一回作り直したりしていましたよ。
後半はまたラッシュでしたね。浮上シークエンスもシナリオ的にすごく熱くなる前提で描いていたので実際に見ても熱くなったなと、印象的なシーンになったなと思います。
ーー技の名前やロボットの名前も気になっていました。あのネーミングはどうやって決めているのですか?
日野:僕が最初から決めていたのもありますけど、後半に出てくるものはゲームプランナーの候補から決めたりもしています。
例えば、「メテオライティングフォール」とかはゲームプランナーのアイデアですね。「ムラマサ」とか「ドデカロンダイブ」とか馬鹿っぽいやつは僕です。
ーー(笑)。
日野:なんでドデカロンなの? って。それは聞くなと。
ーー響きが良いだろって(笑)。
日野:そうです。前半は僕がノリで決めたものも多いですよ。
ーーじゃあそういう馬鹿っぽいノリの技名は日野さんが決めたと考えていいですか?
日野:なんかそう言われるとアレだな。
ーー(笑)。つまり、ダサかっこよさですよね。
日野:そうですね。そういうのを大事にしたかったんです。あと印象に残っているのは「ベッドシーン」かな。
ーーあれは……。
日野:すごく言われてたなって(笑)。確かに話題になるだろうなって思ってたんですけど、深夜の作品じゃないですか。そこまで「え~!」ってならないと思ってたんですが、意外となっていましたね。子供まで作ってますからね。
ーーそうですよ! まさかの展開で。
日野:子供が産まれるというのは今後の展開的にも大事だったので、あのベッドシーンを入れたかったんです。最初は「ノリでこんなシーン入れやがって!」って声もあったんですけど、最後のところに納得感を出すために必要なシーンだったんです。
強引ではあるんですけどその中にも少し説得力が増すというか。
ーー確かに、あのシーンがあるからこそ、地球人と宇宙人の間にも恋愛関係が生まれる、和解できる道があるかも知れないっていう示唆にはなってました。
日野:そうなんですよ。今シーズンはあの子がテーマと言うか、大事な役どころとして扱われて行きます。問題作と言われかねないネタでしたが(笑)。
でもうちの作品としては冒険の1つでした。子供たちに向けた作品を作ることが多いので、子供に見せたくない事はやってこなかったんですけど、今回は大人が好きなロボットものなので。
そういうものも入れていかないとロボットものの中の人間関係とか人間性が出ないよな、と思って勇気を持って入れてみました。
でも、決して安易にベッドシーンみたいな演出を入れたいから戦略的に入れるんだ! ということではなくてお話的に意味があるんです。
あの2人が育んだ恋愛感情みたいなものが世界を救う鍵になります。しかも、あれっていろんな意味が重なった禁断の恋じゃないですか。上司と部下という立場、年の差、別の勢力である……禁断の嵐なんですよ。そういう意味でも面白いところかなとも思います。