春アニメ『SPY×FAMILY』ロイド・フォージャー役:江口拓也さんインタビュー|役が決まって周囲も大喜び! 大きな企画に参加するということ【連載第1回】
声優になってから180度変化したこと
ーー本作では家族となったフォージャー家の人々との交流、成長が描かれています。江口さんが家族からの言葉で、心に残ったものがありましたらお聞かせください。
江口:家族は本質的なところで、それぞれの人生に関わっているものだし、少なからず影響を及ぼす人たちだと思うんです。
高校卒業後に上京するという話を最初にした時に、家族から大反対されたんですよ。でも、その反対がなかったら、この仕事について心を固めて東京に来ることはできなかったと思っています。
自分はあまのじゃくなところもあって、家族からめちゃくちゃ反対されたからこそ「じゃあ、やってやるよ」という気持ちになったし、そこで応援してもらっていたら、逆にやる気が緩んでいたかもしれなかったですね。
未知な職業でもありますし、僕のいろいろな面を見て、全力で反対してくれるということに熱をもらったところもあるので、わかりやすく反対してもらったのはありがたかったと思っています。
ーー説得はされなかったんですか。
江口:説得というか、「まぁ、無理なんで」っていう……(笑)。身一つで出るというのは、お金が必要になってくるんですけど、そういうのもいろいろな制度があって、それを駆使すれば、お金がなくても行けるんです。
だから、「(反対されても)自分はこういう人間なので、行くことは変わらない」と気持ちを伝えましたが、説得しようとは思っていなかったです。それでも、自分のそういうところに、家族はちゃんと向き合ってくれたのかなと思います。
ーー今はご家族も応援されているんですか。
江口:今は自分が出ている作品も見てくれたり、雑誌を買ってくれたりしています。僕もあんまり連絡するタイプではないので、応援じゃないけど、「元気でやっているんだな」と、楽しんでもらっているのかなとは思いますね。
ーー役柄を演じられる上で、大切にされていることがありましたら、教えてください。
江口:その役を人として考えた時に、自分が感じたことや見聞きしたことの引き出しから拾ってくると思うんです。魅力的なキャラクターを作り上げるためには、自分の人生の中で、見聞きして感じたことの成分をどれだけ滲みこませるかというところを考えています。
そして、こうあってほしいという理想のキャラクター像の中に、ちょっとした人間くささみたいなものが入ったらいいかなとは思っています。そういったバランスで作り上げていく工程を楽しみながら考えていますね。
ーー今の職業に就いてから、人間的に変化はありましたか。
江口:180度変わったと思います。それまでは別に人と関わらなくても生きていけるタイプでしたし、一人で過ごすことが好きだったので、そうやって生きていても、自分にとってマイナスはなかったんです。
でも、役者をやっていく上では、より多くの人の価値観や物事の考え方を知るために、いろんな人たちと関わっていくことが必要だと感じるようになりました。いろんな人を演じるためには、喜怒哀楽もそうですけど、人とのコミュニケーションは不可欠なんです。
物事を作っていく時もそうですし、それがないと本末転倒になっちゃうから、自分の苦手なコミュニケーションを築くということを意識して、「どうやったら、よりできるようになるのかな」と重点的に考えながら生きるようになったとは思います。
ーーありがとうございました!
[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]
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TVアニメ『SPY×FAMILY』作品情報
2022年4月9日(土)〜
テレビ東京ほかにて放送開始
ストーリー
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。
東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。
西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。
その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。
内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。
〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
スタッフ
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:古橋一浩
キャラクターデザイン:嶋田和晃
総作画監督: 嶋田和晃 浅野恭司
助監督:片桐崇 高橋謙仁 原田孝宏
色彩設計:橋本賢
美術設定:谷内優穂 杉本智美 金平和茂
美術監督:永井一男 薄井久代
3DCG監督:今垣佳奈
撮影監督:伏原あかね
副撮影監督:佐久間悠也
編集:齋藤朱里
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
OP:「ミックスナッツ」Official髭男dism
ED:「喜劇」星野源
キャスト
ロイド・フォージャー:江口拓也
アーニャ・フォージャー:種﨑敦美
ヨル・フォージャー:早見沙織
フランキー・フランクリン:吉野裕行
シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子
ヘンリー・ヘンダーソン:山路和弘