春アニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』脚本:深見真さん×プロデューサー:篠原宏康さんインタビュー|天衝監督が描くアクションシーンは見どころ!1話の中で刺激がたくさんある構成も必見
天衝監督が描くアクションシーンは見どころ!1話の中で刺激がたくさんある構成も必見
――ディズニープラスでの独占配信が決まっていますが、海外向けというのは意識したのですか?
深見:自分は少し意識していたんですけど、天衝監督が意外とブレーキが壊れているんですよ(笑)。想像以上のことを言ってくるんです。「え? それは流せるの?」みたいな。その頃はまだディズニープラスでの配信は決まっていなかったと思うけど、海外で配信される場合、それは許されないんじゃないかとか。でも、だいぶ飛ばしている方でした。
篠原:あとで抑えるのが大変で……。
深見:普段の会議では自分が抑えられる側なんですよ。これはやりすぎですとか悪趣味だとか。でも今回は、天衝監督のほうがすごかった(笑)。
――攻めているところは、確かにありましたね。
深見 そこは監督こだわりの映像になっているので。実際に作っているのは監督なので、『ブラック★ロックシューター』という原作を活かすための映像の形として、天衝監督が出した正解があれなので、その結果流せないことになっても仕方ないかなって(笑)。
篠原:そこは大丈夫です(笑)。本当はhukeさんもノリノリだったんですよ。天衝監督はとんでもないことをやりたいタイプで、深見さんが「いいんですか?」みたいな感じでついていくので、僕含めたプロデューサー陣はヒヤヒヤしていました。
深見:途中で映像を見せてもらった感じでは、天衝監督のスマイリーはやばいなと思いました。自分が脚本を書いている段階ではもうちょっとまともな人間だったので、ここまで強烈な仕上がりになるとは。あれは天衝監督の……。
篠原:趣味でしょうね(笑)。
――では、これから第1話を楽しみにしている方に、映像的な見どころも教えてください。
篠原:冒頭のアクションシーンは見どころで、カッコいいです。そこからキャラクターたちがどんどん登場してくるんですけど、そのつながりというか、お互いの立ち位置が分からない状態で話が進んでいくんです。
それがどう交わって、新たな展開に向かっていくのかというのを、第1話ではあえて分かりづらく作っています。そういった伏線を探してもらいながら最終話まで見ていただくと、すべての伏線がつながっていって面白さが爆発するのではないかなと思っています。
――最初から分かりやすくないと、見るのをやめてしまうような時代でもあるのかとも思いますが……。
深見:今回、TVアニメのフォーマットでやりましたけど、そうなると20分以上見てもらわなければいけない。確かにそれって今、すごくハードルが高いんですよ。みんなスマホでゲームもできるし、やろうと思えばできることがたくさんあるんですよね。そしてだいたい「ながら」でやっちゃうじゃないですか。
――そうですね。
深見:そういう時代で、20分間映像をずっと見なければいけない理由って何だろうと考えると、常に興味を持ってもらう仕掛けをしないといけないんですよね。昔だったら次回が気になるように作るだけで良かったんですけど、今は多分、5分単位で次が気になるくらいの刺激が必要なんじゃないかなというのは考えていました。スティーヴン・スピルバーグが出てきて、80年代に『インディ・ジョーンズ』でメジャーになっていく過程で、映画のテンポが速くなったという評価があったんですね。10分に1回は何かが起こるみたいな。やっぱりそういうのって大事だなと思いました。
篠原:だからアクションシーンは本当に多くて、監督に削らなくていいですか?と僕らが心配になるくらいだったんですけど「大丈夫です」と言うので、じゃあ頑張ってもらおうっていう(笑)。そこですごいと思ってもらえれば、続きも見てもらえると思います。
[文・塚越淳一]
TVアニメ「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」作品情報
闇を駆ける星、運命を撃ち抜け
あらすじ
西暦2062年。労働力の大幅な自動化プロジェクトの失敗後、その中核となる人工知能アルテミスが人類との戦いを選んだ末、荒廃した二十年後の地球。
とある基地の地下研究施設で、ひとりの少女、エンプレスが目覚める。彼女は人類の守護者3人の生き残りのうちのひとりであった。
しかし彼女には以前の記憶がない。そんなエンプレスに平和構築軍の大佐は告げる。エンプレスには、現在、アルテミスが建設中の月と地球を結ぶ軌道エレベーターを完成前に破壊する使命があることを。完成すれば月で大量生産中の巨大機械軍が大挙して地球へやってくるからだ。
だが、その行く手を仲間であったはずのデッドマスターやストレングス、アルテミスの手先である無人軍隊やカルト集団<教育機関>のスマイリーらが阻もうとする。
さまざまな思惑が交差する中、大佐らと軌道エレベーターを目指して進んでいくエンプレス。その先で待ち受けるものとは……。
放送情報
2022年4月3日 地上波TVアニメ放送、ディズニープラスにて見放題独占配信!
TOKYO MX:4月3日(日)23:00~
サンテレビ:4月3日(日)24:30~
KBS京都:4月3日(日)24:00~
テレビ愛知:4月3日(日)26:05~
BS11:4月3日(日)23:30~
アニマックス:4月9日(土)21:30~
ディズニープラスにて見放題独占配信
スタッフ
原作:ブラック★ロックシューター
監督:天衝
シリーズ構成・脚本:深見真
シリーズ構成協力・脚本:吉上亮
キャラクター原案:huke
コンセプトデザイン:友野るい、石渡マコト(ニトロプラス)、太田幼女(ニトロプラス)
キャラクターデザイン/総作画監督:野中正幸、中川耀
アニメーション制作:バイブリーアニメーションスタジオ、バイブリーアニメーションCG
製作:ブラック★★ロックシューター DAWN FALL 製作委員会、UNLIMITED PRODUCE by TMS
オープニングテーマ:「ASEED」ZAQ
エンディングテーマ「Before the Nightmare」高槻かなこ
キャスト
エンプレス(ブラックロックシューター):石川由依
デッドマスター:早見沙織
ストレングス:潘めぐみ
大佐:桐本拓哉
モニカ:朝井彩加
ブラックトライク:久野美咲
ノリト:堀籠沙耶
ミヤ:伊藤あすか
ルナティック:友永朱音
スマイリー:杉田智和