春アニメ『魔法使い黎明期』セービル役・梅田修一朗さんインタビュー|セービルは「どう言おう?」よりも「どう感じたか」
講談社ラノベ文庫にて刊行中の、虎走かける先生による本格ファンタジー小説を原作としたTVアニメ『魔法使い黎明期』。2022年4月7日(木)よりTBSにて放送開始となります。
アニメイトタイムズでは、放送を記念し、声優陣へインタビューを実施! 今回は、主人公・セービルを演じる梅田修一朗さんにお話を伺いました。
記憶を失くしており、感情表現もあまり得意ではないセービルの表情の微かな違いから、彼の心の中を感じ取ろうとする作業が楽しく、強く印象に残ったという梅田さん。
セービルの心の機微を表現するために意識していることや、彼に大きな影響を与えるメインキャラクター・ロス先生(ロー・クリスタス)の印象について語っていただきました。
セービルは「どう言おう?」よりも「どう感じたか」を考えるのが大事
――本作に初めて触れた際の印象をお聞かせください。
セービル役・梅田修一朗さん(以下、梅田):セービルのオーディションを受けさせていただくにあたり、コミックスを読んだのがこの作品との出会いでした。キャラクターひとりひとりの個性が強く、これまでファンタジー作品にあまり触れてこなかった自分でもすごく入り込みやすかったです。
――キャラクターのどんなところに惹かれたのでしょうか?
梅田:例えば、ロス先生であれば、最初から自分を全開に出していて、嫌なもの、好きなものがハッキリしていたりと、各キャラクターの人となりが分かりやすいところだと思います。
僕の演じるセービルはロス先生と真逆で、記憶喪失ゆえに、自分がやりたいことや、何をすればいいかも分からないし、自分が思ったことを相手にどうやって伝えればいいかも分からないんです。
ふたりの対比が面白く、そこからどういうやり取りをするのかが気になって、どんどんハマっていきました。
――キャスト発表時のコメントでは、初めてセービルを見たときに「表情が印象的だった」とも仰っていました。
梅田:セービルは無感情なのではなく、あくまで感情を伝えたり、出したりするのが苦手なだけなので、表情に感情がちゃんと表れているんです。
例えば、誰かにツッコむときの無表情と、言っていることが分からないときの無表情は、同じ無表情でも微妙に違っています。
喜怒哀楽が激しいキャラクターではない分、わずかな表情の機微を見て、彼の心の中を感じ取ろうとする作業がすごく楽しかったので、初めて読んだときに強く印象に残りました。
――その機微を声だけで表現するのは、素人目にもとても難しそうに感じます。
梅田: 言われたことや目の前で起きたことに対して、心はすごく動いているのですが、それを外に出しすぎてはいけないので、難しいです!(笑)
収録では、彼の心に寄り添うことを大事にして、「セービルがどういう風に言うんだろう?」ではなく、「セービルは今、どういう風に感じているんだろう?」と、彼が感じたことを先に考えるようにしています。
普通にコミュニケーションができる人なら、「今はこういうことを言うのはやめておこう」だったり「相手にこう思ってほしいからこう言おう」といった思考ができますが、彼にはそれができません。なので、言い方や伝え方を考えるのではなく、どう感じたか、どう見えたかを考えることがすごく大事だと思っています。