春アニメ『群青のファンファーレ』京力秋樹役:糸川耀士郎さんインタビュー|台本を読む手が止まらなかった。キャラクターそれぞれが抱えている問題や悩みに共感できる【連載3回目】
2022年4月より放送中のTVアニメ『群青のファンファーレ』。競馬学校で騎手(ジョッキー)を目指す少年たちの青春群青劇を描くオリジナル作品で、入学から卒業までの3年間が描かれます。
少年たちの“青春”だけでなく、競馬学校ならではの過酷さも描かれる本作。騎手を目指す道にはたくさんの壁が待ち受けており、彼らがどのように乗り越えてくのか、成長過程が魅力でもあります。
そこで、アニメイトタイムズでは、メインキャスト8名にインタビューを実施。第4回目にお届けするのは、京力秋樹役の糸川耀士郎さんです。
糸川さんが演じる京力秋樹は、地方競馬の騎手を父親に持つ負けん気が強いキャラクター。中央競馬でリーディングジョッキー(※1)になることを目標としています。
※1:シーズンの勝利数が最も多い騎手のこと。
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第1話の収録はとても緊張した
ーー本作は競馬学校を舞台にしたオリジナルアニメ作品です。最初に、脚本や設定を読まれたときの印象をお聞かせください。
京力秋樹役:糸川耀士郎さん(以下、糸川):競馬のことをまったく知らなかったので、いろいろ調べて知識を深めておかないといけないと思っていましたが、初めて台本を読んだとき、そういう知識がなくても大丈夫だと感じました。
知識がなくても、人と人の繋がりが強く描かれていて、これまで競馬に触れてこなかった自分でもスッとストーリーに入り込むことができたんです。その日のうちに台本を全部読んでしまうくらい、どっぷりとハマりました。
ーー初めて競馬界に触れる人でも入りやすい物語なのですね。
糸川:はい。ここからどうなるんだろう?と気になる流れになっていますし、ワクワク感を楽しめるんじゃないかなと思います。
ーー糸川さんは主に舞台で活躍されていますが、アニメ作品への出演は珍しいですよね。オーディションだったのでしょうか?
糸川:オーディションでした。僕は迅人など3役を受けさせていただきましたが、その中でも秋樹くんは自然体で演じられたような気がします。自分でオーディションを受けた後も、1番しっくりくる役だなと思っていたので、受かった報告をいただいたときはとても嬉しかったです。
ーー京力秋樹というキャラクターがしっくりきたのは、何か理由が?
糸川:僕自身も、周りの誰にも負けたくない気持ちが強くて、学生の頃は結構ガツガツいくタイプでした。そういうところが秋樹くんと共通していたこともあるかもしれませんが、単純に自分の中で声がイメージできたんです。
声を作り込み過ぎずに演じられることが、技術的にも自分の音域の中で幅を持たせることができましたし、総合的に見て秋樹くんはしっくりきた感じがしました。
ーーそんな秋樹は強気でツンツンしているところがありますが、最初はどのような人物だと解釈されましたか?
糸川:その辺は結構僕と似ているなと思いました。10代の思春期真っ盛りの頃は、プライドが高くて周りの全員を敵とみなしてしまうところもすごく理解できます。
だからといって、みんなを見下しているわけでもなく、自分が本気だからこその強がりだったり、本気だからこそ本気で打ち込んでいる人に心を通わせたい気持ちがあったり。
ツンツンしていても、そこでわかり合ってくれる友達が欲しいという気持ちは、自分の学生時代と結構リンクしています。なので、「ここの秋樹くんはどういう気持ちなんだろう?」と悩む時間はあまりありませんでした。
ーーでは、特にディレクションもなく、スムーズに収録は進んでいる感じでしょうか?
糸川:声優のお仕事に関してそこまで経験があるわけでもないので、細かくディレクションをいただいています。そのディレクションに関しても、「わからないです」みたいなことはなくて「そうか!こっちの感情なんだ!」とすぐに納得できるというか。
感情の幅もちゃんと自分の中とリンクしていることが多かったので、ディレクションをすぐに咀嚼して解釈できているなと感じています。
最初はそれこそ、アフレコブースに入っての立ち振る舞いからわからなかったので、1話の収録は心臓が飛び出そうなほど緊張しました。
周りの方々は第一線で活躍されている方ばかりなので、その方たちの感情の繋ぎを自分のミスで途切れさせてしまったらどうしよう……という不安が大きかったです。
でも、普段舞台や映像のほうでお芝居をすることが多い自分を選んでいただいた意味、求められているものは、声優さんとしての技術的なものではなく、もっと違うところにあるような気もしました。
なので、そこは臆病にならずにちゃんと出し切らないと失礼だなと感じたので、始まる前は緊張しましたが、収録が始まってからは切り替えてできたかなと思っています。
ーー今は収録が進んでいると思いますが、第1話の収録よりも気持ち的には楽になりましたか?
糸川:全然違います。未だに緊張はしますが、台本を読んでここはこうで、ここはこういうトーンなんじゃないかと自分で組み立てて現場に持っていっているので、そういう意味では少しずつ周りの方々とも打ち解けられて自分らしくできているんじゃないかなと思います。
他の現場でご一緒している方々もいらっしゃいますし、千晃(小林さん)とも仲良くなりました。そうやって徐々に打ち解けられるのがとても嬉しいです。
ーー競馬学校で切磋琢磨し合う仲間たちの姿と重なりますね。
糸川:そうですね。キャラクター的に秋樹くんは輪の中で率先して喋ったり、ツッコんだりして場の空気を結構和ませていますが、僕はまだ現場でそれができていません。まだ、人見知りがを発揮しています(笑)
ーー先ほど、小林さんにもインタビューをさせていただきましたが、糸川さんとお芝居をするのがとても楽しいとおっしゃっていましたよ。
糸川:本当ですか!? 嬉しい! こっちはもう千晃や神葉くんなど声優さんのお芝居の技術を盗みまくっています。現場で声のお芝居ができる楽しさだけでなく、隣でチラチラ見ながら声優さんたちの技術を盗む楽しさもあるんです(笑)
すごく勉強させてもらえますし、役者としてちゃんとぶつからせてもらえるすごく良い現場に恵まれました。その分、自分のお芝居で秋樹くんに還元して、作品の力になれたら嬉しいなと思っています。