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アニメ映画『バブル』電気ニンジャリーダー役・畠中祐インタビュー

アニメ映画『バブル』電気ニンジャリーダー役・畠中祐さんインタビュー|「荒木さんの持つ静かだけれどそこはかとない熱量に惚れてしまっている」

 

ストーリーは王道のボーイミーツガールでありつつ驚きもある……!?

――ありがとうございます。それではストーリーについての話に戻ります。先ほどボーイミーツガールとの話が出ていました。荒木監督の作品はやっぱり主人公とヒロインの関係性に焦点があたることが多いと思うのですが、今回の作品でもそのあたりは期待できますか?

畠中:ヒビキとウタの物語として完成されていて、僕としても懐かしさを感じました。『甲鉄城のカバネリ』の生駒と無名の出会いがドラマチックだったように、ヒビキとウタの出会いも凄くドラマチックで。ヒビキもウタも共感できるのですが、物語が進むにつれ特に後半はウタへ共感せざるを得ないと思います。そんなウタが愛おしくてしょうがなくなるこの現象は、やっぱり荒木さんの人物を描く巧さなんだろうなと。

ヒロインであるウタを、凄く可愛いと思わせてくれるんです。最初はどういう人物なのか疑問が出てくるのですが、彼女の思考を追っていくとピュアで可愛いところが見えてくる。そうやって共感させたところで物語が大きく動き出し、彼女の求めるものや導き出した答えに切なさを感じてしまう。本当に荒木さんはピュアな女の子を描くのが上手いんです。

『甲鉄城のカバネリ』の無名も心に抱えているものがありましたが、もちろんウタにもそういう部分があって。どうしても手の届かないものに手を伸ばしてしまう瞬間じゃないですけれど、もしかしたら僕らの日常生活でもあるかもしれないそういう細かい心の機微が『バブル』でも見られます。だからこそ、荒木さんの描く作品のキャラクターは愛おしく思えるのかもしれません。

――ウタを演じるりりあ。さんや、ヒビキを演じる志尊淳さんのお声の印象はいかがでしたか?

畠中:飾らない素直なお芝居が作中での存在感になっていて好きです。本当に演じる時にキャラクターの心情とシンクロしているんだろうなと感じられて、特にラストシーンは印象に残りました。

――荒木監督の熱量に惚れているという話もありましたが、畠中さんにとっての荒木監督はどういった存在なのでしょうか?

畠中:語弊があるかもしれないのですが、僕はビックリ箱みたいな人だと思っています。開けてみるまで中身は分からない……けれど、開けてみると物凄い情報量で早く開けたくなる。荒木さんはそういう驚きを提供してくれる方です。一緒にお仕事をさせていただけるのがこんなに楽しい方はいないと思うくらいなので、だからこそ色々な人が集まってくるんだと思います。

そんな荒木さんの熱量に惚れて集った人たちの、色々な想いが幾重にも重なってとてつもない爆発力を生む。今回の『バブル』にもそういう熱が込められているんです。

荒木さん自身は人間臭くて素敵な人なのですが、その作品たちは王道であり新鮮であり、誰しもの心に届く王道的な流れがある。だからそういうものも持っている人だとも思えます。加えてそれだけではない繊細さも持ち合わせていて、そういう良さが絶対にブレない。あくまでエンターテインメントとして楽しめる、満足感を与えてくれる作品を生み出し続けている。本当に素晴らしいと思います。

――王道とのことですが、シナリオに虚淵玄さんが関わっているということで、ファンのみなさんの中には疑う方もチラホラ見られそうですが……?

畠中:僕自身はこの映画に対してみなさんがどういう想像をしているのか把握しきれていない部分があるのですが、そういう方もきっとおられるんじゃないかとは思います。けれど、新鮮なところはありつつ誰もが楽しめる作品であることは間違いありません。たとえ今までアニメに触れてこなかった人だとしても、心に響くものがきっとあると思います。誰でも楽しめる普遍的な良さがこの作品には詰まっています。

――そんな荒木監督との印象的なエピソードをひとつ教えてもらえますか。

畠中:感動したのは『甲鉄城のカバネリ』の台本を初めて見た時でした。最初のページに荒木さんからの長い手紙が印刷されていたのですが、そこには作品への想いだったり、どうしてこのキャスト陣を選んだのかだったり、作品へかける情熱が綴られていました。

そこから自分の仕事への真っ直ぐな向き合い方や人柄が伝わってきて、それを見た僕は第1話をまだ収録していないのに、この作品に携われてよかったと早くも思ったくらいでした。

今回の『バブル』でもアフレコ前に僕らキャスト陣にそういった部分を直接丁寧に説明してくださったので、嬉しかったです。そういう自分の熱量みたいな部分を共有してくれるところは、荒木さんの良さのひとつだと思います。

――最後に楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

畠中:今回はNetflixと劇場、ふたつの媒体で展開されます。Netflixでの全世界配信が先に行われるので、実際に鑑賞して大画面でも見たいと思ったら必ず映画館に行った方がいいです。映画館で見る迫力はやはり尋常ではないので。

Netflixでの配信については、世界に荒木さんの作品を見てもらえるきっかけになると思います。配信も劇場公開も同時に展開するので、どんな人にみてもらえるのかというのも個人的に楽しみにしています。

これは荒木さんも言っていたことなのですが、やっぱり面白いものは純粋に面白いので、ファンのみなさんには面白いものを見てもらいたい。この作品にはその言葉がぴったりだと思っているので、ぜひ色々な人に見てもらえたら嬉しいです。

――ありがとうございました。

 

アニメ映画『バブル』作品情報

<劇場版>2022年5月13日(金)全国公開
<NETFLIX 版>2022年4月28日(木)全世界配信

ストーリー

本作の舞台は世界に降り注いだ泡〈バブル〉で、重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京は家族を失った一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは無軌道なプレイで重力が歪む海へ落下してしまった。そこに突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救った。

そして、2 人にだけ特別な音が聞こえた…。なぜ、ウタはヒビキの前に現れたのか。二人の出会いは、世界を変える真実へとつながる。


 
監督:荒木哲郎
脚本:虚淵玄[ニトロプラス]
キャラクターデザイン原案:小畑健
音楽:澤野弘之
企画・プロデュース:川村元気
制作スタジオ:WIT STUDIO
配給:ワーナー・ブラザース映画

声の出演:
志尊淳
宮野真守
梶裕貴
畠中祐
千本木彩花
井上麻里奈
三木眞一郎
広瀬アリス
 
公式 HP オフィシャルサイト
オフィシャル Twitter(@bubblemovie_jp)

(C)2022「バブル」製作委員会
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