声優の浅沼晋太郎さんが東北6県を巡るフォトブック「みちのおく」発売記念連載インタビュー|第6回のゲストは秋田県出身の俳優・立石俊樹さん。地元グルメから、お芝居についてまで語り尽くします!!
自然の多い場所で過ごした、二人の野生エピソード!?
浅沼:秋田にはまた行きたいんだよね。かなり昔になるんだけど、僕が学生時代にお世話になったバイト先の料理長が、秋田にあるホテルのシェフになったと聞いて、バイト先が同じだった姉貴と一緒に秋田まで会いに行ったことがあるんだ。
その時期、ちょうど大曲の花火大会があるっていうから、せっかくならって観に行こうとしたんだけど、あまりの暑さと人混みで、ちゃんとは観られなくて。あれだけ有名な花火大会だから、ちゃんと場所取りをしなくちゃならなかったみたい。だから次はちゃんと準備して、最後まで花火を楽しもうと思って。立石くんは、大曲の花火大会って行ったことある?
立石:実はないんですよ。秋田出身だと話すと、よく大曲の花火大会のことを聞かれるんです。「有名なのに行ったことないの?」って言われたりもして。
浅沼:そんなもんだよね。東京出身でありながら、東京タワーに登ったことがない人だって大勢いるし。簡単に行ける距離じゃなかったりすると、なおさら。
立石:有名なだけあって、ものすごい迫力だと聞くので、いつか行きたいんです。大人になってから、そういった地元のお祭りや観光名所に行きたいなぁと思うようになって。
浅沼:その気持ちわかるなぁ。離れてからやっと恋しくなるんだよね。今回の撮影を通して、地元なのに行ったことがないって場所がこんなにもあるのかと改めて感じたから、立石くんもこれからどんどん色んなところに行けたらいいよね。そういえば、秋田でのお仕事もあったりするの?
立石:あります。嬉しいことに、先日テレビ番組の収録で秋田県に行かせていただいたんですよ。3日間くらい滞在できたし、ロケ地が県南の方だったので、見たことのない景色も楽しむことができて、すごく楽しかったです。
浅沼:実家に帰ることもできた?
立石:はい。このご時世でなかなか帰れていなかったので、やっと実家のご飯を食べることができました。
浅沼:いいねぇ。何を食べたの?
立石:きりたんぽを作ってもらいました。
浅沼:きりたんぽって、家庭で出る料理なんだ!
立石:意外ですか?
浅沼:ほら、仙台の人は家で牛タンをあまり食べないとか聞くじゃない? 僕の地元岩手も、冷麺は家じゃなくてお店で食べるのがほとんどだから。
立石:むしろ、お店できりたんぽを食べたことがないんですよ。家で食べるものってイメージです。
浅沼:そうなんだ。初めて知った。名産でも、地元の家庭で食べられたり、あまり食べられなかったり、いろいろあるんだなぁ……。実家にいたころによく食べていたものってある?
立石:きのこや山菜はよく食べましたね。おじいちゃんが山できのこをたくさん採ってきてくれたんです。
浅沼:僕も家の近くのふきのとうを採って来いってよく頼まれた。子供の舌には苦すぎて、当時はあまり食べなかったけれど、よく食卓に乗っていたな。都会出身の人は、そういう経験あまりしてないかもしれないね。
立石:そうかもしれません。浅沼さんもそうだと思いますが、地元だと、皆そこらへんに成っている野いちごを普通に食べていましたよね。
浅沼:花の蜜吸いながら歩いたりね。
立石:していましたね~。
浅沼:今思えば、よくそこらへんに落ちてるモンを口に入れてたなぁって思うよ(笑)。小学校の時、道すがらつららをかじったりしていたけど、あれって実際、屋根の汚れとか排気ガスとかで汚いんだよね。そもそも、東京ではつららなんて見られないもんなぁ。
立石:地元にいた頃は当たり前にあったんですけどね。
浅沼:つららで怪我をする人とか、よくニュースになってたよね。
立石:なっていました。うちのおじいちゃん、昔落ちてきたつららにぶつかったことがあったんですよ。
浅沼:ええ? 大丈夫だったの?
立石:髪の毛がないので、守るものがなかったようで、少し血が出ていました。
浅沼:頭は守らないとね……。大きな事故にならなくてよかったよ。
――二人とも自然に囲まれた暮らしだったんですね。
立石:そうですね。家の前によくシカが現れました。あと、猿やキジも。キジってご存知ですか?
浅沼:いや存知あげてるよ! さすがに僕も『桃太郎』は履修してる! あれ必修科目だから! 選択じゃないから(笑)!
立石:確かに、『桃太郎』に出てきますね……(笑)。
浅沼:だんだん立石くんのことがわかってきた気がするぞ(笑)。そんなにたくさん動物に出会うということは、山の近くに住んでたの?
立石:山の麓でした。もう、部屋の壁紙が山肌で。
浅沼:壁紙が山肌!? それ壁も屋根もないってことじゃん! 雨ざらしだよ(笑)!
立石:例えですよー(笑)! でもそのくらい、山が近くにあったんですよ。
浅沼:ハプニングとかはあった?
立石:たくさんありました。昔、山から降りてきた猿が騒いでいるとニュースになったことがあったんですけど、ある日家のドアを開いたら目の前にその猿がいたんですよ。もうびっくりしちゃって、慌てて家に逃げこみました。
浅沼:それはヤバイね。そのあとどうしたの?
立石:外の様子が気になるけれど、こちらの存在に気付いたら何をするかわからないじゃないですか。だから死角にある窓からそっと覗いて観察していました。ふとした瞬間にいなくなっていましたけど。
浅沼:緊張感半端なかったでしょう(笑)。
立石:あと、別の日には、隣の家の前に6匹くらい蛇がいて。しかも色もさまざまで、揃ってうねうねしていたんです。あまりにも恐ろしくて、出かけるのをやめました。
浅沼:(笑)。立石くんって、怖がりなの?
立石:そんなことないですよ。ただ、爬虫類が苦手なんです。
浅沼:じゃあ虫は?
立石:怖いかもしれません……。
浅沼:お化けは?
立石:めちゃくちゃ怖いです。
浅沼:高いところは?
立石:できれば避けたいです……。
浅沼:怖がりじゃないか(笑)!