感情を押し殺して生きてきたホルト。直感的にセブ君に対して惹かれるものがあったんだろうなと思います──春アニメ『魔法使い黎明期』セービル役 梅田修一朗さん×ホルト役 鈴代紗弓さんインタビュー
セービルとホルトの掛け合いをどんな思いで演じていたのか?
ーー前半で印象的なシーンを振り返っていただきたいのですが、個人的には第1話でいきなり「あたし、たぶん、セブ君のこと好きなんだと思う」は驚きました。本当に友達としての好きなのかな?と。
鈴代:私も原作を見たときから意外で。ホルトって自分のいろんな感情を押し殺して生きてきた子だと思うので、いろいろ思うところがいっぱいある中でポロッと出てしまったひと言で、直感的にセブ君に対して惹かれるものがあったんだろうなと思います。でもセブ君はこんな感じなので、答えもなく……って感じなんですけど(笑)。
梅田:そこから暴虐(デア・イグニスの裁定官)と対峙したあとで、ホルトがいろいろ乗り越えたあと、第3話の冒頭でホルトとセブ君が2人で、ホルトの過去のことをいろいろ話していくシーンも、印象的だったよね。
鈴代:第2話のBパートで、ホルトが「もう私は逃げない!」と暴虐に立ち向かって自分の殻を破ったあとは、セブ君、ロス先生、クドーと距離感がさらに縮まって、その中でもセブ君には、ちゃんと自分のことをわかってほしいから、自分の過去のことを話したと思うんです。
でも、セブ君はわからないから、そこを気づかせていくところから始めなければいけないんだろうなって。わかってはいたけどやっぱりそうだったよねっていう感じがして、見ている側としては切ないなと思いました。でも応援したくなっちゃいますね。
ーーほっぺにキスまでしていましたけどね……。でも、セブ君は優しいですよね。
鈴代:ひどいことをしたのに、自分の過去をわかった上で受け止めてくれる人がいる。何で?って思うけど、受け入れてくれるって嬉しいじゃないですか。そこでひとつ成長したのかなと思います。
ーーそうやって少しずつ成長していくところが描かれているのも面白さですね。
梅田:どのキャラクターも、すぐにグンと成長することはなくて。そういうひとつひとつのきっかけで徐々に変わっていく様子が描かれているのはすごく良いなと思います。
鈴代:セブ君絡みだと、第1話で焚火を囲んで2人で話しているところで、セブ君がホルトに対して「成績もよくて、性格もいいなんて……」って言うくだりがあるんですけど、それを終盤でも言えるかどうかを知りたい(笑)。
梅田:全然印象が違ってそう。
鈴代:殻を破ったあと、徐々に出てくるホルトの芯の部分を見てセブ君がどう思っているのか(笑)。そのくらいには変わったと思います!
梅田:でも、天真爛漫になったホルトも見てほしいね。
ーーそれと、第5話で、ホルトが食べられてしまったと聞いたとき、セービルの感情も爆発したと思ったのですが、ここのアフレコはいかがでしたか?
梅田:セービルって、なかなかそういう状況でも感情の出し方が難しくて。一般的な感情の出し方とは違うんですけど、心が動く幅がすごく大きかったというか。ここまで生きてきて感じたことがないことをいっぱい感じていたと思います。
ホルトが食べられたと知ったときもそうだけど、そのあとの、試験に受かったんだよってホルトに抱きつかれたときの安心感もすごく大きかったんですよね。ただ、そのシーンの掛け合いをしているときに、やっぱりセブ君は恋を知らないなと思いました(笑)。大事な人が生きていたという安心感を、セービルを通して僕も感じていたので。
ーー「無事だったんだね」って、ホルトを抱き返すけど、確かに純粋に大事な人が生きていたという安心感でしたからね。
鈴代:そうなんですねぇ(笑)。掛け合いで言ったら第4話で「あたしは、セブ君に死んでほしくないって言ってるんだよ!?」とブチギレて出て行ったシーンは、セブ君にはわからないというのもわかっているけど、それはダメだよセブ君!って思いました。何を訴えかけても伝わらないというか。悲しかったですし、それはホルトも逃げちゃうわ!って思いました。
梅田:僕もそこは胸が痛かった(笑)。セブ君から一度離れたら「何やってるんだよ、セブ君!」って思うんですよね。
鈴代:あと、もうひとつは温泉のシーンで、ホルトが裸を見られちゃうんですけど、最初にした演技は結構オーバーだったんですよ。
梅田:テストのときだよね(笑)。記憶はある。
鈴代:個人的にはその反応がめちゃめちゃ面白かったんですけど、確かにセブ君だとちょっと違うかなって(笑)。あのテイクは、皆さんにも聞いてもらいたかった。
ーーそこはリテイクがあったのですか?
梅田:いや、自ら言ったと思います。セブ君はそこまで驚かないかもって。自然に出ちゃったんですよね。それは僕がセブくんから離れたから出ちゃったのか、今になってはわからないんですけど(笑)。
鈴代:あそこのアフレコは楽しかったな~。
それぞれの好きなキャラクターは? そして、最近目覚めた意外なこと。
ーーお二人が好きなキャラクターを教えてください。できればパーティー以外で。
鈴代:ゼロも好きだし、アルバスも好きだけど、ホルデムさんかな!
梅田:良いよね。僕も大好き!
鈴代:ホルデムさんとは一度しか同じ時間帯に録っていないんですけど、おそらくアドリブを結構入れている気がします。あとはリーリ(CV.石見舞菜香)がかわいい!
梅田:リーリはかわいいね! 僕は、ホルデムを演じている加藤将之さんと同じ事務所なんですけど、お芝居が大好きなんです! あと、キャラとしては、ロス先生になってしまうんですよね……。アフレコ前、原作を読んでいるときから印象深くて。“のじゃロリ”キャラって 僕の中で、性癖に刺さるとかではなかったんですけど、ロス先生はすごく刺さりました。全然歳上なのに子供っぽいって、こんなに魅力的なギャップってあるんだ!と思いました。あとはただただホルトが魅力的なビジュアルだから、すごく完成されたメインヒロインだなって思っています!
ーーでは、ここで物語に掛けた質問をしたいのですが、“黎明期”が夜明け的なことだとしたら、最近、目覚めたこと、ハマっていることはありますか?
鈴代:人のインタビュー記事を読むことにハマっています。初めて共演させていただく方のツイッターやウィキペディアは、これまでもなんとなく見ていたんですけど、その方のインタビュー記事を読むのが面白くて。自分もインタビューを受けさせていただいているからわかるんですけど、ありのままの気持ちを話していると思うんです。普段役者さん同士でお芝居の話をガッツリするって、ある程度時間がないとできないから……。
ーー最近、飲み会もできなくなってしまいましたからね。
鈴代:そうなんですよね。それができないので、芝居感とかその人のスタンスが、インタビューだとすごくよくわかるんです。会うから見るとかでもないんですけど、単純に最近は人のインタビューを読むことにハマっちゃっていますね。
梅田:僕、何をしてるんだろうなぁ。ハマっていることか……。
鈴代:お菓子を選ぶとか? この前言ってたと思う。
梅田:そうかも! 僕が第1話で差し入れをしたどら焼きは、今まで出会ったどら焼きで一番好きなんです。鈴懸というお店で、差し入れが好きな方に教えてもらったんですけど。
現場に差し入れをすることって今までなかったし、現場を大事にしたいと思った結果、第1話のアフレコにお菓子を持っていって、そのお菓子をみんなで食べれば、ひとつ共通の話題ができるじゃないですか。そういう思い出ができるのって良いなと思ってから、なんとなくブラブラしているときに、お土産にできそうなお店に目が行くようになったんです。ちなみに今熱いのは、新宿南口にあるキャラメルゴーストハウスです(笑)。
鈴代:知ってる!
梅田:デザインがめちゃめちゃかわいいんですよ! ポイントを集めるとトートバックがもらえるみたいなので、今、それを目指しています(笑)。
ーーでは最後に、後半の見どころを教えてください。
鈴代:終盤に向けて、さらにいろんなキャラクターが出てきたり、シリアスな部分が増えていったりして、物語的にも盛り上がっていきます。それプラス、パーティーの絆も深まっていくので、映像の迫力と合わせて楽しんでいただけると思います。ぜひ最後までお見逃しなく! よろしくお願いします!
[取材・文・写真/塚越淳一]
TVアニメ『魔法使い黎明期』作品情報
イントロダクション
僕は、思い出せずにいる。自分が一体、何なのか――。
魔法学校の生徒セービルは、入学以前の記憶がない。自分がなぜここにいるかもわからないまま過ごす学校生活はどこか空虚で、努力の方法も分からないまま、成績は常に最下位だ。そんなセービルに、魔法学校の学長・アルバスは、突如危険な特別実習を言い渡す。
「魔女狩りのある地域で、魔法の有用性を広めてほしい」
魔女と教会の戦争が終結して数年――世界はまだ、魔女と魔法を完全に受け入れてはいなかった。時は魔法使い黎明期。
これは、何者でもない少年が、心に傷を隠した仲間たちと、自分を見つける物語。
放送情報
TBS:4月7日(木)深夜1:58~
BS11:4月10日(日)深夜0:00~
配信情報
2022年4月7日(木)深夜2時30分からdアニメストアほかにて順次配信開始
【配信サービス一覧】
dアニメストア、U-NEXT、ABEMA、Amazonプライムビデオ、バンダイチャンネル、FOD、ひかりTV、dTV、ニコニコチャンネル、アニメ放題、GYAO!、Amazonビデオ、ビデオマーケット、music.jp、GYAO!ストア。DMM.com、Hulu、HAPPY!動画、ニコニコ生配信、TELASA、J:COMオンデマンド メガパック、milplus、auスマートパスプレミアム
スタッフ
原作:虎走かける『魔法使い黎明期』(講談社ラノベ文庫刊)
キャラクター原案:いわさきたかし
一部キャラクター原案:しずまよしのり
監督・シリーズ構成:桑原智
文芸:虎走かける・森田眞由美
キャラクターデザイン:岩崎令奈
美術設定:西田稔
美術監督:斉藤雅己
色彩設計:油谷ゆみ
撮影監修:T2studio
編集:内田渉(コンクエスト)
音楽:斎木達彦
音楽制作:日音
音響監督:本山哲
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメーション制作:手塚プロダクション
オープニングテーマ:fripSide「dawn of infinity」
エンディングテーマ:▽▲TRiNITY▲▽「インプリンティング」
キャスト
セービル:梅田修一朗
ロー・クリスタス:岡咲美保
ホルト:鈴代紗弓
クドー:八代拓
泥闇の魔女:花守ゆみり
傭兵:矢野正明
神父:水中雅章
アルバス:大地葉
ホルデム:加藤将之
リーリ:石見舞菜香
公式ホームページ:https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/
公式Twitter:https://twitter.com/reimeiki_pr