『きんいろモザイク』クラウドファンディング企画[連載第1回] 支援者からの質問をキャストに直撃インタビュー! ~西明日香さん、田中真奈美さん、東山奈央さん~【前編】
『きんいろモザイク』のアニメ収録初日。西さん、田中さん、東山さんの3人が感じたことは?
――初めて『きんいろモザイク』の収録を行った日のことを覚えていますか?
田中:西ちゃんが「は……始まる……。始まったら終わってしまう……」と言ってたのを覚えてるんだけど、つい先週も同じことを言ってました! 「あぁ……あと1ヵ月でライブだぁ。どうしよう。始まったら終わってしまう!」って。
西:あはははは! 私、始まったら恐怖を感じてしまうタイプの人間なんです(笑)。どんなアニメも同じなんだけど、準備期間が楽しくて、いざ放送が始まってしまうと終わりに向かっちゃうじゃない? それがもう寂しくて寂しくて……。「まだオンエアしなくていいじゃん」と思いながら放送を待っているという。
東山:私も覚えてるよ。2期の最初も「始まっちゃったね……」と言ってた。そのひと言が、めっちゃ重いの!
一同:(笑)
西:そんなことを言ったかもしれないけど、1期の第1話のアフレコは、アリスとシノのセリフがすっごく多くて、本当はド緊張してました。
――ド緊張ですか?
西:メインキャストに選ばれてアフレコをするのはほぼ初めての経験だったんですけど、香盤表のセリフ数が書いてある数字を見たら、確か50~60個もありました。いままで自分がアフレコに参加した中で、こんな数字は見たことがなかったから、それだけで「ひぇえぇ~」ってなって、収録当日まで家でめっちゃくちゃ練習してたのを覚えてます。
――そんなに緊張していたのですね。
西:めっちゃ緊張してました。台本を持つ手がブルブル震えて、それがノイズにならないか心配なくらいです。でも、まなみんも私と同じく緊張してたよねぇ?
田中:うん、私も自分では自覚がないんだけど、「台本を持つ手が震えてたよ」って後で言われて(笑)。収録中は無我夢中だったので気づいてなかったけど。
――東山さんの初収録の思い出は?
東山:う~~~ん、私にしては珍しいことに、初めての収録と言われると、ぼんやりしか覚えてません。というのも、当時の私は周りから見たら平常心に見えていても、実はいっぱいっぱいのことが多かったんです。頭の中は「ちゃんとしなきゃ」とか「みんなと仲良くなれるかな」とか考えることだらけで、それどころじゃなかったんだと思います。
――いろいろなことを考えてすぎていたから、覚えていられなかったのでしょうね。
東山:カレンは第1話に少しだけ出番があって、本格的に出演したのは第3話からでした。なので、初回の収録は、西ちゃんとまなみんより多少は緊張せずにいられてたのかもしれません。第1話は「様子を見てみようかな」みたいな気持ちだった気がします。
――確かにカレンの主な出番は、第3話からです。
西:奈央ちゃんのカレンが本格的にアフレコに加わったとき、すっごく印象に残ってるの!
東山:なになに?
西:カレンが出始めた第3話のことね。それまで日本人組みの落ち着いている空気の中に、カレンの元気なセリフが入ってきて、一気にスタジオの雰囲気が華やかになったの。私はあの瞬間、「あっ、これでカレンが仲間に入って、お話が賑やかになるんだ!」って思ったの。
東山:そうだったんだ? それは嬉しいな~!
西:カレンの……じゃなかった! 奈央ちゃんの華やかな「イエーイ!」みたいな声がスタジオに響いたとき、「あっ、カレンだ!」って思って。「これでみんな集まった」みたいな瞬間でした。
多くのファンに愛される作品の魅力。キャストの3人のイチオシはここ!
――『きんいろモザイク』の作品全体で好きなところはどこですか?
東山:「原悠衣先生の世界観が大好きだな」って、つくづく思います。『きんいろモザイク』と出会ったときは、4コマ漫画にあまり触れてこなかったので、4コマ漫画について詳しくありませんでした。ですが、それから何年も経って私もいろいろな作品に触れさせていただいたことで、原悠衣先生節の『きんいろモザイク』は独特だったんだなということに気づきました。
田中:ただかわいいだけじゃなくて、シュールでおもしろいもんね。
東山:そうなの! 『きんいろモザイク』の連載が一段落した後も、劇場版の特典のしおりを描いてくださったり、「劇場版「きんいろモザイクThank you!!」展」に合わせてTwitterで漫画を書いてくださっていましたが、どれも内容がおもしろすぎるんです。原作の連載が終わってしまったので、私は久々にキャラクターに会えた喜びでエモに浸ろうとしていたんだけど、ついつい笑っちゃって(笑)。
思いつきで描いた漫画です。(読みづらかったらすみません💦)
— 原悠衣 (@_harayui) March 3, 2022
今週末まで開催中です!#kinmosa pic.twitter.com/S0a1aQuCON
西:Twitterで公開してくださったあの漫画、私も好き! 館内の音声ガイドのネタで、アリスが「アリスの声が聞こえます!」とか言ってて(笑)。
田中:シノが「アリスはアリスがしゃべっているのではないのですか?」とかツッコミを入れてたね(笑)。あのお話は、「おしゃべりモザイク」で内山夕実ちゃんと一緒になったときに「演じてみようよ!」って話になって、4コマ漫画に勝手に声をあてたんだけど、初めてアリスとして自分の名前を呼んだよ!
一同:(笑)
――西さんが感じる『きんいろモザイク』の好きなところは?
西:私が好きなところは、キャラクターが年齢をとるのが好きです。一部、回想で中学生のエピソードもありますけど、『きんいろモザイク』のメインストーリーは高校生の女の子たちが絆を深め、進路に向かって卒業していくお話でした。
――そうですね。最新の劇場版では卒業式が描かれていました。
西:こういうちゃんと物語が進んでいっているところが、エモエモのエモだなって思います。作品によっては年齢をとらないパターンもあるし、そのような作品も好きではあるんだけど、年齢を重ねていくからこそ得られる感情ってあるじゃないですか? 『きんいろモザイク』はそれを感じられるのが、とても素敵な作品だなって思います。
――アニメ前から作品のファンだった田中さんが好きなところは?
田中:好きな要素が多すぎますが、ひとつ挙げるとしたら、原作もアニメも絵柄が好きです。アリスの誕生日は4月5日なのですが、当日に原悠衣先生がアリスの誕生日のイラストをTwitterで公開してくださったんです。それを見た瞬間、「なにこのかわいい子!」って思いました。
今日はアリスの誕生日です🌸
— 原悠衣 (@_harayui) April 5, 2022
お祝いのツイートやイラストありがとうございます!#kinmosa#アリス・カータレット生誕祭2022 pic.twitter.com/UfXNm9Snp0
一同:(笑)
田中:いままでアリスのイラストは何千回も見ているのに、いまでも『きんいろモザイク』の新しいイラストを見るたびに、ハッとしちゃいます。もちろん、アニメも同じです。アリスは碧眼で、その色がすっごくキレイで好きです。とても細かい好みの話になっちゃいますが、アニメで瞳がアップに映るときの、絶妙な碧眼の色と、ちょっとうるうる揺れているような演出が特に好きです。
自身が演じたキャラクターの名シーン。アリスの名シーンは「お誕生日の歌」
――ご自身が演じたキャラクターで、一番印象に残っているシーンは?
田中:お誕生日の歌です! 原作にも出てくるシーンなので、原作を読んだときから頭の中で歌のメロディーを想像しながら読んでいました。でも、そのときは一般的なお誕生日の歌「Happy birthday to you」のメロディーを、アリスが日本語に訳して歌っていると思い込んでいたんです。だから、アフレコのテストのときも、そのように歌ったんです。
――そうだったのですね!
田中:そうしたら音響監督さんから、「ちょっと待っててください」と言われ、ガラスの向こう側で審議が始まりました。「あれ? 音が外れてたかしら?」とか思ってたら、しばらくして「オリジナルでメロディーを作ってくれる?」と言われたんです。
一同:(笑)
――その場で急にですか?
田中:そうなんです! 「どうしよ~」って思ってたら、キャストのみんなが協力してくれて、みなさんがアニメで見た「お誕生日の歌」を一緒に作ってくれたんです。
――みんなで作ったのですか?
田中:そうなんです。
西・東山:そうだったっけ?
田中:そうだよ!(笑)
西:てことは「作曲:Rhodanthe*」じゃーん! 私たちすごーい!!
一同:(笑)
田中:そんなこんなで、アフレコの日はみんなの協力でなんとか乗り切れました。「お誕生日の歌」はそれっきりかと思いきや、まさか今になっても歌い継がれるなんて、当時の私は思ってもいませんでした。
西・東山:あはははは!
――イベントでもよく披露してきましたね(笑)。
田中:そうなんです! お陰様で、いろいろな場所で歌わせていただいてます。あのスタジオで新しい歌が生まれて、すごくよかったな、ありがたかったなと思っています。
西:そうだったっけ? ぜんぜん覚えてない……。
東山:覚えてないけど、思い返してみたら、そうだったかもしれない(笑)。
田中:だって私、あの状況で急に作れないと思うの。
東山:どうやって作ったんだろうね?
――みんなアフレコで頭がいっぱいになっていて、覚えてなかったのでしょうか?
西:歌も好きだけど、私はあの「おたーんじょーびーあーなたー♪」のアニメーションしているアリスがめっちゃ好き!
東山:かわいいよね~。
西:ちょっとデフォルメされたアリスが、ゆらゆら踊ってるの。ファンの方も好きな人が多いみたいで、みんなの心に刺さるシーンだったと思う。