『きんいろモザイク』クラウドファンディング企画[連載第1回] 支援者からの質問をキャストに直撃インタビュー! ~西明日香さん、田中真奈美さん、東山奈央さん~【前編】
アニメイトが運営するクラウドファンディングサービス「ソレオス」で、『きんいろモザイク』のプロジェクトを実施しました! この中の企画でキャストのみなさんに聞きたい質問を募ったところ、暖かいファンのみなさまからたくさんの質問が集まりました。
今回はそんな質問の中から、特に多かった質問を西明日香さんと田中真奈美さん、東山奈央さんにインタビューしました。『きんいろモザイク』のことや、作品を応援してくれたファンとの思い出などを、時間の許す限り語っていただきました。2万文字を優に超えるロングインタビューを、前後編で掲載します。
キャストから見た『きんいろモザイク』のファンはどのような人が多い!?
――『きんいろモザイク』のクラウドファンディングを実施したら、たった2日で目標金額を達成しました。この作品には多くの暖かいファンがいますが、みなさんから見たみなさんの印象は?
東山奈央さん(以下、東山):信頼の塊!
西明日香さん(以下、西):愛の塊!
田中真奈美さん(以下、田中):親戚の塊!
――いきなり息がピッタリですね(笑)。それぞれの答えの意味を詳しくお聞かせください。
東山:はい! まずは私から!! どの作品でも、お客さんと演者の関係は徐々に育っていくことが多いと思うんです。なのに『きんいろモザイク』を愛してくださるみんなは、最初から礼儀正しい方が多かったな、という印象なんです。
西:うんうん! わかる!
東山:『きんいろモザイク』はかわいい女の子がたくさん出てくる作品だから、みなさんワーッとテンションが上がってもおかしくないのに、「自分たちが盛り上がる」と言うよりも「私たちを盛り上げてくれている」ような、優しさや暖かさを感じる方が多かったイメージがあります。
――優しさと暖かさですか?
東山:例えばインストアリリースイベントとかで超接近戦だったときに、私たちが歌の振りつけで前に手を伸ばすと、お客さんに触れちゃいそうな距離だったことがありました。そういうときに『きんいろモザイク』のファンの方は、サッと身を引いてくれるんです。「絶対に触らないぞ」という意志が見えました。
西・田中:あはははは!
東山:そういう姿勢がすごいなぁと(笑)。だから私たちも全力で歌って踊れるんです。まさに「信頼の塊」だなって、昔から思っていました。それこそ、ステージで私たちが変なことをしても、いつも笑っていてくれるし。
西:ほんと、そうだよね~。
――では「愛の塊」と答えた西さんの理由は?
西:その理由は『きんいろモザイク』は新作が出るたびに、必ず一緒に盛り上がってくれるからです。『きんいろモザイク』はアニメの1期、2期、スペシャルエピソード、劇場版と続いたのですが、それぞれ少しずつ期間が開いていました。でも新作が出ると、必ず昔からのファンの方が、新規のファンの方と一緒になって『きんいろモザイク』のキャラクターや世界観に愛情を注いてくださっていたんです。昨今、多くのアニメが世の中に溢れているのに!
田中:そうだよね。
西:わかりやすいところで言うと、『きんいろモザイク』が放送していない時期も、TwitterなどSNSのアイコンがずーっとカレンだったり。
東山:それ、わかるー!
西:アイコンにしているってことは、大好きな証だと思うんです。自分のアイコンなんて簡単に変えられるのに、変えていないということは、それだけ大好きなんだと思います。放送していない間も、ずっとずーっと推し続けてくれる人が多いなと思っていました。本当に嬉しいです! もちろん他のアニメが好きになるのも当然だと思います。でも、結局帰るところが『きんいろモザイク』という暖かいファンの方が多い印象です。
――確かに『きんいろモザイク』をアイコンにしている方、かなり多いですね。
西:それこそ2期を発表できたり、劇場版が作られたりしてきたのは、みんなが盛り上げてくれたからこそです。みんながいてくれたから、『きんいろモザイク』はここまで来られたんだと思います。なので、ひとりひとりの愛が深い印象があります。
――最後に田中さんの「親戚の塊」とは、どういう意味でしょうか?
田中:親戚じゃないとお正月は会わないかな? ということです。
一同:(笑)
西:お正月にライブやったもんね~。
田中:そしてもうひとつ、私たちは『きんいろモザイク』と長い年月を一緒に歩んできたので、初期のころから応援してくださる方から「結婚したよ」とか「子供が産まれたよ」とか報告をいただけることがあるんです。そんな報告を聞いて、私たちも嬉しくなるのは「まるで親戚みたいな関係性だな」と思っています。
東山:私たち、お客さんを覚えるタイプの人間が多いので、「誰と誰が結婚したってよ!」とか「えー、おめでとー!」とか話し合ってるよね?
西:うんうん!(笑)
田中:でも、いつもすごく不思議なのは、いまだから「親戚みたいだね」思うのではなくて、初期のころから親戚みたいな関係だった気がします。初めて『きんいろモザイク』のイベントに参加してくださった方でも、心の距離が近く感じられる気がします! 奈央ちゃんが言ってたけど、だから私たちも安心してパフォーマンスをできたり、緊張せずに楽しくお話できたりしたんだなぁって思います。
――『きんいろモザイク』を応援しているファンのみなさんのことは、わかるものですか?
東山:わかります。顔までわかりますよ!
西:みんなのTwitterを監視してるからねぇ(笑)。
――ええっと……「監視」ですか? 「見ている」じゃダメですか?(笑)
西:ここは「監視」ですね。「ちゃんと推してくれてるかな?」をチェックしてるので、監視です!
田中:あはははは!
東山:巡回してるんだよね?(笑)
西:そう! 監視の巡回(笑)。そうすると、誰と誰が結婚したとか、誰と誰が仲がいいとかわかるんです。
田中:あとは年賀状とかで、「結婚しました」って写真付きで送ってくださったりもします。お顔を見たらわかるので、「あの人たちだーっ!」ってね。
東山:劇場版『きんいろモザイクThank you!!』の舞台挨拶の帰りに、諏訪彩花ちゃんと合流してみんなで渋谷のポップアップショップ(※「きんいろモザイク POP-UP SHOP@渋谷モディ」)に遊びに行ったんです。そうしたらお店にファンの方がいて、普通に話しかけちゃいました。
――突然話しかけられたら、みなさんビックリしませんか?
東山:ビックリしてました。
西:レジに並んでいるときに暇だったから、話しかけちゃったんだよね? 「誰推しなんですか?」とか聞きました。でも、最初は私たちが声優だと気づかれなくて、「ア、アリス推しです……」とか答えてくれてました。「急に話しかけてくるこの女はなんだ?」みたいに戸惑いながらも。
一同:(笑)
西:気づいてもらえないから、「私、シノの声をやってる声優なんですぅ」みたいなことを告白したら、「えぇぇぇっ!?」って後ずさりしてました。
――それは後ずさりします(笑)。
西:でもですよ! 私たちからすれば『きんいろモザイク』のお店にいる人なんだから、みんな親戚なんです。だから話しかけてもいいかな~って。
田中:そうそう。親戚親戚!
東山:「アリス推しなの? えっとね、アリスの声やってる子はあそこにいるよ~」って教えてあげたりしたね。
西:あはははは! 言った言った!!(笑)
東山:そうだ! 思い出しちゃった。
――なんですか?
東山:その日、ショップに私のソロ活動のツアートートバックを持っている人がいたんです。バックを日常的に使ってくれてるくらい私のことを推してくれているのに、私がいるのにぜんぜん気づいてもらえなかった!
西:あははははは!
東山:私のツアーまで来てくれてるのに……。「おーーい! 東山だよぉーー!!」って名乗らないと気づいてくれなかった。
――だって、いるわけありませんから(笑)。
東山:まなみんの、ラジオのリスナーさんなんだよね? めっちゃ話してたよね?
田中:話した! 私のラジオを聞いてくれている方がいたので、「あなたが! あのお便りをくれた○○さん!?」とか、ずっと話してました。
東山:それ以降はRhodanthe*のラジオ番組「おしゃべりモザイク」でも、お便りをいただくと「○○さんだ!」って盛り上がったり。本当に親戚みたいなんです。
クラウドファンディングの支援者から届いた質問を西さん、田中さん、東山さんに聞く!
――ここからはクラウドファンディングで支援してくださったファンの方々からの質問です。質問が多く届いたものからお答えいただきたいです。
西・田中・東山:よろしくお願いします!
――まず始めに、みなさんの仲の良さが光る『きんいろモザイク』ですが、収録現場はどのような雰囲気でしたか?
西:アフレコの本番よりも前から撮影とか打ち合わせとかで顔を合わせる機会があったので、収録での5人は勝手知ったる仲だったよね? 収録現場の雰囲気を表現しやすいエピソードだったら、種ちゃん(種田梨沙さん)の誕生日を祝ったときかな?
東山:お祝いしたねー。アフレコ時期がちょうど種ちゃんの誕生日だったんだよね。
西:そうそう。ちょっと紫を基調にした、種ちゃんのような人物が描いてあるケーキ……。
東山:種ちゃんに似せた人物が描かれているケーキね(笑)。
西:そんなケーキを用意して、『きんいろモザイク』のバースデーソング「おたーんじょーびーあーなたー♪」の歌を流しながら、みんなで突然ブースに現れて種ちゃんを驚かせたんです。
田中:あったねぇ~。
東山:あの日は音響監督さんを交えて、種ちゃんにサプライズを仕掛けたんだよね。
西:そう! 種ちゃんを残して、私たちだけ終わってるやつでしょ?(笑)
東山:本当は収録は全部終わってるのに、音響監督さんが種ちゃんに、「ここの綾をもう一度やってもらっていい?」ってリテイクして、さらに「うーん……なんか違うんだよな……」と言って。
――本当はとっくにオーケーだったのにですか?
東山:そうです(笑)。サプライズを仕掛けてるときの音響監督さんはすっごく厳しくて、種ちゃんはどんどんシュンってしちゃって。それを聞きながら私たちは、心の中で「音響監督さん! やりすぎです!(笑)」って、笑いをこらえてました。あのときの音響監督さんは演技派でした。
田中:しかもその後に流したお誕生日の歌って、収録してもらったんだよね。
東山:そうだった! ちょうどキャラソンを何曲も収録している時期だったから、そのついでに収録したんだよね?
――サプライズで流すだけの曲なのに?(笑)
東山:当時のバースデーサプライズは手の込んだことをやってたので、とっても贅沢だったんです。西ちゃんの誕生日は、みんなで替え歌を作ったり。
西:やってくれたねー! 元ネタは大宮忍のキャラソン「こがねいろハーベストムーン」なんだけど、みんなでカラオケで録ってくれたんだよね? しかもCDまでもらっちゃったな。確かあの曲、「あすかいろハーベストムーン」とか、そんな曲名じゃなかったっけ?(笑)
田中・東山:そうそうそう!
西:いまでも大切に保管してあるよ! 自宅に「きんモザ思い出ゾーン」があるの。
一同:(笑)
――「きんモザ思い出ゾーン」とは何ですか?
西:そこにはたくさんの思い出の品が収納されているんです。みんなでたくさん誕生日を祝ってきましたが、いつも大抵アルバムを作ってきたんです。大体どのアルバムも、写真をペタペタ貼ったりコメントを書いたり。そんなアルバムが、何冊も溜まってるんです。
――それはいい思い出ですね!
西:そうなんです。私は何回か引っ越してきたんだけど、その引っ越しのたびにアルバムを引っ張り出してきて「わぁ~、素敵~♪」って見返してきました。もちろん、その度に引っ越しの作業は長時間中断します(笑)。
東山:うれしー!
西:それから、他のキャストさんもみんな優しい人ばっかりな現場でした。それこそ烏丸先生役の佐藤聡美さんは、本当に先生みたいに優しく見守ってくださってました。さらにシノのお姉ちゃん役の田村ゆかりさんも優しいんです。
――大宮忍のお姉さん、大宮勇ですね。
西:シノのお姉ちゃんはクールビューティーなキャラクターなんですけど、ゆかりさんもスタジオではクールビューティーに構えていました。だけど話しかけると、いつもにこやかに相手をしてくださるんです。常に若手のキャスト陣を暖かく見守っているような、そんな存在でした。素晴らしいキャストのみなさんのおかげで、いつも和やかな雰囲気でアフレコをさせていただきました。
東山:うんうん。キャストのみなさんもそうだけど、スタッフさんともたくさんお話をさせてもらったよね? 休憩時間にこれだけスタッフさんと話ができる現場って、『きんいろモザイク』のいいところだなあって思います。私の声優活動はもう10年くらい経っているけど、どの現場を振り返っても、『きんいろモザイク』は独特な雰囲気だったなって思うな。
西:そうかもね。私も『きんいろモザイク』のスタッフさんは、フレンドリーな方が多い印象があるよ。
東山:スタジオ全体の雰囲気が、話しやすかったからかなあ?
田中:それこそお誕生日のときは、Rhodanthe*のメンバーだけじゃなくて、他のキャストさんとスタッフさんにも協力していただいたよね。「〇〇ちゃんの誕生日なのでメッセージを書いてください」とか、よくお願いしてた。
東山:そうそうそう!(笑)
田中:仕事の現場なのは確かだけど、ノリがまるで学生みたいだった。サプライズなので当人にはバレないように、コソコソ隠れてメッセージを書いてもらってね。
東山:秘密の取り引きみたいにね(笑)。
西:スタッフさんもサプライズが好きな人が多くて、スタッフさんの誕生日にもこっそり私たちに「この人、明日誕生日だから祝ってあげて」って花束を渡してくれたり。
田中:キラキラした収録現場だったなぁ……(遠い目)。
東山:まなみん! いま走馬灯みたいになってるよ!
一同:(笑)