アニメ

2022-06-29 18:00

夏アニメ『リコリス・リコイル』ストーリー原案アサウラさんインタビュー｜カフェが舞台になった意外な理由、そしてOPでどうしても見てほしいシーンとは？【連載第1回】

カフェが舞台になった意外な理由、そしてOPでどうしても見てほしいシーンとは？

――主人公の戦闘スタイルも特徴的だと思うのですが、それも監督が入ってからの変化でしょうか。

アサウラ：そこに関しては足立さんが入ったというより、地上波で放送するにあたってやれる範囲内での面白さを追求する中で、戦い方のスタイルが今の形に落ち着いたところはあります。

足立さんが入ったことでの変化でいうと、ガンアクションって、労力のわりに報われないジャンルだと思うんです。考証も大変だし、画を描ける人も限られてくるし、真面目に描けば描くほど地味になっていくところがあるので。

でも、足立さんはアニメーターから入っている人だから、映像が映えるように考えるんですよね。普通の銃撃戦だと画的に寂しくなるということで、今の千束の戦闘スタイルになったのだと思います。

――和カフェが舞台というのは？

アサウラ：カフェはどの段階だったかな。これも足立さんが参加するあたりで決まったのですが、僕が担当編集さんとの打ち合わせでよく話していたのがカフェで、特に舞台になる錦糸町、両国、亀戸あたりは、和をモチーフにしたカフェが多いんですよね。浅草まで行くとレトロモダン、大正モダンという感じになるのですが。

なので、そういうところで打ち合わせをしていたから、千束たちがいるカフェの原型ができたという感じです(笑)。

途中まで、まるでカフェの日常モノのように宣伝していたのは、最初からガンアクションですって押すのはちょっと違うよねっていう話をしていたんです。そうすると、それに興味がない人を振り落としてしまうし、振り落とす必要はないだろうって。ご覧いただければわかるんですけど、ガンアクションがなくても、日常の千束たちの生活や物語、生き方も楽しめる内容ですから。でも、まさかここまで隠すとは思っていなかったです(笑)。

――1～3話までの上映会でのサプライズということなのでしょうね。

アサウラ：怖いですよね～。皆さんそこで初めて見て知るわけですから(笑)。

――カフェモノ・日常モノではないだろうと思っている人は多かったようですね。足立監督との仕事はいかがでしたか？

アサウラ：アニメとして良いものを作りたいという考え方を最初から最後まで貫いている方で、映像ができたときに「なるほど！」と思える出来になっていました。僕が真面目に銃モノを作ると暗くなるというのは最初からあったので、そこを足立さんがポップな作品に仕上げてくれたなと思うし、見ていてすごく楽しいものになったと思います。

――いろんな人が意見を出し合って決まっていくケミストリーみたいなものは、アサウラさんは好きなのでしょうか？

アサウラ：普段が1人でものを書く小説家という仕事なので、集団で作品を作るのは大変だけど楽しいという思い出が強いです。以前、『AKIBA'S TRIP』というゲームのシナリオをやったことがあるのですが、そのときも大変だったけど楽しかった思い出があるんです。

――アクションの作画も日常の作画も、すごくこだわって描かれているのがわかったので、ものすごいアニメだと思いました。

アサウラ：ガンアクションに詳しいアニメーターも参加されていたみたいで、一瞬の静止画でもわかっている人間じゃないと描けないアングルもありました。あとOPアニメーションのコンテ・演出も足立さんが担当されているんですけど、素晴らしいんですよ！

注目してほしいのが、最後のほうのたきなと千束のとあるシーンで、1カットだけで二人の関係性が表現されて、動きも細かくて、すごく好きです。きっとあれでファンも増えるはず！

――序盤の見どころはどこでしょうか？

アサウラ：やっぱり千束のキャラクター性、動き、それらすべてを見てほしいと思います。まさにアニメでしか表現できないキャラクターで、魅力の塊なので。あとはちょっとしたところに足立さんならではの丁寧な仕事が見られるんです。大事なシーンじゃないけど、ちょっとした動きが入ることで良くなっていたり、表情が良かったり、細部までこだわって作ってあるので、そこも含めて注目してほしいです。

――では最後に、放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

アサウラ：放送は夜中なのですが、ぜひコーヒーと甘いお菓子と一緒に、肩肘張らずに見ていただければと思います。日常の疲れが癒されるような内容になっていると思いますよ。

［文・塚越淳一］

放送直前連載バックナンバー

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｜連載：01

ストーリー原案アサウラ

｜連載：02

キャラクターデザインいみぎむる

｜連載：03

監督・足立慎吾

｜連載：04

錦木千束役安済知佳
井ノ上たきな役若山詩音

放送中連載バックナンバー

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｜連載：01

錦木千束役安済知佳

｜連載：02

井ノ上たきな役若山詩音

｜連載：03

中原ミズキ役小清水亜美

｜連載：04

クルミ役久野美咲

｜連載：05

春川フキ役河瀬茉希

｜連載：06

乙女サクラ役小市眞琴

｜連載：07

ミカ役さかき孝輔

｜連載：08

ロボ太役榊原優希

｜連載：09

真島役松岡禎丞

｜連載：10

吉松シンジ役上田燿司

｜連載：11

蛇ノ目エリカ役八神結香

｜連載：12

中原ミズキ役小清水亜美×クルミ役久野美咲×ミカ役さかき孝輔

｜連載：13

錦木千束役安済知佳×井ノ上たきな役若山詩音

アニメBlu-rayブックレットの執筆（「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく２丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.）、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ

この記事をかいた人

塚越淳一: アニメイトタイムズでいっぱい書いています。

担当記事

リコリス・リコイル

平穏な日々――その裏には秘密がある犯罪を未然に防ぐ秘密組織――「DA(ディーエー)（DirectAttack）」。そのエージェントである少女たち――「リコリス」。当たり前の日常も、彼女たちのおかげ。歴代最強のリコリスと称されるエリート・錦木千束、優秀だけどワケありリコリス・井ノ上たきなが働く喫茶「リコリコ」もその支部のひとつ。ここが受けるオーダーは、コーヒーやスイーツの注文から、こどものお世話、買い物代行、外国人向けの日本語講師etc、「リコリス」らしからぬものばかり。自由気ままな楽天家、平和主義の千束とクールで効率主義のたきな、二人の凸凹コンビのハチャメチャな毎日がはじまる！作品名リコリス・リコイル放送形態TVアニメスケジュール2022年7月2日（土）～2022年9月24日（土）TOKYOMX・BS11ほか話数全13話キャスト錦木千束：安済知佳井ノ上たきな：若山詩音中原ミズキ：小清水亜美クルミ：久野美咲ミカ：さかき孝輔春川フキ：河瀬茉希乙女サクラ：小市眞琴楠木：沢海陽子吉松シンジ：上田燿司真島：松岡禎丞ロボ太：榊原優希蛇ノ目エリカ：八神結香スタッフ原作：SpiderLily監督：足立慎吾ストーリー原案：アサウラキャラクターデザイン：いみぎむる副監督：丸山裕介サブキャ...

TVアニメ『リコリス・リコイル』作品情報

放送情報

・TOKYO MX 7月2日より毎週土曜23:30～
・とちぎテレビ 7月2日より毎週土曜23:30～
・群馬テレビ 7月2日より毎週土曜23:30～
・BS11 7月2日より毎週土曜23:30～
・ABCテレビ 7月6日より毎週水曜26:14～
・メ～テレ 7月7日より毎週木曜26:15～
・AT-X 7月4日より毎週月曜22:00～

※放送日時は編成の都合等により変更となる場合もございます。予めご了承下さい。

配信情報

・ABEMA 7月2日より毎週土曜23:30配信開始

・ほか各配信プラットフォーム 7月5日より毎週火曜正午以降、順次配信開始
GYAO! ／ニコニコ生放送／ニコニコチャンネル／ Prime Video ／ Netflix ／ dアニメストア／ dアニメストアニコニコ支店／ dアニメストア for Prime Video ／ U-NEXT ／アニメ放題／バンダイチャンネル／ Hulu ／ J:COMオンデマンド／ TELASA ／ milplus ／ auスマートパスプレミアム／ FOD ／ WOWOWオンデマンド／ひかりTV ／ Video Market ／ music.jp ／ GYAO!ストア／ Tver

※配信開始日・配信日時は編成等の都合により変更となる場合もございます。予めご了承ください。

スタッフ

原作：Spider Lily
監督：足立慎吾
ストーリー原案：アサウラ
キャラクターデザイン：いみぎむる
副監督：丸山裕介
サブキャラクターデザイン：山本由美子
総作画監督：山本由美子、鈴木豪、竹内由香里、晶貴孝二
銃器・アクション監修：沢田犬二
プロップデザイン：朱原デーナ
美術監督：岡本穂高、池田真依子
美術設定：六七質
色彩設計：佐々木梓
CGディレクター：森岡俊宇
撮影監督：青嶋俊明
編集：須藤瞳
音響監督：吉田光平
音楽：睦月周平
制作：A-1 Pictures