夏アニメ『はたらく魔王さま!!』第2期放送記念:東山奈央さんインタビュー|絶妙だった第1期の終わり方。オトナな千穂だからこそ自然に演じられた
絶妙だった第1期の終わり方。千穂がオトナになっていたから演じられた
――久々に演じてみて、佐々木千穂の魅力はどこにあると思いますか?
東山:ちーちゃんは、この作品のメインキャラクターの中で唯一の人間なんです。異世界のエンテ・イスラから来たキャラが多いんですけど、素朴な女子高生で、何の力を持っていない……と今のところは言っておきましょう(笑)。
ひょんなことから魔王や勇者と関わることになり、今では何だかみんなの中立的な存在になっているというか。みんなが人間界でうまく暮らしていけるよう、結果的に助けているキャラクターなのかなって思います。
そして、同じバイト先のマグロナルドに務めている主人公の真奥さんのことがすごく好きで、真奥さんのことでドキドキすると、顔がとろけ出しちゃうような……真っ赤になってもじもじしちゃう恋する乙女な一面がとってもかわいいんです! しかも真奥さんが魔王だとわかったあとも、その恋心はずっと変わることがなくて、本当に芯のある女の子だなぁと思います。
――なかなかその想いが真奥に通じないことが多かったですけどね。
東山:かわいい後輩みたいな感じに思われていて、切ないですよね(笑)。
――そのあたりの関係性がどうなるのかも楽しみです。9年ぶりのアフレコはいかがでしたか?
東山:実は2年くらい前に、私自身の声優活動10周年のキャラクターソングライブがあって、そのときに一度「はたらく魔王さま!」を全部見返しているんです。だから、キャラクターのイメージを鮮やかに持ったままアフレコに臨むことが出来ましたね。
でも、先輩方の9年と、私のキャリアの中での9年って違うと思うんです。当時新人だった私のほうが、変化が大きいと思うんですね。第1期のちーちゃんから地続きの第2期で、当時のちーちゃんに戻れるかな?みたいな不安はありました。あのフレッシュさを出せるのかな?って。
――意図せずに出したものが乗っていたりしますからね。
東山:そうなんです。新人だった当時だから出せるものがあったと思うんです。そこに立ち帰れるのかな? みんなが抱いているちーちゃんのイメージに、今の自分が応えていけるのだろうかって不安がよぎったんです。
でも、第2期のちーちゃんってすごいんですよ。よく第1期のときにここで区切ったな!と思うくらい、全然第1期と第2期で、ちーちゃん像が変わるんです。逆に当時の私が今回のちーちゃんを演じられたのかというと、結構難しかったと思うんですよね。そのくらい第2期のちーちゃんは包容力があるんです。
――新キャラクターで、赤ちゃんのアラス・ラムスが登場するから、というのはありますよね。
東山:そうですね。アラス・ラムスに対してみんなが保護者になっていくんですけど、中でもちーちゃんは、ママっぽさがあるんですよ。普通の女子高生だと思っていたけど、生活力があって、おむつ替えもスムーズで、ミルクのこともわかっているんですよね。
真奥さんやエミリアに対しても、中立だからこそみんなが本音で話せる存在になっていて、立ち位置がオトナなんです。
第1期と第2期で、ちーちゃん像がガラッと違っているからこそ、今の私にしか演じられるものがあるかもしれないと思いました。それからは不安がなくなって、今の自分にしかできないちーちゃんの命を吹き込んでいきたいなぁって思いました。
――最後に、第2期の見どころをお願いします。
東山:新生『はたらく魔王さま!!』みたいな感じがするんですよね。すごく新しい魅力が引き出されている感じがするんです。アラス・ラムスが出てくることで、お馴染みのキャラクターたちの知らなかった一面がどんどん見えてきて、そこが意外な感じがするんです。
演者である私たち自身も我が子のようにかわいがってきたキャラたちだけど、そんなこと考えていたんだね! そんなふうにうろたえたりするんだね!って、いろいろな一面に驚いているので、作品としても新しい魅力が増していると思います。
そして、もう一つの魅力のギャグですね。第2期もギャグのテンポ感は健在で、分散収録ですけど、これが“はたま”だな!とクスリと笑える瞬間が多々あります。例えば、私だったら、アフレコのテストのときにマイクの入りが遅れてしまって、セリフを出トチっちゃって、「あばばばば~」ってなったことがあったんですけど、そのニュアンスが音響監督さん的にツボだったらしく、本番もさっきみたいな感じでやってくれる?と言われたんです。
なので、なるべく本番も同じことをしてみたんですけど、やはりテストほどの慌てっぷりにはならず、あのシーンって、もしかしたらテストテイクが使われたんじゃないかな……(笑)。そんな偶然の産物すらも本番で使う現場のノリが“はたま”だし、トラブルさえも笑いに変わるかもしれない自由さが魅力かもしれないと思うので、そういう他にはない雰囲気も楽しんでいただければと思います。
[文&写真・塚越淳一]
第2期放送記念 連載バックナンバー
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画像をクリックすると、関連記事にとびます。TVアニメ『はたらく魔王さま!!』作品情報
2022年7月14日(木)
TOKYO MXほかにて放送
放送情報
[TOKYO MX] 毎週木曜日 23:30~
[BS11] 毎週木曜日 23:30~
[MBS] 毎週土曜日26:38~
[AT-X] 毎週金曜日21:30~
リピート放送 毎週火曜日9:30~、毎週木曜日15:30~
配信情報
ディズニープラス「スター」にて7月14日より毎週木曜日 23:30~地上波同時・見放題独占配信
ストーリー
異世界エンテ・イスラでは敵同士の魔王と勇者でありながらも、
現代日本・東京にて、相も変わらず額に汗して働く真奥貞夫と遊佐恵美。
魔王城の面々や恋する女子高生・千穂たちとともに
日本の生活に馴染み、経済の荒波にもまれる日々
─
ある日、謎の少女が出現して魔王城は大混乱
まさかの子育てだったり、続々とエンテ・イスラからの来訪者だったり
やっぱり働かなくては家計は支えられなかったり…
魔王城は六畳一間!
フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、
波乱のTVアニメ第2幕、始動!!
スタッフ
原作:和ヶ原聡司「はたらく魔王さま!」(電撃文庫KADOKAWA刊)
原作イラスト/キャラクターデザイン原案: 029
監督:筑紫大介
シリーズ構成:横谷昌宏
キャラクターデザイン:飯野雄大
総作画監督:たけだ欣弘
デザインワークス:あきづきりょう
グラフィックアート:荒木宏文
美術監督:緒続 学(草薙)
美術設定:成田偉保(草薙)
撮影監督:飯島 亮(旭プロダクション)
色彩設計:手嶋明美(Wish)
3D監督:小川耕平(Marco)
編集:土居秀充
特殊効果:石橋 啓(旭プロダクション)
音楽:中西亮輔
音楽制作:Lantis
音響監督:明田川仁
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:Studio 3Hz
CAST
魔王サタン/真奥貞夫(CV: 逢坂良太)
勇者エミリア/遊佐恵美(CV: 日笠陽子)
佐々木千穂(CV: 東山奈央)
悪魔大元帥アルシエル/芦屋四郎(CV:小野友樹)
悪魔大元帥ルシフェル/漆原半蔵(CV:下野紘)
クレスティア・ベル/鎌月鈴乃(CV: 伊藤かな恵)
アラス・ラムス(CV:木野日菜)
鈴木梨香 (CV:西明日香)
木崎真弓 (CV:内山夕実)
エメラダ (CV:浅倉杏美) 猿江三月/大天使サリエル (CV:井口祐一)
ライラ (CV:井上喜久子)
ガブリエル (CV:子安武人)
大黒天祢 (CV:甲斐田裕子)
カミーオ (CV:緒方賢一)