アニメ『よふかしのうた』夜守コウ役・佐藤元さんインタビュー|「今日という日に満足できたか?」……この言葉が引っかかった人に見て欲しい
雨宮さん演じるナズナの存在感
――ヒロインのナズナについての印象や、佐藤さん自身の吸血鬼への印象は?
佐藤:美人で可愛いし、おっさん臭くて人間臭い。ナズナはナズナで色々考えているのが面白くてすごく魅力的です。ナズナを知る前はそれこそ、大蒜や十字架が苦手で悪そのものみたいな、もっと吸血鬼は怖いものだという印象を持っていました。ですが、人間に対して害をなすものという、そのイメージは覆りましたね。
作品の中で「飯食う度に家族が増えたら嫌じゃね?」というセリフがあるのですが、これを聞いてそりゃそうだろうなと思ったんです。そうやって今までの吸血鬼のイメージを壊してくれる存在がナズナなので、人間よりも人間らしい面白さがありますよね。
――もしコウと同じような立場だったらナズナと仲良くなれそうですか?
佐藤:どうでしょうね。僕は人付き合いがあまり得意ではないので、上手くいかないかもしれません。でもナズナから来てくれるかもとは思っています。そうしたら自分から添い寝屋に行っちゃうかもしれないです(笑)。
――雨宮さん演じるナズナのお声を聴いた時の印象は?
佐藤:聞いた瞬間に「ぴったりだ! ナズナがいる!」と思いました。収録では雨宮さんと仲良くなることでナズナとの仲も深めようと思ったので、現場での休憩時間で何気ない雑談を欠かさずしています。その雑談の内容は思春期中学生みたいなものばかりで、大したことのない会話ばかりしていますね(笑)。
――雨宮さんとガッツリ共演するのは初めてだと思うのですが、印象はいかがでしたか? また収録で掛け合う中で刺激を受けたポイントは?
佐藤:明朗快活で気さくな方だと思いました。おしゃべりも大好きみたいで、優しくていい方だと感じています。
ナズナの吸血音は雨宮さんが演じられているのですが、その音はどこから出しているんだ? 凄いなと思いましたね。ナズナが結構仕掛けてくるので、コウはこうしてみようかみたいに、雨宮さんの演技を受けて自分もプランを変えてみようかと考えたことも多かったです。
第1話に自販機でジュースを買おうとしたコウが、ナズナに「へぇ~」みたいな感じで話しかけられるシーンがあるのですが、本当に怖くて。「やばい、大人に見つかった!?」みたいな、ちょっとびっくりさせるようなトーンは雨宮さんだからこそだと思います。
――吸血時の音を雨宮さんがやっているとのことですが、この作品はエッチな雰囲気になりすぎないみたいな部分があると思います。そういうシーンはどのように演じられているのでしょう?
佐藤:精を抜かれる、意識を抜かれるみたいなところを念頭に置きました。あんまりエッチにはならないようにするけれど、見る人によってはエッチに感じさせるようにみたいなところを狙っています。
――コウとナズナの掛け合いの部分で、ナズナの方がおっさん臭くてコウの方が彼女の発言に照れてみたいなシーンがあると思います。そういう部分はどういうところを意識して演じていますか?
佐藤:コウくん自身は思春期男子なので、女の子っぽくなりすぎず、あくまで親戚のおっさんに弄られている子供の範囲で終わらせるようにしています。逆にナズナを無自覚に照れさせるような発言をする時は、まったく意識せずにポロっと口にでた感じ、とにかく無意識で言おうと決めています。
コウの年齢感が一番難しいと感じている部分で、ちょっと高くすると幼くなりすぎるし、低くすると高校生になってしまう。どの辺のラインを狙って当てるのが一番いいかは毎回苦労しています。
――この作品のメインはコウとナズナだと思いますが、今後を見据えてふたり以外の注目キャラクターなども伺ってみたいです。
佐藤:コウの幼馴染のアキラです。コウと吸血鬼であるナズナの関係を知っている部分もありますが、アキラ自身のコウに対する想いや吸血鬼に対する考え方がより視聴者のみなさんに一番近いので注目してください。
花守さんとの収録はすごい落ち着いたテンポで、とてもはじめてだとは思えないくらいのコンビ感が出せたと思っています。本当に感謝しかないです。現場でも作品についてどうだった? 寝られた? みたいな話をしましたね。