舞台『佐々木と宮野』菊池修司さん、竹中凌平さんらメインキャスト公開稽古&取材会をレポート! 無音の間で表現する甘酸っぱくピュアな恋愛模様とは? 竹中さん「心のアクションを繊細に演じていきたい」
無音の空気で恋心のドキドキを伝える演出とは?
公開稽古後、俳優陣より演じている時の工夫、好きなシーンについて語っていただきました。
――アクションや歌、ダンスなどはなく、心理描写に焦点を当てた本舞台。演じる難しさや工夫している点などを教えてください。
佐々木秀鳴役・菊池修司さん(以下、菊池):舞台『佐々木と宮野』では心の声を丁寧に出しています。今までにない観点でお芝居をしているのが本作のやりがいです。言葉に嘘がないよう、観客に台詞を届けたいと思い稽古をしています。
宮野由美役・竹中凌平さん(以下、竹中):身体的なアクションはありませんが、心のアクションがたくさんあります。お客様に心理描写が伝わるよう繊細に演じていきたいです。
平野大河役・上田堪大さん(以下、上田):音や照明、衣装などスタッフの方とコミュニケーションをとりながら作りあげています。本作では春夏秋冬を意識してお届けします。
小笠原次郎役・川隅美慎さん(以下、川隅):男子高校生の日常のリアルさとエンタメの塩梅を試行錯誤しています。佐々木と宮野が触れ合う瞬間など、細かな描写をお客様により良く伝える方法を演者一同で考えていますので、ご注目いただきたいです。
半澤雅人役・北村健人さん(以下、北村):日常の中にある小さな事件が、登場人物たちにどんな影響を与えているかと考えるのが大切な作品だと思います。ダンスや歌が先行する他の舞台とは逆転の発想で取り組んでいます。
暮沢丞役・阿部快征さん(以下、阿部):台詞で作品の空気感を作るのが役者の醍醐味です。本作でも言葉に思いを込めて、心のアクションをお客様に伝えていきます。
田代権三郎役・伊崎龍次郎さん(以下、伊崎):原作の瑞々しい言葉と感情、今作っている間合いを、より集中して楽しめる舞台になると思います。舞台ならではの空気感をお楽しみいただければ嬉しいです。
――舞台の好きなシーンはどこですか?
菊池:終盤に佐々木が我慢できずに宮野へキスしてしまいそうになるシーンがあります。両思いなのに小さな動きから大きなすれ違いが起こりますが、お陰でお互いの本当の気持ちを確かめられる過程にすごくドキマギしました。演じていても言葉を発するのに時間がかかるほどです。
竹中:終盤に宮野が佐々木先輩を好きだと気がつき話に行きますが、タイミングが合わずふたりきりになれない場面があります。始めは佐々木が宮野にガンガン来ていましたが、徐々に佐々木を追いかけるようになる宮野を可愛いと思い、推しです! 自分(宮野)が可愛く思えちゃいました!(笑)
上田:宮野が風邪をひいている場面、委員会室での佐々木と宮野の雰囲気が好きです。まさに心のアクション! 台詞のない間で表現するのが本舞台のキーポイントだと僕は思います。佐々木と宮野を見て「恋は難しいよね」と共感しました。
川隅:宮野が「佐々木先輩がかっこよくって……」というシーンで、可愛くて鳥肌がたちました。BL漫画の良さがわからない小笠原に対して、佐々木がBL漫画も面白いと話す様子を宮野が聞いていた時です。佐々木の素直さもかっこいいと思いました。
北村:中盤の文化祭のシーンです。学校のイベントではいつもと違う姿が見られるので良いなと思います。
阿部:佐々木と宮野の恋に友人が手を貸す場面全般が推しです。公開稽古で行った平野が佐々木に携帯を渡す場面など、どれも好きです。
伊崎:公開稽古にもあったマスク越しに佐々木が指にキスするシーンと、一緒に電車で帰るシーンです。ふたりの無音の時間や空気感、言葉のない場面が良いなと思います。
――楽しみにしている皆さまへのコメントをお願いします。
菊池:この作品は「ボーイズライフ」です。すごく言葉が温かく、観てくださる方の心も温まる作品だと思います。主に佐々木と宮野の関係性をより濃く演じていけたらいいなと思いますので、ぜひ本番を楽しみにしていてください。よろしくお願いします。
竹中:公演が7月の後半で、夏にぴったりなキュンキュンする作品をお届けしたいと思います。ご来場をお待ちしております!
上田:昨日粗通しを行いました。まだまだみんなとブラッシュアップして、素敵な作品を会場の皆さまにお届けしたいです。健康管理に気を付けながら稽古を頑張っていきたいと思います。引き続き応援をよろしくお願いします。
川隅:本作では、「カップル萌え」を感じられると思います。世界のどこかで起きているような高校生活を描いた作品です。きっと同じ恋愛の悩みを抱えている人たちもいると思いますので、全ての皆さんに舞台『佐々木と宮野』をお届けできたらいいなと思います。ぜひ、劇場まで足を運んでいただけると嬉しいです。
北村:情報解禁時から、SNSでファンの反応を見させていただきました。舞台を見たことがない方も多いのかなという印象ですが、本作で初めて舞台に観る方も「舞台ってこんなに面白いんだ!」と思っていただきたいです。初日から千穐楽へ向けて口コミでも本舞台の良さが広がっていく作品にしたいと思います。こだわって稽古最終日まで頑張りますので、ぜひ見に来てください!
阿部:「恋」は難しいですよね。恋にはいろいろな形があります。本作を見たら、恋の1つの答えが分かると思います。悩んでいる方、舞台を見に来て答えを見つけてみてはいかがでしょうか。ぜひ恋を学びに来てください。
伊崎:作品のファンの方、演劇を見たことない方、演劇を愛してくれている方、皆さんに舞台『佐々木と宮野』ならではの表現や空気感を生で体験していただきたいです。
男子高校生らしいわちゃわちゃした雰囲気や佐々木と宮野の言葉のやり取り、心の機微、物理的な距離などに息を吞んだり、笑ったり、キュンキュンしていただければ舞台で公演する意味があると思います。ぜひ劇場に舞台の空気感を体験しに来てください。お待ちしております。
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佐々木と宮野の恋の行方はステージ上でどのように繰り広げられるのでしょうか。本舞台ならではの台詞のない間合いや仕草で魅せる表現に期待が高まります!
【取材・文・写真/杉村美奈】
舞台『佐々木と宮野』
2022年7月23日(土)~7月31日(日)
東京 シアター1010にて
あらすじ
BL漫画をこよなく愛する「腐男子」の宮野由美は、ちょっとだけ不良な先輩の佐々木秀鳴から気に入られてしまう。 一途な想いを寄せる佐々木と、とまどいつつも佐々木のことが気になっていく宮野のピュアな恋愛模様、そして、二人を取りまく友人たちとの日常が描かれる。
キャスト
佐々木秀鳴:菊池修司
宮野由美:竹中凌平
平野大河:上田堪大
小笠原次郎:川隅美慎
半澤雅人:北村健人
暮沢 丞:阿部快征
田代権三郎:伊崎龍次郎
スタッフ
原作:春園ショウ『佐々木と宮野』(MFCジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA刊)
脚本・演出:伊勢直弘
主催・企画:舞台「佐々木と宮野」製作委員会
制作:バンダイナムコミュージックライブ/Office ENDLESS
監修協力:TVアニメ「佐々木と宮野」製作委員会