TVアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』リコ役・富田美憂さん×レグ役・伊瀬茉莉也さん×ナナチ役・井澤詩織さんインタビュー|リコ、レグ、ナナチが単独行動する中で見せる活躍に注目!
独特の世界観で話題になり、劇場版も総集編前後編を含めて3作制作されてきた『メイドインアビス』。待望のTVアニメ第2期『メイドインアビス 烈日の黄金郷』が7月より好評放送中です!
人類最後の秘境といわれる「アビス」の偉大な探窟家・ライザを母に持つリコはある日、母から届いたアビスの深層の情報と「奈落で待つ」という手紙を目にし、アビスの深層への冒険を決意。ロボットのレグと共に、深界一層から深く進んでいくごとに、多くの人と出会い、成長していく物語となっています。
途中で出会ったナナチと3人でたどり着いた深界六層には、そこからの帰還は不可能と呼ばれ、異形化したものたちが暮らす「成れ果ての村」が形成されていました。リコたちと、過去にこの地を目指したガンジャ隊が交わった時、大きな謎と悲しい物語が明らかに。別行動をとることになったリコ、レグ、ナナチたちの運命に注目が集まります。
第2期 第4話まで放送され、これから中盤に差し掛かるところで、アニメイトタイムズでは、リコ役の富田美憂さん、レグ役の伊瀬茉莉也さん、ナナチ役の井澤詩織さんにインタビューを実施!
第2期のここまでの物語の振り返りや、今後の見どころなどを語っていただきました。
「どう映像化するのか?」という疑問が、映像を見て解消された
――第2期の制作が決まった時の感想をお聞かせください。
リコ役・富田美憂さん(以下、富田):劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』(2020年1月公開)公開時に「続編決定」とだけ発表されたので、皆さん、TVシリーズなのか、劇場版なのか、やきもきされたと思います。
実は私たちは早い段階でTVシリーズとお聞きしていて、劇場版を経て温まった状態で知ったので、嬉しかったですし、「早く収録が始まらないかな」という気持ちが大きかったです。
ナナチ役・井澤詩織さん(以下、井澤):『メイドインアビス』は皆さんだけでなく、私も続きを見たいと思う作品なので、決まった時は嬉しかったです。
ただ、私は原作の先の話が倫理観や道徳的に重たいものになることを知っていたため、「どう映像化するのかな?」という疑問も同時に湧いていました。けれど実際に映像を見てみたら、原作の魅力を余すことなく映像化されていて、さすがだなと思いました。
レグ役・伊瀬茉莉也さん(以下、伊瀬):劇場版が終わった直後は続編が製作されるのかどうかまったく分からない状況で、そもそも内容的に映像化できるのか?と不安や期待が入り混じる中、希望だけは捨てず、いつでも第二期のアフレコに取り掛かれるよう心の準備だけはしておこうと思ってました。
なので、こうしてまたレグを演じることができて本当に嬉しいですし、物語の真髄はここからだよなぁ!とワクワクが止まりません!
――リコさん隊もいよいよ六層とかなり深層まで進んだので、ファンの皆さんも続きを待ち焦がれていたでしょうね。
井澤:ここまで来たら、見届けないと気が済まないですよね。
「どう演じようか」という悩みが「演じたい!」という想いに変わる、役者冥利に尽きる作品
――第2期の台本を読んでの感想や、ここまで演じてみての印象をお聞かせください。
富田:私はこの作品の収録に臨む時は、新鮮な感情や驚きをとっておきたいので、収録話数までのみ読むようにしています。なので毎回、収録が楽しみで、第2期も心にぐっとくる場面が多いので、台本を読んだ時、「どう演じようかな?」と悩むこともたくさんありました。
井澤:私は原作が掲載されている「WEBコミックガンマ」で最新話が更新されるたびに読んでいて、コミックスになってからもしばらくはファン目線で読んでいました。
アニメ化が決まったところで、演じる目線で読み直し、アフレコが始まったらまた読み直して。演じる時はいつも自信がなくて、「本当に演じられるのだろうか?」とか、「つくし(あきひと)先生が詰め込んだ感情をすべて出せるのかな?」と不安になることもあります。
それでも「(感情を)出したい!」と思うので、役者をやっていてよかったなと毎回思います。自分が関わらせていただいた作品はどれも大切ですが、熱量がありすぎてもかえって邪魔になることもあるので、これほどの熱量を使って演じられる作品は貴重なんです。
『メイドインアビス』は熱量を受け止めてくれるし、(熱を)出してもいい現場なので、不安もある一方、楽しくもあり、自分も成長できる、役者冥利に尽きる作品だなと現場で思いました。
伊瀬:まず原作を読んだ時に、黄金郷に住む魅力的なキャラクターがたくさん増え、一度読んだだけでは全てを把握し切れない内容の奥深さに、気になるシーンや言葉がたくさんありました。
ファプタというアビスの呪いも祝福も愛情も憎悪も憧れもすべて抱え込んで生まれてきた<成れ果ての姫>とレグの関係は、レグの過去、失った記憶に深く関わってきますし、ファプタと対峙してる時のレグは言葉の一つ一つを慎重に選んで言ってたように思います。
――ご自身の演じるキャラクターがTVアニメスタート当初から、ここまでの間に変化や成長を感じた点を挙げるとすれば?
富田:リコは第1期と劇場版の中で、ボンドルドと出会い、戦い、プルシュカも仲間に加わってと、ひと皮むけたなと思います。とはいえ、第1期のただ猪突猛進なリコらしさは第2期にも残っているので、破天荒なリコを見て安心する部分もありました。
第2期ではリコ、レグ、ナナチの3人が各々で単独行動をしなくてはいけない話数も出てくるので、私も収録の時、しーたむ(井澤)さんと伊瀬さんが隣りにいなくて、一人立ちしたような気持ちでした(笑)。
「その不安が(声に)乗ったらリコじゃない」と思い、毎回葛藤しながら収録していて「リコもいろいろ経験して頼もしくなったんだな」と思うようになりました。今まではレグとナナチに守られていましたが、第2期では「守られてばかりのリコじゃないぞ」というところを見せてくれている気がします。
井澤:ナナチは劇場版で、念願だった「ボンドルドを倒す」という1つの目的を果たしたので、セリフでも言っていたように、リコたちと一緒に楽しみたいという心境になりました。少し荷が下りて、自分の目的というよりは、リコとレグを支えるポジションになったのを感じます。少し明るくなったと思いますし(笑)。
伊瀬:ファプタと出会ったことによって、少し男らしさ?が増したような気がします(笑)。もしくは以前のレグらしさが戻ってきたのか…。
レグは目の前に困っている人や助けを必要とする人がいたら自分にできることなら何でもする!という、心優しい男の子で、やはりファプタに対しても何とかしてあげたいと思ってしまうんですよね。そこの優しさは変わらず、プラスアルファで『よく言った!』『レグやるじゃん!』と思うシーンがありました。