新曲「あはっててっぺんっ」も披露！　3年振りの全国ツアーMay'n Concert Tour 2022「Laugh&Peace」“大”ファイナルで見せた笑顔あり、涙ありのステージ「ライブという場所、ファンのみんなの存在が、私の一番の原動力」

「形が変わったとしても、私は大好きなこの場所で、みんなをずっとずっと待っています」

にぎやかなステージをガラリと趣を変えた中盤戦。再びダンサーを招き入れ、ミステリスなR&Bナンバー「Real Lies」で色っぽい声＆ダンス（初披露！）を見せる。暗めの照明がサビで一気にオレンジ色の光に変わったのは「オレンジ」。さらに「ダイアモンドクレバス」、「Follow Your Fantasy」では歌姫の神々しいほどの気高さ、そして生身の人間ならではのエモーショナルな熱さを感じさせてみせる。彼女の表現力が特に生きたブロックだったのではないだろうか。

そして「ここからテンポをあげていきたいと思います！　中途半端な覚悟じゃついてこられないですよ！　いいですか東京！」と叫び、「Belief」「graphite/diamond」とアグレッシブなナンバーを繰り出していく。マイクを高く上げる姿は、なんともかっこよく、May’nらしい。

さらに、「インフィニティ」、May'n名義で初のリリースとなった「キミシニタモウコトナカレ」へとなだれ込む。個人的な白眉は次に披露した新曲「蒼の鼓動」。「どんなときもがむしゃらに、がむしゃらに頑張り続けている一人ひとりのあなたのために歌わせてください！」とはじまった、草野華余子が手掛けたテレビ愛知の野球中継「10チャンベースボール」テーマソングだ。

彼女が現在ハマっている野球をテーマにした曲ではあるが、＜弱さと向き合う日々を重ねて強くなれたから逆境だって乗りこなして＞という言葉など、今を生きる私たちへのメッセージがたくさん詰まった応援歌でもある。そして、May'n自身の道のりも感じさせるような言葉も。

ツアーで重ねた想いを束ねるような迸る想いに射抜かれ、腕を振るファンもいれば、立ち尽くして涙をこぼすファンの姿も見受けられる。私自身も彼女の魂のこもった、熱い歌に心を揺さぶられっぱなしであった。May'nも歌いながら涙を流し、歌い終えたあと「泣きながら歌うような曲ではないんですけど」と感極まった様子で話しはじめた。

「この曲は新曲で。久しぶりの全国ツアーで、初めて聴いてくれるひとにも“一緒に頑張っていこうね”“うちら頑張ってるよね”って言い合いたいなって。最近ひとりでいなきゃいけない世の中じゃん。でもさ、誰かに頑張ってるよって言ってもらいたいし、頑張ってるって思いたいじゃん。私はこの曲で、うちら頑張ったよね！ってすっごく言いたくて！　だからなんか、ああ、全国ツアーさせてもらったな、1公演、1公演歌ってきたなって……ツアーができた喜びを、蒼の鼓動でも感じました」

さらに、ファンからの想いは「しっかり届いてる」と伝え「みんながいっぱい、いつも以上に拍手したり、どうやったらMay'nに伝わるんだろうって考えてくれたりしていること。全部ぜんぶちゃんと伝わっています。本当にありがとうございます！」と話す。観客と視線を結びながら「大切な曲が増えた」とMay’n。

「だけどね、この曲だけは、私の声だけを一人ひとりに届けたいなと思っています。今日一日、いっぱいくれたパワーでこの曲を歌わせてもらってもいいですか？　一人ひとりの、あなたに届きますように」

はじまったのは、大石昌良が手掛けた「未来ノート」。＜焦らなくていいよつまずいていいよ未来は逃げないで待ってる＞という、ブライトな言葉と＜私こんなにも強くなったよ＞というMay'nのメッセージはグッとくるものがあった。本編ラストの曲の前に再び長めのMC。

「何度も話しているけど、全国ツアーが約3年ぶりということで。デビューさせてもらってから当たり前のようにツアーをさせてもらっていたので、ツアーができなくなる日々の想像がつかなくて……いつも思っていましたが、会いに行けたこと、会いに来てくれたことが、こんなにも幸せで特別なことなんだと今回強く感じました。

今日は生中継を入れていただいていますが、正直、生中継ってドキドキするものもあるんです。普段のDVDはいろいろなテイクから選んで編集をさせてもらっているんですけど、生中継はすべてがむき出しになってしまうわけで。でもそれこそがライブだなと思いました。ありのままの私を会場だけじゃなく、いろいろな人に届けられている今に出会えていることが、すごく幸せなことだなと思います。エムオン!で見ていただいている皆様もありがとうございました。どんなに時代が変わっても、そして、形が変わったとしても、私は大好きなこの場所で、みんなをずっとずっと待っています。そんな思いを込めて」

ラストは「May'n☆Space」。ミラーボールが会場全体を照らし、ハンズクラップが沸き起こる。シンガロングあり、振り付けありの楽しい曲だが＜ココにあった、本当の居場所＞という言葉に特段力がこもる。笑いあり、涙ありのピースフルなMay'n☆Spaceをファンと共に作り上げた。

「ありがとう！　どんなときも、これからも、このMay'n☆Spaceに集まりましょう！」

参加型漫才ショー「あはっててっぺんっ」

アンコールに応え、Tシャツ姿で登場したMay'n。改めて、ライブのキービジュアルのかばをフィーチャー＆ご当地グッズ風のツアーグッズの話や、レギュラー生配信番組「アイ・マイ・ミー・マイン・May'n！」のこと（この日はライブ終了後、YouTubeで打ち上げ配信！）、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』の再演の話、スマホ向けゲーム『クァンタムマキ』で新曲「Pray」が主題歌に起用されたことなどを報告。

そして今月17日にシングル『あはっててっぺんっ』（TVアニメ「てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!」エンディング主題歌）がリリースされることを伝え、「せっかくなので披露したいのですが……参加型のコーナーとなっています！　覚えられるだけ覚えてもらえれば！」と振り付けを事細かにレクチャー（欲が出てしまったらしい・笑）。

振り付けがバッチリとなったところで「それではここから4分間の漫才ショーをご覧ください！」と「あはっててっぺんっ」を披露！

スタートのナナちゃんポーズもバッチリで、サビでは「もっともっと！　さらに！」と頭のてっぺんに上げた手をハンズクラップしたり、曲に合わせてばってんマークを出したりして笑い飛ばした。そのチャーミングな笑顔がくしゃっとなって万感のMC。

「この4月から全14公演回らせてもらいました。頑張ってきてよかったなって思います。みんなの笑顔を見させてもらっている今、“だから頑張れちゃうんだよ！”って思います。May'nチーム、May'nクルー、誰一人欠けることなく、今日を終えることができます。本当に応援ありがとうございました！」

長いようで短かった、充実のツアーを振り返る。

「今回のツアーでは今まで以上に“つないでいく”ことをテーマにライブを続けてきました。そんな思いを込めて、各公演の地名をSEに入れていったんです。あれって初日の千葉のときは、千葉、としか言ってなかったんです。今日は入り切らないくらいの地名が並んでいて。長い旅を続けられたんだなって胸がいっぱいです。13公演分のもらった愛情、パワーのおかげでここにつながってきました。全国の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当に、ありがとうございました！　各地で一歩一歩、大事に、歩いて、つなげてきた歌があります。最後にその曲をお届けさせてください」

14公演目、大ファイナル。「ViViD」で＜見落とさないように歩いてゆく＞と宣言して開幕したライブは、爽やかな「Walk with moments」で締めくくられた。ずっと変わらない大事な場所で、リズムを刻み、腕を振って、ハンズクラップが響く中、＜足音強く強く響かせて進め＞と高らかに歌唱。曲を通じて、これからも共に歩いて行こうと約束したのだった。

ライブ終了後も溢れる思いが止まらない。あれだけのライブをやり遂げたにも関わらず「わ～なんかさびしいなぁ！　すごくさびしい！」と名残惜しそうなMay'n。

「さびしいなという思いもあるけど、こうやって“ありがとうございました！”って言えて、幸せな気持ちでいっぱいです。

ライ部という場所、部員のみんな、ファンの皆さんの存在が、私の一番の原動力なんです。これからも皆さんとライ部をもっともっと、育てていきたいなと思います！　また必ずライ部でお会いしましょう！」

そして最後に「めっちゃみんなの顔見えとったけど、目を合わさせて！　目が合ってないと思ったら立ってて！」と一人ひとりに手を振りながら（本気で）全員と目を合わせ、心を通わせる一幕も。

ストイックに、アグレッシブに、そして少し肩の力を抜いて。笑顔でメインストリートを突き進んでいく18年目。

アニメイトタイムズでは、『あはっててっぺんっ』のインタビューをボリュームたっぷりでお届け予定。お楽しみに！

逆井マリ