音楽
May’n ニューシングル「あはっててっぺんっ」ロングインタビュー

“てっぺん”知らずの勢いで突き進む、18年目の新たな道。3年振りの全国ツアーにトリプルタイアップシングル、ミュージカル、さらには推し活!?「変わらない思いもあれば、変わっていく思いもある。ありのままの自分を届けていきたい」May’nさんインタビュー

今年6月にアーティストデビュー18年目に突入したMay’n。キャリアと才能に甘んじることなく、チャレンジし続けるその向上心はまさに“てっぺん”知らず。<予測不能な毎日だってあたしたちはもう止まれないんだよ>と歌った本作で、さらなる進化を見せつけた。

2022年8月17日(水)にリリースされるトリプルタイアップシングル「あはっててっぺんっ」。タイトル曲は高校生お笑い選手権「てっぺんグランプリ」の頂点を目指す女子高生たちの青春ガールズストーリーを描くオリジナルTVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』のエンディングテーマ。作詞はMay'nと大石昌良が共作し、作曲・編曲は大石昌良とやしきんが担当。大石昌良とは2021年にリリースした「未来ノート」以来の共作となる。ユーモアに溢れた、May’n史上最強のポップソングだ。

さらに配信リリースしたばかりであるテレビ愛知の野球中継『10チャンベースボール』のテーマソング「蒼の鼓動」と、設立10周年を迎えたサイゲームスがこれまで製作に携わったゲームやアニメのキャラクターたちが共演するコーポレートアニメーションムービーのテーマソング「Follow Your Fantasy」がパッケージされている。

全国ツアー『May'n Concert Tour 2022「Laugh&Peace」』追加公演を控えている中(取材は7月某日に実施)、シングルについてはもちろん、近況についても教えてもらった。作品をきっかけに「推し活」もスタートしたそうで……?

「毎日が楽しい」と自然体の表情で話してくれたMay’n。変わっていく思いも変わらない思いも抱き締めて “メインストリート”を全力で、そして笑顔で突き進んでいく。人生って面白い!

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声が出せない分の熱気やパワーは確実に増している

──今は全国ツアー『Laugh&Peace』の追加公演を控えている段階ですが、久しぶりの全国ツアーの手応えはいかがですか?

May'n:一つ前のツアーがコロナ禍で中止になってしまったので、本格的な全国ツアーは3年ぶりで。毎週末ツアーをしたり、二日連続でライブをできることがすごく久しぶりで、ライブをつないでいけるのが改めて幸せなことだなと実感しています。一つ一つのライブを全力でやるというのは長年の自分のモットーなんですけど、やっぱりツアーって「昨日のライブはこうだったから今日はこうしてみようかな」っていう気持ちの変化があるので。そのつながりを大切にしながら、ライブをしていきたいなという思いがあります。

──今回のツアーの中に新しい発見はありましたか?

May'n:コロナ禍での有観客のライブは何回か開催させていただいているんですが、制限がある中でもみんな楽しんでくれている感覚があって。「今できることを楽しもうよ」ってみんなも思ってくれているんだなと改めて実感しています。今思えば……みんなの声が聞けないのも初めてですし、「この曲でみんなが歌わないのは聴いたことがないな」と思うこともあるんですけど、物足りなさ、寂しさはまったく感じなくて。声が出せない分の熱気やパワーは確実に増しているなと思いましたし、みんなが楽しみつつも「これをしたらMay'nが喜んでくれるかな」ってきっとたくさん考えてくれているんだろうなって。部員(ファンの呼称)のみんなの愛情をすごく感じています。私もそういった思いでライブをしたいなと、1公演毎に思っています。

よく「日常に戻る」、という言い方をしますけど、確実に戻らないような気がしています。だって、進化でしかないと思うんです。声が出せるようになった時には、あの頃のライブに戻るのではなく、また違う景色が見られるんだろうなって。今はそのワクワクのほうが強いですね。

笑顔と信じる気持ちを大切に

──ニューシングルはトリプルタイアップ。曲調はそれぞれカラーが異なりますが、どの曲も、夢に向かって一歩踏み出すようなエネルギーをもらえるものになっていて。May'nさんの中でシングル全体のコンセプトって決められていたんですか?

May'n:今回はシングル全体のコンセプトを先に考えるというより、お話をいただいたことで楽曲を作っていったんです。でも気づけば全部「まだまだ上に行こう」「まだまだ掴みに行こう」って楽曲になったなと。「あはっててっぺんっ」はそういう思いを掲げながら作った曲ではありましたが、どれも前のめりな曲になったなぁと、あとから気付かされました。いろいろな楽曲のテイストで、同じメッセージを届けられるのは、すごく嬉しいことです。

──「あはっててっぺんっ」は、TVアニメ『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』エンディング主題歌。お笑いをテーマにしたオリジナルアニメ作品ですが、お話をいただいたときはどのような印象がありましたか?

May'n:『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』はお笑いの頂点《てっぺん》を目指す物語なので、お笑い芸人の方は「きっとこういうことを感じているんじゃないかな」って想像を込めながら作りたいなと思っていました。何よりも大切にしたかったのが、自分のことを信じる気持ち、周りの大切な人──例えば、相方、ファンの人を信じる気持ち、自分たちが作ったネタを信じる気持ち。

自分自身、お笑いが好きなんです。お笑い芸人の方が賞レースに懸ける思いを拝見していると、歌手として自分自身が持っている気持ちとリンクする部分もたくさんあるなと思っていて。信じ続けられるからこそ、前に進んでいけると思うんです。だからこそたどり着けたステージが、私にも、きっとお笑い芸人の方たちにもあって。なので、お話をいただいたときは「これまでにない曲を作れそうだな」と思いつつも、自分らしい曲になったらいいなぁって思っていました。

──昨年リリースされた「未来ノート」を手掛けられた大石昌良(オーイシマサヨシ)さんと、再びタッグを組まれた理由についてもおうかがいしたいです。

May'n:「未来ノート」はミディアム調のナンバーですけど、その中にポジティブなパワーを感じていて。またいつかご一緒したいなとずっと思っていたんです。そんな中で『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』のお話をいただいて。アニメに合うポップでわちゃわちゃした、楽しい感じのエンディングテーマにしたいなと考えていました。

大石さんが提供されている曲の中に、ポップなわちゃわちゃソングもあったので、ぜひ大石さんと作りたいなと。こういうコンセプトの曲をタイアップで歌わせてもらう機会って私の中ではなかなかないことなので、まったくご一緒したことのないクリエイターの方と楽曲を作るという案もあったんですが……大石さんは「未来ノート」でご一緒できたことでアーティストとしてのMay'nのことも理解してくださっているでしょうし、アーティストとして大事にしたいポイントを大切に作ってくださるだろうなという、安心感、期待感、信頼感がありました。それで大石さんにお願いさせていただきました。

──大石さんもきっと喜ばれたのではないでしょうか。

May'n:「ぜひ!」と言ってくださいました。お忙しいタイミングだったようなんですけど、快く引き受けてくださり本当に感謝しています。

──大石さんとの制作についても、ぜひ詳しくうかがいたいです。

May'n:とにかく楽しい曲にしたいなと思っていたのですが、でもただわちゃわちゃして、バカやって笑えるだけじゃなく……ちょっとグッとくるポイントを入れたかったというか……ただ、意図的に作ったわけではないんです。お笑い芸人の方は「ネタがウケた!」というときの最後の景色があるからこそ、きっと止められないんじゃないかなって思うんです。それはライブも同じで。自分が信じて続けてきたパフォーマンスが「届いた!」って分かった瞬間の景色を見ると「まだまだ頑張れちゃうな」「まだまだ止められないな」と、やっぱり思うんです。「その気持ちまでを描きたいよね」って大石さんも言ってくださっていたので、サビのあとのメロディーで色々なことがあったけど、でも頑張ろうね、って言い合えるようなパートを作りました。

──<六畳半のお茶の間で目を輝かせて>ってところは、なんだか幼心を思い出すというか……。

May'n:もともと私が提案した歌詞で、そこを大石さんが直してくださったんです。ちょっと話がそれてしまうんですが、私の出身地である名古屋では大阪のテレビ局の番組もやっていたんですよ。私が小学生のときは土曜日に学校があったんですけど、土曜日は『吉本新喜劇』を見るために急いで帰宅するような日々を過ごしていて。昼に放送されていたんですよね。

──へえ!

May'n:今はTVのために走って帰っていたことも忘れかけている気がするし、もはやそれを経験したことがない方もいると思うんです。見逃し配信もありますし。でも私は未だに見たいTVがあるときは走って帰っています(笑)。

あと、いちばん前で見たくて。母に「そんな前で見ないの!」って注意されていたことを思い出しました。私は芸人さんを目指していたわけではないんですが、TVの向こうの世界に憧れる中で、音楽番組や吉本新喜劇を見ていて。TVの前で夢を描きながら楽しみにしているときの懐かしい光景を入れつつ、自分自身のステージに対する思いをリンクさせながら歌詞を書いていきました。

──May'nさんから吉本新喜劇という言葉が出てきたことに驚きを隠せず(笑)。

May'n:あはははは。そういう生活でした(笑)。

──<涙も悲しみも言葉に変えて あなたと笑い飛ばしたい>という歌詞は、さきほどおっしゃってた、May'nさん自身のステージに対する思いのひとつなのかなと。すごくグッとくるものがありました。

May'n:すべての経験がひとつのパフォーマンスにつながっているなって、年々強く感じていて。きっとお笑い芸人の方もいろいろなご苦労や、悔しい思いをされている中で、それでも自分自身のネタを信じて突き進んでいると思うんです。いろいろな方のインタビューを拝見していると、「先輩の意見で新しいネタができた」という人もいれば、どんなに馬鹿にされても一切変えなかった方もいて。どちらもかっこいいことだと思うんです。自分たちのお笑い芸人の道を信じて、ステージに立ち続けてきた人にしか見えない景色ってあるよなぁと強く感じています。そんな歌ができたらいいなと思っていました。

──大石さんには「天才!」と言われたとか(笑)。

May'n:(笑)。すごく気に入っているところがあって。

楽曲って4分くらいの尺が日本では多いですが、お笑いの年末の賞レースも4分なんですよね。だから4分って音楽とリンクするなと思って。そこに気づいたときに「ここから4分宜しくお願いします!」ってステージ上でみんなに言いたいなと。それで4分のネタを考えるような気持ちでひとつ歌詞を書いて。ネタをしながら、「いろいろな過去があったな」と別の景色に飛ぶこともあるんですけど、その中で大石さんが提案してくれたのが、1番の<べっぴんさん べっぴんさん ひとつも飛ばさずべっぴんさん>ってところ。お笑い用語を入れたほうが「っぽいんじゃない?」って言われて、「ああ、確かに!」と。

今回の曲のメロディの構成は少し複雑で。音楽の構成ってA、B、C……とかってよく言いますけど、それで言い表せない構成と言いますか。1A、1B、1サビとなってるから2Aかと思いきや、メロディは2Bになっているので、歌詞も「繰り返そうと思ったけど、繰り返せない!」みたいな、ハプニング的な歌詞にしたいなと思って。それで同じネタをまたやろうとしたら……。

──<べっぴんさん べっぴんさん ひとつ飛ばしたら…えっお母さん!?>(笑)。

May'n:そうです!「待って、お母さん来とる!?」みたいな(笑)。そしたらメロディにも合うのかなって。お笑い芸人の方もお母さまが登場される方も多いですし、うちの親も地方のライブで関係者エリアじゃないところで見ていたことがあって(笑)。部員にまぎれてスタンディングでいるっていう。

──突然!?(笑)

May'n:「行くよ」とは聞いていたんですけど、「普通に客席で見たいから」と(チケットを買って)来ていて。で、歌っているときに母の姿が見えたんですけど思った以上に前にいて「ここにお母さんいるんかい!」と思ったことがあったんですよ(笑)。その光景が浮かんで、ここでも芸人さんとリンクできるんじゃないかなと。その部分の歌詞は5分くらいで書けて、「天才かも!?」と思ったんです(笑)。

──それはすごい!!

May'n:でも(全体的に)ほぼ一日くらいなんですよ。第一項の歌詞は数時間で出して、フルもすぐに書けて。ものすごく楽しみながら歌詞を書いていました。

普段からわりと早めではあるんですけど、その期間にミュージカルをやっていたので(ユリア役で出演した『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』)。

──モードの切り替えが難しいですね(笑)。

May'n:そうなんですよ(笑)。ユリアのモードだと優しい慈母のような気持ちになってしまうので、だから「今日作ろう!」と決めていました。そうしたら想像以上に早く作れましたね。

──お話を聞きながら思っていたのですが、作詞とネタづくり、そしてステージ上におけるライブと漫才の披露ってある意味近いものがあるのかもしれませんね。

May'n:そうかもしれないですね。自分が面白いと思うもの、自分が素敵だと思うものを信じつつも、受け取ってもらわないと意味がないというか。届けることを意識したものづくりというものは、リンクしているのかなと思っています。

その時、その時で“今届けたい音楽”を作って、それを何年も続けていくわけじゃないですか。ネタも何年も続ける場合があるので、もしかしたら近いものがあるのかもしれないですね。しかも、同じネタであっても、100%まったく同じなわけではなくて、ハプニングがあったり、その場にいる人たちの空気感によって変わったり。知れば知るほど、似ているところがあるんじゃないかなと思います。

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