本当の秋弘は、兄弟への深い愛を持った誰よりも心の優しい青年――夏アニメ『オリエント』「淡路島激闘編」島津秋弘役・内山昂輝さん&島津春久役・河西健吾さんインタビュー
『マギ』『すもももももも 地上最強のヨメ』などで知られる大高忍先生の最新作『オリエント』。2022年1月~3月にかけて放送されたTVアニメ第1クール「安芸旅立ち編」に続き、第2クール「淡路島激闘編」が2022年7月11日(月)よりテレビ東京ほかにて放送中です。
鬼を倒す唯一の武器である「鬼鉄刀」を手に入れ、夢への一歩を踏み出した「鐘巻武士団」。播磨にたどり着いた武蔵たちは、上杉竜臣率いる大武士団「上杉武士団」と出会い、淡路島を飲み込んだ巨大鬼神“砲戦竜八岐大蛇”の討伐に参戦することとなりました。
今回は、第2クールのキーキャラクターである島津秋弘役・内山昂輝さん&島津春久役・河西健吾さんにインタビューを実施! 作品の見どころや演じるキャラクターの魅力についてお話を伺いました!
本当の秋弘は、兄弟への深い愛を持った誰よりも心の優しい青年
――今回は島津家の兄弟を演じられたお2人の対談です。まずはインタビュー初登場となる河西さんにお聞きします。島津春久はどんなキャラクターですか?
島津春久役・河西健吾さん(以下、河西):春久は島津家の長男で、(島津)秋弘の異母兄に当たります。ここがまず秋弘との関係を複雑にしている要因です。春久は幼い頃から島津家を率いる立場の人間として育ちましたが、弟の秋弘の“刀気”が赤色であると判明すると状況が一変してしまうんです。
島津秋弘役・内山昂輝さん(以下、内山):春久に代わって、秋弘がそのポジションに就くことになってしまったんですよね。
河西:ですね。島津家の現当主が決めたことなので、従う以外の選択肢がなくて。しかもその根本的な原因が“刀気”という、本人の努力ではどうにもならない、絶対に覆らない資質なんですよね。春久の中では絶望にも似た感情が渦巻いたのでしょうが、その思いとなんとか折り合いを付けて大人になった青年という印象です。
――TVアニメ初登場時の春久は気難しい印象を受けますね。
河西:腕を組んで仁王立ちしながら、こちらに厳しい視線を向けているイメージがありますよね。立ち居振る舞いからも、頑固で堅物な性格だということがわかると思います。
――河西さん自身と似ている部分はありますか?
河西:頑固な部分は似ているかなと(笑)。ただ僕は一人っ子なので、春久のようにたくさんの兄弟に囲まれた生活は憧れますし、逆に長男ゆえの大変さは味わったことがないですね。
――内山さんは春久にどんな印象を持っていますか?
内山:河西さんのお話でもありましたが、“刀気”の色とかお家の跡継ぎ問題で、仲の良い兄弟関係を奪われてしまった不憫さが印象に残ります。一方で、幼い秋弘がすごく慕っていたことからもわかるように、兄としてとても優しく頼りになる存在だったんだなと。それだけに秋弘と春久との間にできた確執が残念ですね。
――河西さんは秋弘にどんな印象を持っていますか?
河西:初登場時の秋弘はすごく上から目線の人物だったので「とっつきにくいキャラだなぁ。こいつが島津家のリーダーで大丈夫だろうか?」と思っていました(笑)。でも第22話までを視聴した今では、“兄から大切なものを奪ってしまった”という負い目と、何よりも大切な兄弟を守るために自分の感情は無視するという覚悟の、裏返しだと思っています。本当の秋弘は、兄弟への深い愛を持った誰よりも心の優しい青年なんですよね。
――そんな2人の確執を壊すキッカケを与えた武蔵の印象も教えてください。
河西:武蔵と出会った当初の春久は、「なんだこいつ、ヘラヘラしやがって」と厳しい感情を持っていたように思います。でも結果的にはそんな武蔵に、秋弘との長年のわだかまりを解消してもらえるのだから、不思議なものだなと感じました。たぶん武蔵がいなければ、春久と秋弘は歩み寄ることも難しかったと思うので。