「TROYCAっぽくないね」は褒め言葉! 『天地無用!』ファンに刺さってほしい一作!? 秋アニメ『忍の一時』TROYCA 代表取締役社長・長野敏之氏インタビュー
『天地無用!』ファンに刺さってほしい一作!?
――企画を検討しているとき、長野さんの中に、何か作品の完成形のイメージはお持ちだったのでしょうか?
長野:映画の『二代目はクリスチャン』や、いわゆる「忠臣蔵」の物語。それとアニメでは『天地無用!』ですかね。どれもそのままの内容ではないですが、そういうシンプルな、わかりやすい内容にしたかったんです。そこまで頭を使わずに見ることができて、でも、見続けているうちに、自然とその物語に引き込まれる……そんな空気感が理想かなと。90年代や00年代ごろのテレビアニメって、そういうものだったと思うんです。仕事で疲れて帰ってきた夜に、テレビをつけたらなんとなくやっていたから観てしまって、ぼけーっと眺めているうちに、いつのまにかハマっている……みたいな。今はそうじゃなくて、「あの作品が始まるから正座待機しなきゃ!」みたいな感じじゃないですか(笑)。そういうものとはちょっと違うスピード感のある作品になったと感じています。
――ところで、完成した作品は「サラリーマン忍者もの」ではないですよね。主人公の一時は高校生の男の子で、同世代のヒロインたちも登場する。ここに至る企画の変遷はどのような流れで?
長野:そこは高野さんや渡部監督の力で、作品をよりよくしてくださった部分です。もともと僕の書いた原案の段階では、「いつも満員電車に揺られている大変な立場のサラリーマンが、実は社会の裏側で暗躍してたら面白いんじゃないの?」という着眼点から、完成したものよりももう少しシリアスに物語が展開する予定でした。でも、現代の高校生を主人公にして、その成長を描く物語にすることで、今のアニメを観るようなお客さんへの間口を広げてくれたんですね。判断として正解だったと思います。
――そうして企画が展開したあと、学園もの、美少女ものとしての要素で、長野さんが力を入れたポイントはありますか?
長野:水着回を入れてもらうことです(笑)。
――別作品の取材でしばしば、「提案したけど入らなかった」とお話しされていたものが、ついに。
長野:あとは紅雪のビジュアルも、僕のこだわりが入っているところですね。最近ツリ目の子がメインヒロインになることがあまりない気がしていたんです。大体、大勢のヒロインがいる中の二番手か三番手になる。でも自分としてはツリ目ってやっぱりいいなと思っていたので、その好みは反映してもらいました。あとはコロナ禍があって当たり前になっちゃったんですが、マスクですね。今のような状況になる前、企画の初期のころからずっと「紅雪はマスクをずっと着けている」と主張し続けていたんです。
――てっきりコロナ禍以降にデザインを調整されたものかと思っていました。
長野:違うんです。だから、ちょっと悔しいんです。マスク、それも黒いマスクをしているヒロインは新しいと思っていたんですけど、コロナ禍の今ではすっかり黒いマスクも見慣れたものに。
――そのアイデアはもともとどこから着想したものだったんですか?
長野:当時、ネットの生配信を見るのにハマっていたんですけど、そこで顔を出したくない方がマスクをされていることが多かったんですよ。するとだんだん、マスクで顔のパーツの隠された姿が、素顔よりもなんだか魅力的に見えてきたんです。これはスゴい! と思って、アニメのキャラクターデザインに取り入れてみたくなったんですよね。
――企画の大枠から個々のデザインに至るまで、長野さんのプロデューサーとしての目がしっかりと届いておられるのが、あらためて感じられました。序盤に海外ユーザーへの意識をうかがいましたが、国内での視聴者として想定されているのは、どのような方ですか?
長野:さきほど『天地無用!』のタイトルを挙げたりもしましたが、まさにあの作品をリアルタイムで楽しんでいたような人たち……30代、40代の男性で、かつてのOVAブームの頃にアニメを見漁っていた人たちには、ぜひ見てもらいたいです。僕自身も『天地無用!』のOVAからアニメにハマった人間で、そういう人間が面白いと思う要素をとにかく詰め込んだ作品にしました。それがどれだけの人に刺さるのか。
――同世代のアニメファンへのメッセージというお気持ちが強いのでしょうか?
長野:もちろん、若い人たちにも楽しめるように作ったつもりではあるので、そこにも刺さって欲しいです。あと、世代的なものだけではなくて、個人の趣味が反映された部分も勿論あります。例えば「任侠」的な要素とか、どうにもならない大きな力を前にしたときの哀しさだとか。……いろいろとお話ししましたが、オリジナル作品って、やっぱり最後まで見ていただけないとどうしようもないと思っているんです。1話から最終話まで通しで見て貰えれば、伝えたかったものがちゃんと届く作品になったので、少しでも引っかかるものがあったら、ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。
TVアニメ『忍の一時』作品情報
2022年10月より放送開始!
放送
TOKYO MX:10月4日より毎週火曜23時~
BS朝日:10月7日より毎週金曜23時30分~
CBCテレビ:10月22日より毎週土曜27:12~
AT-X:10月4日より毎週火曜20時~
リピート放送:毎週木曜8時~/毎週月曜14時~
配信
FOD:10月4日より毎週火曜23時~
※放送日時は変更となる場合がございます
キャスト
櫻羽一時:逢坂良太
加賀時貞:小西克幸
紅雪:白石晴香
黄瀬川輝麗:悠木 碧
鈴ノ音涼子:関根 瞳
伴 朱雀:坂 泰斗
高嶺火村:八代 拓
櫻羽弓香:井上喜久子
森山光蔵:田中 完
柘植礼羽:進藤尚美
伴 鳳扇:てらそままさき
高嶺焔毘:間宮康弘
椿 里美:富田美憂
美濃部鬼道:津田健次郎
上月汐音:高田憂希
五所川原隼人:前野智昭
唐獅子玄二:松風雅也
児雷坊十全:麦人
三ツ橋小南:森なな子
スタッフ
企画:DMM pictures ×TROYCA
監督:渡部周
シリーズ構成・脚本:高野水登
キャラクターデザイン・総作画監督:鈴木勇
メインアニメーター:奥田淳
プロップデザイン:江間一隆
美術監督:岩瀬栄治
美術設定:高橋麻穂
色彩設計:篠原真理子
CGディレクター:井口光隆
撮影監督:加藤友宜
編集:右山章太
音響監督:明田川仁
音楽:TOMISIRO
音楽制作:DMM music
アニメーション制作:TROYCA
製作:忍の一時製作委員会
オープニングテーマ:ハンブレッダーズ「光」
エンディングテーマ:黒子首「おぼえたて」
イントロダクション
忍者は、存在しない。…と、我々は思っている。
仮に忍者が存在したところで、忍者はその姿を我々に晒すことはない。
だからこそ、忍者は『表向きには』存在しないのだ。
主人公、櫻羽一時は、我々と同じく忍者は存在しないと思っている、普通の男子。
彼には普通の、幸せで輝かしい日々が約束されている…はずだった。ある日、一時は命を狙われ、それが甲賀忍者の仕業であると聞かされる。
なぜ一時は命を狙われたのか? それは…彼が由緒正しき、伊賀忍者第19代正当後継者だったからなのだ!
伊賀と甲賀は長年対立しており、甲賀は伊賀を侵略しようとしている。
一時が生きるためには…自らも忍者になるしかない!こうして、誰も知らない忍者の世界に身を投じる一時。一人前の忍者となるべく学び、戦い、苦難に立ち向かう。
だがそれは、一時が辿る過酷な運命の、ほんの序章でしかなかった…。
『アルドノア・ゼロ』『アイドリッシュセブン』のTROYCAが放つ、先の読めないオリジナルニンジャアクション、2022年放送開始!
関連サイト
TVアニメ『忍の一時』公式サイト
公式Twitter
推奨ハッシュタグ:#忍の一時