「友達になりたい」から“憧れ”に変化してほしい。アニメ『ポケットモンスター』サトシ役・松本梨香さん インタビュー│声優・ファン問わず『アニポケ』は皆が帰ってこれる場所――
普段からサトシでありたい
――普段からサトシであることは意識されているんですか?
松本:この前、病院に行ったら子連れの親子が来て「松本梨香さんですか?」と声を掛けて下さったんですよ。マスクと帽子を着けていたのに「なんでわかったんですか?」と訊いたら、どうやら声でわかったようです。
――プライベートでもファンの方とお話されるんですね。
松本:話しかけてもらうことはギフトをもらっているように感じるんです。
「ゲットだぜ!」とか言って喜んでくれるならやりたいと思っちゃうんですよね。
全身全霊の叫びに、ダンデ役・小野大輔さんがびっくり!?
――改めて決勝進出が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
松本:今回サトシが挑戦しているポケモンワールドチャンピオンシップスは、ライバルのサイトウとのバトルで負けて調子が出ない時も有りましたが、ゴウがサトシらしいバトルを気づかせてくれたり、パートナーポケモン達の頑張りもあって、ようやくダンデとのファイナルバトルまで勝ち進むことが出来ました。これからファイナルを迎えますが、やっぱりバトルをするなら勝ちたい!試合中は私も全身全霊で叫んでいるので、叫んだ分はやっぱり勝ちたいです。
――ダンデ役の小野大輔さんも松本さんがすごく叫んでいたとお話されていました。
松本:ダンデの横で録ったんですけど、私がわざを叫んだら、「びっくりした」と言ってました(笑)。しかもテストから叫んでいたので、それでより驚いたんだと思います。
――決勝の掛け合いはいかがでしたか?
松本:楽しかった! 私に負けじと声を出していて、お互い全力でぶつかり合いました(笑)。
――(笑)
松本:タイトルコールを合わせる時も、声を出しすぎて裏声になってました(笑)。
――決勝戦は4週にわたってバトルが繰り広げられますよね。
松本:声が大変なことになりました(笑)。でもそれがやりがいに感じられました。
――やりがいですか?
松本:コロナ禍で大きい声を出しちゃいけない中、思いっきり声を出せる事が嬉しくて。セリフを叫ぶと自然と元気になるんですよ。これを子どもたちが真似してくれていると思うとより嬉しくなっちゃいます(笑)。
――シリーズを通してコロナの影響は大きかったのでは?
松本:そうですね、コロナ対策で別録りだった頃もありましたが、不思議なことに、まだほかの役者さんの声が入っていないはずなのに脳裏に聞こえて来るんです。
――え!?
松本:もう皆がどうやって演じるのかわかるんですよ。だから全然やりづらいとは思わなくて。不思議ですよね?(笑)
――すごい領域ですね……!
松本:オンエアを見ても「やっぱりね」って思いました(笑)。
ダンデに感じた隙のある魅力!
――決勝の相手であるダンデの印象をお聞かせください。
松本:セリフのひとつひとつがかっこいいですよね。サトシが勝った時にありきたりの言葉ではなく“もっと見たかった”ということを言ってくれました。ちょっと捻っていて良いなと思いました。あとマントをバサッとするところはヒーローっぽくて好きです(笑)。
――言われてみればどこかヒーローっぽい風貌ですね。
松本:マントと半ズボン…そういうところはお茶目で可愛いなと思います。
――お茶目ですか(笑)。
松本:あんなに強いのに、どこか隙があるというか。その愛らしさが魅力に繋がっているのかなって思いました。私も見習いたいです(笑)。
――ダンデのエースはリザードンですが、リザードンとは何かと縁がありますよね。
松本:そうですね。うちにリザードンのぬいぐるみがあるんですけど、フォルムが好きで気に入っています。
――お気に入りなんですね!
松本:王道で、子どもたちが好きになるフォルムじゃない?
――たしかに、ゲーム『ポケットモンスター 赤・緑』でリザードン(ヒトカゲ)を選んでいる人が多かった気がします。
松本:『ポケモン GO』で隣にいたらめっちゃかっこいいですよね。私が連れているのはカラカラなんですけど。
――「ポケモン総選挙720」(※)ではカラカラに投票されていましたもんね。
松本:そうなんです!そういえば友達の子どもがうちに遊びに来た時、ぬいぐるみがいっぱいあるから「ここは小さい子がいるの?」と言われたんですけど、「いないよ〜」って答えたことを思い出しました(笑)。
※2016年に行われた総選挙企画。ファンが総勢720匹のポケモンの中から推しの一匹に投票。1位にはゲッコウガが輝いた。