映画
『劇場版 SAOP』第2章 キリト役・松岡禎丞インタビュー

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』キリト役・松岡禎丞さんインタビュー|《SAO》は声優としての自分の軸になっている作品

 

キリトたちの世界と現実との差がなくなってきている

――今年はアニメシリーズ10周年、かつ劇中のゲーム「ソードアート・オンライン」のサービス開始年だったかと思います。そんな運命的な年に本作が展開できることについてはいかがでしょうか?

松岡:小説原作の深夜アニメが100話近い規模で制作されて、映画やOVAも展開されていきました。ここまでやらせていただけるなんて、10年前の僕から考えると、思ってもみなかった未来です。

作中のゲーム「ソードアート・オンライン」サービス開始の2022年まで続けられたら良いねとみんなと冗談めかして話すことはありましたが、いざその年になってみると川原礫先生が描いた事に時代が追いついてきた驚きがあります。

ARやVRの技術も進歩が見られましたし、キリトたちの世界と僕たちのいる現実との差がなくなってきていますよね。そんな10年間、様々な展開の果てにここまで辿り着くことができました。これまで応援してくださったファンのみなさんのおかげだと思います。これからもよろしくお願いします。


 

――それだけ長い間キリトを演じてきて感じる、ご自身の変化や印象的なエピソードはありますか?

松岡:TVシリーズ第1期の頃、エギル役の安元洋貴さんから収録前に言われた「お前が座長なんだから、みんなを引っ張っていくんだぞ」という言葉を今でも覚えています。

当時の自分は「はい!がんばります!」とはいっても、みんなを鼓舞したり焚きつけることが言えなかったんです。

だから、作品の大黒柱である自分がしっかりお芝居に打ち込むことで、他のキャストのみなさんに何でもやって大丈夫だと伝えたいです。そういう意気込みで最初の7年間は仕事を続けていました。

そのおかげか、最近は狙わなくても自分のやりたい芝居が自然に出せるようになった感覚があります。


 
あとは『ソードアート・オンライン』に関連したところだと、一度「A-1 Pictures」さんにお邪魔したことがあります。TVシリーズの第1話をみんなで見ようみたいな回で、深夜に色々なスタッフさん方と一緒だったんです。
 
会社の中を伊藤智彦監督に案内していただいたり、スタッフさん方の仕事場を拝見させていただいたりもしました。


 
ほかにも第1期だと、アフレコ後のダビング作業にもほぼ全話参加しています。その時に朝収録したばかりの声を午後になってからすぐダビング作業に回すことや、仕上げの段階でテストテイクを本当に使うことがあるなど、色々なことを教えていただいたんです。
 
『ソードアート・オンライン』の現場で制作の裏側を知識として得られていなかったら、きっと今の自分の考え方には至っていないだろうと思います。
 
また、最近だと自分でも冷静に周りが見られるようになったと感じています。台本とにらめっこするのではなく、先輩方や後輩たちと少しは気兼ねなく話せるようになりました。自社の後輩が現場に入ってきた時に面倒を見られるようにもなったと思います。
 
僕自身、10年間同じ作品で同じキャラクターを演じるのは『ソードアート・オンライン』が初めての経験で、声優としてのキャリアの半分以上を占めています。この作品がなかったら、おそらく自分はここにいない。そう思える声優としての自分の軸になっている作品です。
 

――今後もプログレッシブの物語が続くとすると、アインクラッドの階層を上がっていくことになります。いずれTVシリーズで描いたエピソードに追いついたとして、再び演じてみたいシーンはありますか?

松岡:前作の時にそういったシーンがありましたが、少し厳しいなと思っています。確かにTVシリーズと同じシーンを再び演じられるのはありがたいことです。けれど、その当時の自分の全力を、現在の僕は7?8割の力で出せてしまう。

僕はその当時の自分を否定したくないんです。例えばもし現在の僕がTVシリーズ第1話から《フェアリィ・ダンス》編までもう一度演じたとすると、おそらくまったくの別物になる。なので、やるとしても、前作で描かれたTVシリーズの第3話前後が限界だなと思います。


 

――最後に本作の見どころと楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

松岡:全てが見どころではありますが、アスナとキリトのやきもきするような関係性は見ていて初々しく感じるかなと。

そして階層ボス戦です。TVシリーズのスカルリーパー戦並みの壮絶な戦いになっています。βと違うというキリトのセリフがPVにありましたが、そんな相手をキリトやアスナたちがどう攻略するかにも注目していただきたいです。


 
いよいよ前作からパワーアップした『プログレッシブ』の第2章をみなさんにお届けできます。後々発売されるであろうBlu-ray&DVDや配信でも楽しんでもらえますが、やっぱりゾッとするような空気感や臨場感がより伝わるので、劇場でご覧になる意義があると思います。

前作はかなり重い話が続きましたが、今回はバランス良く楽しいシーンや怖いシーンがあります。不穏な空気を感じるところは、画面や音などからキリトたちが感じている空気が伝わってくるので、ぜひ最後までご覧になっていただけたら嬉しいです。

 

アニメ映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』作品情報

イントロダクション

第15回電撃小説大賞<大賞>を受賞した川原礫氏による小説『ソードアート・オンライン』シリーズ(『電撃文庫』刊)。次世代VRMMORPG《ソードアート・オンライン》を舞台に繰り広げられる主人公・キリトの活躍を描いた物語は、2009年4月の原作小説第1巻発売以来高い人気を誇り、2022年現在、全世界での累計発行部数は3000万部を突破。

TVアニメは2012年に第1期が放送、現在まで続く4シリーズ(全97話※1)に加えて、2017年には『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が公開。その他にもゲーム、コミカライズなど、幅広いメディアミックス展開がなされている。

『ソードアート・オンライン プログレッシブ』は、《SAO》物語のすべての始まり、アインクラッド第一層からの軌跡を深く掘り下げていく、作者自身によるリブート・シリーズ。2021年、その『プログレッシブ』を原作とした完全新作アニメーション映画シリーズが始動。

キリトからヒロインのアスナへ視点を変えて再構築し、新たな《アインクラッド》編を描いた第1弾映画「星なき夜のアリア」は、週末興行収入ランキングで初登場第1位を記録し、全都道府県で10週間にわたるロングランヒットとなった。そして、続編にあたる「冥き夕闇のスケルツォ」が、いよいよ2022年9月10日(土)に開幕する。

※1 総集編および、「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」を除く。 

ゲームオーバーが現実の死に直結するデスゲーム――。物語の原点をたどる『ソードアート・オンライン -プログレッシブ-』のアニメーション映画、待望の第2弾!

ストーリー

《これは、ゲームであっても遊びではない。》

世界初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン》がデスゲームと化し、1万人のユーザーがゲームの世界に閉じ込められてから、既にひと月以上が過ぎていた。

鋼鉄の浮遊城《アインクラッド》第一層を攻略したアスナは、キリトとコンビを組んだまま、最上階を目指し旅を続けていた。

女情報屋アルゴの協力も加わり、攻略は順調に進んでいるかのように見えたが……
攻略を先導するトッププレイヤー集団、《ALS》(アインクラッド解放隊)と《DKB》(ドラゴンナイツブリゲード)。
本来は共闘すべき2大ギルドの対立が勃発する。

その陰には、暗躍する謎の人物の姿が――。
死と隣合わせの危険な戦いのなか、《攻略》とはまた異なる《脅威》が、アスナとキリトを巻き込んでいく――!

スタッフ

原作・ストーリー原案:川原 礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:河野亜矢子
キャラクターデザイン・総作画監督:戸谷賢都
アクションディレクター・モンスターデザイン:甲斐泰之
ボスモンスター・ステージデザイン:石垣 純哉
サブキャラクターデザイン:秋月 彩・渡邊敬介
プロップデザイン:東島久志
美術監督:伊藤友沙
美術設定:平澤晃弘
色彩設計:中野尚美
撮影監督:大島由貴
CGディレクター:織田健吾
モニターグラフィックス:宮原洋平・関 香織
編集:廣瀬清志
音楽:梶浦由記
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
プロデュース:EGG FIRM・ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
製作:SAO-P Project
配給:アニプレックス

キャスト

アスナ:戸松 遥
キリト:松岡禎丞
ミト:水瀬いのり
アルゴ:井澤詩織
エギル:安元洋貴
キバオウ:関 智一
リーテン:本渡 楓
シヴァタ:永野由祐
リンド:大塚剛央
ヤマタ:高橋伸也
ウルフギャング:阿座上洋平
ローバッカ:玉井勇輝
ナイジャン:関 幸司
ジョー :逢坂良太
モルテ:小林裕介

公式サイト
10周年特設サイト
公式ツイッター(@sao_anime)

(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project
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