『機動戦士ガンダム水星の魔女』スレッタ役・市ノ瀬加那＆ミオリネ役・Lynnインタビュー｜スレッタはふとした瞬間に見せる不思議な一面を演技で出していいキャラクター

前日譚「PROLOGUE」は本編の前にぜひとも見て欲しい

――役作りはどのような形で進めましたか？　また、アフレコではどんなディレクションがありましたか？

市ノ瀬：最初は真面目で内気な子なのかと思っていたのですが、いざアフレコが始まるとちょっと抜けている一面が見えてきて、オーディションの時といい意味で印象が変わりました。演じていく内にスレッタのことがどんどん好きになって、アフレコの度に彼女のことを知っていくと本当にいい子だなって思いますね。

第1話でミオリネに対して聞き返すリアクションがあったのですが、テストで演じる時に「ご？」って言ってしまったらしいんです。自分としては無意識だったので気づいていなかったのですが、本番で「ん？」と聞き返すように改めて演じたら、テストの方が良かったと言っていただけて。結果「ご？」が使われています（笑）

　
スレッタはテンパってしまうと同じ言葉を何度も繰り返したり、人との距離感が上手に掴めない子なので、その少しちぐはぐな距離感は大切にしています。
　
ふとした瞬間に見せる不思議な一面を演技でも出していくことができて、自分としては新たな挑戦だと思っていますし、どう演じれば彼女の魅力を出していけるのか日々考えさせられています。

　
Lynn：ミオリネはキャラクター資料を見た段階ではクールな子だという印象を受けたのですが、実際演じてみると全然そんなことはありませんでした。私が思っていたよりも感情が表に出ている子だったんです。
　
だから「感情表現が豊かな子なんですか？」と小林監督に質問したら、「豊かというよりは、自分の思っている事を隠さない子なんです」と言われました。怒っている時は怒った態度ですし、人の目や誰かにどう思われるかをまったく気にしていないんです。
　
感じたこと、思った事を瞬間的に相手に返すので、言葉が非常にストレートで何もオブラートに包みません。最初は変に抑え込もうとしたりクールにしようと役作りしていたのですが、もっとぶつけるところはぶつけていいし、相手をイラっとさせるところはさせるような言い方をしていいとディレクションをいただきました。

　
そこからは自分で練習する時も、普段の私だったら選ばないような表現を選ぶようにしています。台本を読んだ時にパッと出てくるものが1個あるのですが、そうではないもう1個、もっと人間臭い反射的な言い方を考えてテストに臨んでいます。そうするとOKをいただけるので、自分の今までなかった引き出しをガンガン開けて答えを探す、その作業が毎回面白いです。

――最後にこれからご覧になる方もおられると思いますので、前日譚「PROLOGUE」についても、ご覧になった感想や注目したポイントをお願いします。

市ノ瀬：「PROLOGUE」は凄いクオリティだったので、全世界の人に見て欲しいと思います。『水星の魔女』を見て下さる方でまだ見ていないという方は、ぜひ見ていただきたいです。

私はエリクトを演じましたが、アフレコ現場ではエリクトのお父さんであるナディム・サマヤ役の土田大さん、お母さんであるエルノラ・サマヤ役の能登麻美子さんもいらっしゃって。ふたりに挟まれる形で真ん中のマイクに立たせていただきました。

　
おふたりの演技を聞いていると終盤は泣きそうになるくらいでした。けれどエリクトのセリフもあったので、必死に気持ちを切り替えて演じましたね。土田さんと能登さんのお芝居が本当にリアルだからこそ、心苦しくなります。
　
そこから本編へと繋がっていくので、「PROLOGUE」込みでご覧になっていただけると『水星の魔女』の世界がまたガラリと変わると思います。

　
Lynn：私は出演していなかったので、何も知らずまっさらな状態で見て……泣きましたね。あの短い時間の中で、感情の波が追いつかないくらいでした。ナディムさんが良い人過ぎて切なくなってしまったんです。本当に目頭が熱くなるシーンで心抉られました。

　
けれどあの事件の裏で指示を出していたのはミオリネのお父さんなので、そういう目で見ると余計に怒りが沸いてきます。

　
やっぱり「PROLOGUE」をチェックしていただいて、それから本編をご覧になっていただきたいです。1話として放送してもいいくらいのものを敢えて前日譚としているので、きっとそこにも意図があるんじゃないかと思います。色々想像しながら楽しんでください！

――ありがとうございました！

『機動戦士ガンダム水星の魔女』作品情報

ストーリー

その魔女は、ガンダムを駆る。

A.S.(アド・ステラ)122――数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。名は、スレッタ・マーキュリー。無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

放送情報

2022年10月2日より毎週日曜午後5時～MBS/TBS系全国28局ネットにて放送

スタッフ

企画・制作：サンライズ
原作：矢立肇／富野由悠季
監督：小林寛
シリーズ構成・脚本：大河内一楼
キャラクターデザイン原案：モグモ
メインキャラクターデザイン：田頭真理恵
キャラクターデザイン：戸井田珠里／高谷浩利
メカニカルデザイン：JNTHED／海老川兼武／稲田航／形部一平／寺岡賢司／柳瀬敬之
音楽：大間々昂　ほか