LiSAさんの6thフルアルバム『LANDER』発売記念インタビュー|“新しい惑星にたどり着いた感覚”と、そこから先の未来に向けた想いが込められたアルバム
「往け」はアスナの状況とアルバムの宇宙感が重なって1曲目に。「明け星」「白銀」「炎」でどっぷり梶浦ワールドに浸れる!
――既にシングル化されている曲についてもご紹介をお願いします。1曲目の「往け」は『劇場版 ソードアート・オンライン-プログレッシブ-星なき夜のアリア』主題歌ですね。
LiSA:この映画はアスナが暗闇から閃光の少女として輝くための覚悟が描かれたお話なんですが、歌詞を書きながら、アスナが暗闇で輝いていく景色が私にも見えて。その時もぼんやりと夜空や宇宙を意識して作っていた気がします。だからこそこの曲を1曲目にしました。
この曲はAyaseさんに作曲していただきましたが、ご自身も『ソードアート・オンライン』が好きで、私を初めて知ったのが「crossing field」(『ソードアート・オンライン』アインクラッド編OPテーマ)で、一番好きなのが「Catch the Moment」(『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌)だと言っていました(笑)。
『ソードアート・オンライン-プログレッシブ』はアスナが主人公のお話なので、女性らしい繊細なメロディでありつつ、悩みや葛藤を抱きながらも突き進んでいく力強さのある曲を作ってくれる人がいいなと思って。その時に浮かんだのがAyaseさんだったので、相談させていただきました。
――5曲目の「明け星」は「TVアニメ『鬼滅の刃』無限列車編」のOPテーマです。
LiSA:梶浦さんと一緒に制作させていただいた3曲目の曲で、「梶浦さん、本気で来たな」という感じがしました。「炎」の後ということで、私も気負いがなくて、梶浦さんの世界にどっぷり浸って、いち楽器として加わっていこうと思いました。
――確かにあの異国感のあるサウンドやアレンジは梶浦さんらしく、このアルバムの中でも独特の存在感があります。
LiSA:この曲の前の「シャンプーソング」でさわやかに駆け抜けていったはずなのに、「明け星」で一気にダークな世界に引き込まれていくんですよね(笑)。
――6曲目の「白銀」は同作のEDテーマです。
LiSA:次につながる、疾走感がある曲を作ってくださったという印象で、ライブでも歌わせていただきましたが、梶浦さんの曲なのに、私が元々持っていた曲のようにしっくりと来たことを覚えています。
――7曲目の「炎」は「劇場版『鬼滅の刃 』無限列車編」主題歌であり、2020年の日本レコード大賞を受賞した曲です。
LiSA:2年前の曲なんですよね。制作してから日本レコード大賞、紅白歌合戦など、いろいろな景色を見せてくれた曲です。梶浦さんが私の世界観を広げてくれて、新たな自信を与えてくれました。
「HADASHi NO STEP」で田淵先輩と一緒にお茶の間へ!? 「dawn」は緊急事態宣言下で夜明けを待つ気持ちによって誕生した曲
――「HADASHi NO STEP」はドラマ『プロミス・シンデレラ』の主題歌です。
LiSA:田淵(智也)先輩が書く恋愛ソングが好きで、これまでもたくさん恋愛ソングを書いてもらってきましたが、LiSAのポップ枠といえば田淵先輩ですし、田淵先輩と一緒にお茶の間に行きたいと思ったんですよね。
これまでアニメ楽曲をいろいろな装いでやってきたので、「一緒に地上波のドラマに行きませんか?」と、「Shall we dance?」みたいな気持ちで誘いました(笑)。
――LiSAさんの楽曲は強めのイメージがあったので、この曲のおしゃれ感ややわらかさは意外でした。
LiSA:先輩とリード曲として作ってきたのが「Rising Hope」などの強めでダークな曲だったのでそういったイメージがあるのかもしれませんが、実は先輩と作ってきたのはポップな曲のほうが多いんです。なので、普段から私の曲を聴いて下さっている方には「なるほどね」と思っていただけたのではないかなと思います。
――「dawn」はオリジナルTVアニメ『バック・アロウ』第1クールOPテーマで希望に向かっていく強さが感じられる、エモーショナルな曲ですね。
LiSA:コロナ禍で、東京に緊急事態宣言が出されている時に制作していた曲です。
実は『LEO-NiNE』に収録する予定でしたが、アニメ作品に合いそうだなと思って、シングル曲用にキープしてありました。
緊急事態宣言下で夜明けを待つ自分と、壁の向こうを想像しながら暗闇を待つ『バック・アロウ』の景色が重なっていたので、その気持ちを肯定してあげられる、未来に希望を抱けるような曲になればいいなと思って作りました。
――改めて、全曲通して聴いた感想は?
LiSA:自分ながらよくまとまったなと思います(笑)。
今回、様々な作家の方に手を貸していただいていますし、幅広いタイアップ曲も収録されていますが、LiSAという軸が一本通っているからこそ、すべてLiSAの曲として聴こえると思います。
いろいろな景色を見せてくれるので、最後まで飽きずに楽しめるアルバムになったと思います。
――ジャケットのコンセプトやどんな撮影だったのか、お聞かせください。
LiSA:宇宙船に乗っているイメージです。着ているものも宇宙をイメージした素敵だけど印象的な衣装で、特に黒いドレスは横にタイヤみたいなものが付いていて。シルバーのバージョンもエナメルで「どこで売っているんだろう?」と思うような服でした。惑星にたどり着いたからこその装いなのかなと想像しています(笑)。
――フォトブックの内容についてご紹介をお願いします。
LiSA:宇宙船とたどり着いた星をイメージしたフォトブックになっています。先ほどの衣装だったり、宇宙船の中の私や惑星に到着した私を感じていただけると思います。