冬アニメ『お兄ちゃんはおしまい!』スタッフに聞いた制作秘話・裏話・見どころ【毎週更新】
第10話「まひろとおっぱいとアイデンティティ」制作秘話・裏話 (3月10日更新)
――第10話を制作する上で、意識したところやこだわりのポイントをお聞かせください。
藤井慎吾監督:バレンタインやマッサージ、みよちゃんのエピソードなど、割といろいろな話が入っている話数ですが、個人的にはまひろが学校で女子として意識されることが多くなる感じが見所だと思います。
――スカートの防寒性やミニスカ生足でおしゃれを優先するかえでなど、男性はなかなか知り得ない情報が今回も出てきます。本作において冬場の女子の服装を描く上でのこだわりをお聞かせください。
藤井慎吾監督:メインの服飾デザインが女性でしたので、基本的にはその方と今村(亮)くんにお任せしてた感じですね。ファッション雑誌を大量に買ったりして研究してる感じで、拘りがすごい……と思ってました。
――かえでによる、まひろ・みはりへのマッサージシーン。ともすればきわどいシーンになってしまいますが、こういったシーンの演出はどのようなことに気を付けていますか?
藤井慎吾監督:中学生組はあまり生々しくなりすぎないように気をつけていますが、年長組だったり、気合の入ったアニメーターにより、多少漏れ出てしまうところはあるかもしれません……(笑)。
――本屋の成人向けコーナーへの潜入を企てる男子を目撃するまひろ。元は男であることや、本来は彼らより年上であることが感じられます。このちょっと大人の余裕を感じるまひろはどのような方向性で制作されたのでしょうか。
藤井慎吾監督:一応、まひろは元々成人男性なので、思春期の男子中学生の思いはよくわかるといった感じでしょうね。それを現在女子中学生の肉体年齢でやって、達観して会話してしまうというアンバランスさが、男子に魅力的に映るのかもしれません。
第11話「まひろと女子のたしなみ」制作秘話・裏話 (3月17日更新)
――第11話を制作する上で、意識したところやこだわりのポイントをお聞かせください。
藤井慎吾監督:軽い勘違いもある話数ですが、まひろたちの基本的な日常感を崩さないように意識しました。学校生活にも大分なじんだまひろのやり取りが見れる話だと思います。
――今回は占いブームが女子の間で到来するエピソードが入りました。まひろが占い誌をチェックするなどかなり女子に適応してきたように思えますが、あくまでTSモノということでバランスが難しいように感じます。これまでまひろを描く上で、ここだけは変えていない、ここだけは必ずやっていたことなどはありますか?
藤井慎吾監督:原作でもそうですが、みはりの前では俺という一人称を使うところや、がさつになってしまうところは一番重要なところなので、ここは変えないようにしました。あとはなんだかんだでみはりを気にかけているところでしょうか。
――かえでから色付きリップを貰い使用してみるまひろ。少しまひろが大人っぽく見られる場面でしたが、このシーンはどのような点に気を付けたのでしょうか?
藤井慎吾監督:少し化粧の楽しさを知ってしまい、新感覚を楽しんでるまひろが演出できればと思いました。リップをアピールするところは、難しいのですが嫌味な感じにはならないように気をつけた感じになります。
――本作は今回の化粧だけでなく、キャラクターの服装などが場面に応じて変わる印象がありました。大胆に姿を変えるキャラクターたちを作中で描く楽しさや大変さをお聞かせください。
藤井慎吾監督:イメージカットは基本服装なども自由であることが多く、コンテマンやアニメーターも、大変さよりも楽しさが勝るカットだと思います。どうせ変えるなら盛大に変えたほうが楽しいと思うので、基本的に思い切りよくやってもらうようにした感じです。
第12話「まひろとおしまいとこれから」制作秘話・裏話 (3月24日更新)
――第12話を制作する上で、意識したところやこだわりのポイントをお聞かせください。
藤井慎吾監督:12話というアニメの一区切りの最終回として、原作のどの話を着地点にするといいだろうか?という脚本会議をした結果、この温泉旅行の回が良いのでは、となりました。原作から時間軸を多少いじったことによる、アニメならではの追加要素も入っているので、楽しんでもらえたらいいなと思います。
――第1話以来の藤井監督コンテ回となっていました。全話通して、そして今回の最終話で監督が視聴者に見せたかったもの、こだわっていた部分を改めて教えていただけますか。
藤井慎吾監督:原作の一番の魅力であるまひろたちの日常と、TSしたことによる普段の生活での戸惑いや、ちょっとずつ変わっていくまひろの心情としぐさなどを描きたいと思っていました。幸い、優秀なアニメーター達が参加してくれたおかげで、最後まで拘れたと思います。
――今回に限らずお風呂や着替え、トイレなどのシーンは全話を通して描かれていた印象があります。そのわりにエッチな印象が少なくコミカルだったように思えるのですが、制作の意図をお聞かせください。
藤井慎吾監督:元々原作にそういうシーンが多いのですが、アニメでもエッチになり過ぎないように配慮した感じです。お漏らしシーンはこれでも多少カットして少なくした感じだったのですが、放送を見ると、このアニメ、トイレシーン多いなって感じました(笑)。
――そして男に戻ってしまうまひろ。再び薬を飲んで女の子になるかどうかを迫られるといったドキドキの展開がありました。この時のまひろの心境を描く上でのポイントは何だったのでしょうか?
藤井慎吾監督:9話のときに神社でまひろが何を願ったのか、という問いにもかけているという感じですね。皆の賑やかな声が決断を下す後押しになったという感じです。
ただ今回はこういう結論を出しましたが、まひろが実際に最終的にはどういう結論を出すのか、もう少しじっくり本人が考えてもいいと思います。
――最後に、ここまで本作をご覧になったファンのみなさんへメッセージをお願いします。
藤井慎吾監督:現場的には初監督で自分が勝手がわからない所もあったり、いろいろと反省点もありましたが、優秀な若い現場スタッフ、構成の横手(美智子)さんや原作のねことうふ先生、劇伴を担当してくださった阿知波(大輔)さん、コロナ禍で大変な時にアフレコしてくださった声優さん達、撮影監督や音響監督など、書ききれないほど多くの人に支えられ、荒削りながら、とても熱量のある作品に仕上がったと思います。
アニメは一区切りですが、今後も『おにまい』を応援してくだされば幸いです。ありがとうございました。
作品情報
2023年1月5日(木)より毎週木曜日にて放送開始!
AT-X 23:30~/TOKYO MX 24:00~/BS11 24:30~
ストーリー
引きこもりのダメニートな緒山まひろは、ある日目覚めると“女の子”になっていた!?
鏡に映る美少女が自分だと分からず混乱するまひろのもとに、飛び級で大学に入学した天才科学者である妹・緒山みはりが現れ、飲み物に怪しげな薬を盛られていたことが判明する…!
もう2年も外に出ないで
いかがわしいゲーム三昧…
たまには働いてもらわなきゃ!
みはりによる“女の子になる薬”の経過観察として、突如女の子として暮らすことになったまひろにとって、トイレやお風呂、スカートやブラジャーなど“女の子の生活”は知らないことばかり…。
さらに、みはりの中学時代の同級生である穂月かえでやその妹・もみじ達とも知り合い、まひろの日常はどんどん賑やかさを増していく。苦難の連続に、果たして“元”お兄ちゃんの運命やいかに…!?
スタッフ
原作:ねことうふ(月刊ComicREX/一迅社刊)
監督:藤井慎吾
シリーズ構成:横手美智子
キャラクターデザイン:今村亮
美術監督:小林雅代
色彩設計:土居真紀子
撮影監督:伏原あかね
編集:岡裕司
音響監督:吉田光平
音響効果:長谷川卓也
音楽:阿知波大輔様、桶狭間ありさ
プロデュース:EGG FIRM
制作:スタジオバインド
OP:「アイデン貞貞メルトダウン」
歌:えなこ feat. P丸様。
ED:「ひめごと*クライシスターズ」
歌:ONIMAI SISTERS(高野麻里佳・石原夏織・金元寿子・津田美波)
キャスト
緒山まひろ:高野麻里佳
緒山みはり:石原夏織
穂月かえで:金元寿子
穂月もみじ:津田美波
桜花あさひ:優木かな
室崎みよ:日岡なつみ
公式サイト:https://onimai.jp
公式Twitter:@onimai_anime
公式TikTok:@onimai_anime
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