冬アニメ『便利屋斎藤さん、異世界に行く』ラファンパン役 東山奈央さん×モーロック役 チョーさん第6話振り返りインタビュー|明かされたモーロックの過去が胸に響く 「人間は忘れる生き物で、だからこそ救われるんですよね」【連載第6回】
一智和智先生が、KADOKAWA「ComicWalker」等で連載中の漫画『便利屋斎藤さん、異世界に行く』がTVアニメ化! 2023年1月より放送中です。
異世界に転生した主人公・斎藤(サイトウ)は、前世で培った便利屋としてのスキルを活かし、冒険者として新生活をスタートさせる本作。サイトウは、冒険者・ラエルザ、モーロック、ラファンパンと出会い、彼らのパーティーに加わり、一緒に冒険することに。特別な力もなく、魔法も使えないサイトウですが、自分が仲間たちのためにできることへ真摯に向き合い、便利屋で磨いた技術や機転で、仲間たちのピンチを救っていきます。
第6話では激しさを増すサイトウたち冒険者とキスルギの戦いの中で、モーロックの悲しい過去が明かされました。そしてキスルギとプリマスが召喚した強力な魔神の前に苦戦する冒険者たち。モーロックが切り札の魔法を使うために、必死に時間をかせいだものの、いざという場面で……と気になるシーンで終わりました。
アニメイトタイムズでは、本作の連続キャストインタビュー企画を実施中! 第6回には、ラファンパン役の東山奈央さん&モーロック役のチョーさんが再登場です。放送されたばかりの第6話を振り返っていただきつつ、現場の雰囲気、今後の見どころなどご紹介いただきました。
激戦の中、明かされたモーロックの過去と、まさかの場面でモノ忘れが発動した第6話
――6話を振り返ってみた感想と、印象的なシーンをお聞かせください。
ラファンパン役 東山奈央さん(以下、東山):キスルギとサイトウたち冒険者とのバトル回でしたね。序盤のストーリーと比べると想像できないくらいシリアスになってきました。第6話まで来て、この作品の雰囲気をやっと分かっていただけたのではないでしょうか?
ここまでオムニバスで登場していたキャラが一堂に会して、それぞれの運命が大迷宮で交錯し、それぞれの思いで戦って。さまざまなピースが繋がっていって鳥肌が立ってしまいました。第1話からもう一度見返してみると、「このエピソードはここにつながっていたのか」と改めて気が付くことが多いかもしれません。
また、最初はギャグ担当かと思われていたモーロックが、実はとても重い過去を背負っていたことも明かされました。モノ忘れが激しい理由が、子どもを失った記憶を忘れるために魔術師に呪文をかけられていたからというのは切ないです。
モーロック役 チョーさん(以下、チョー):でも魔術師はそれが一番いいと思ったんでしょうね。ずっと引きずるよりも、忘れたほうがいいのだと。人間は忘れる生き物で、だからこそ救われるんですよね。よく分かっていますね、魔術師は。
東山:サイトウを召喚したのは自分だったのかと問われたり、動揺する中でも魔神との戦いは続いています。魔神を倒すため、モーロックの強力な魔術を発動するために、みんなが時間を稼いで、「さあここで」というタイミングで、またモノ忘れが始まってしまって(笑)。「果たしてサイトウたちはどうなるのか? そしてモーロックは呪文を思い出すのか?」というところで7話へ続きます(笑)。
キスルギたちも、愛する人を助けたい一心で自分の身を犠牲にしようとしていて、こちらまで胸が痛くなります。冒険者たちの命を奪ってきたキスルギの罪は消えませんが、救われてほしい気持ちもあります。このツライ戦いも、もうすぐ結末を迎えますので、ぜひ見逃さないでいただきたいです。
――収録現場の雰囲気や裏話等お聞かせください。
チョー:楽しいですよ。女の子二人の話が盛り上がって。
東山:いつもうるさくて、すみません。
チョー:二人の何ともいえない会話がおもしろいです。それを良平ちゃんがうまくあしらいながら、輪の中に入るか入らないかの立ち位置で、僕はただ聞いているだけです。
東山:良平さんがビシッとツッコミを入れてくださって、チョーさんがたまにクスっとしてくださって、ファイちゃんが常に会話のボールを投げ続けています。私からは小粋なトークテーマが出せない分、ファイちゃんがおもしろいテーマを投げてくれて、私が「それで? それで?」と聞いていたら、あっという間に休憩時間が終わっています。すごく楽しく、和気あいあいと過ごさせていただいています。
――木村さんとファイルーズさんのインタビュー時も、木村さんがファイルーズさんのフォローをよくしていた印象がありました。
東山:良平さんはツッコミどころ満載の女子二人のトークに、キレのいいツッコミや的確なフォロー、アドバイスをしてくださるんです。いいお兄さんみたいな雰囲気なんですよね。
――ご自身のキャラ以外でお気に入りのキャラを教えてください。
チョー:ラファですね。飛べるから。
東山:なりたいキャラですね(笑)。
チョー:飛んでどこにでも行けるし、治癒の魔法で人も救えるし。
東山:でも定期的に金貨は稼がないといけないですよ(笑)。
チョー:でも、段々小さくなって、誰にも見つからないように消えていくのもいいかなと。
東山:そんなこと言わないでください!
チョー:もちろん金貨は稼ぎますよ。稼げなくなったらということで(笑)。
――ラファンパンは童話やファンタジー的な美しさや華麗さがありますよね。
東山:そうですね。第2話のラファのエピソードも、切り絵みたいできれいでロマンチックでした。アフレコ時、すでにこのシーンの絵はできていて、うっとりしたことを覚えています。
この作品は、どのキャラも主人公なんじゃないかと思えるくらい魅力的なので、お気に入りを一人に絞るのは難しいんですが、選ぶならラーヴェラですね。
ラーヴェラは400年も生きてきたけれど、恋をしたら魔法が解けて死んでしまう、というところが童話や神話っぽくて、はかない美しさがありますよね。キスルギが彼女にキスをしたことで、恋に落ちて死が近づいてしまったわけですが、この先どうなってしまうのか、というのは見どころですね。
演じられている斎藤千和さんと久しぶりにお会いできたことも嬉しかったです。千和さんは私が新人の頃から大変お世話になった方で、現場でお会いできた時に「ハグしていい?」と言って抱きしめていただいて、涙が出そうなくらい感動しました。私のことを覚えていただけていた喜びと、ご一緒できた作品のタイトルが『便利屋斎藤さん』ということで、キャストにも真の斎藤さんが加わった!という喜びもありました(笑)。
監修の桝田(省治)さんがラーヴェラ役を千和さんにやってほしいという想いがあったそうで、その願いが叶ったのも素敵だなと思いました。