『ひろがるスカイ!プリキュア』キュアスカイ/ソラ・ハレワタール役・関根明良さん、虹ヶ丘ましろ/キュアプリズム役・加隈亜衣さんインタビュー「ソラちゃん、ましろちゃんは私たちにとってのヒーロー。一緒に成長していきたい」
ふたりが「プリキュア」になるまでの軌跡と奇跡
──1月にキャスト発表となったときのコメントにも綴られていましたが、改めて、オーディションのことをおうかがいさせてください。
加隈さんは『ヒーリングっど❤︎プリキュア』(『ヒープリ』)のラビリン役も務められていたので、これまでもオーディションに参加したことがあったと思うのですが、今回はいかがでしたか?
加隈:『ヒープリ』の前にもテープオーディションに何度か参加していて、スタジオオーディションまでいけたのが『ヒーリングっど❤︎プリキュア』でした。プリキュアのパートナーであるヒーリングアニマルを1年担当できて。
主人公のパートナーを演じ、私自身が大好きなシーンも、きっと皆さんの記憶にも残っているシーンがたくさんあると思います。
充実した時間を過ごさせていただいていたので、まさかもう一度オーディションを受けさせていただけるとは思ってなくて。
──すると、加隈さんの中では意外な驚きもあったのですね。
加隈:はい。最近の作品ですし、まだ(ラビリンの)印象が強いだろうなって。『ヒープリ』以来、はじめて受けるオーディションでした。
スタジオオーディションまで進み、そこでイラストを見たときに「ああ、この感じ……!」と当時と同じようにワクワクしました。
はじめてイラストを見るのはスタジオオーディションなんです。「今回もヤバっ! なんだこのビジュアルの強さ! 世界観の素晴らしさ!」って(笑)。
出演することができたら嬉しいなと思いつつも、プリキュアの背中を見ていた時間が長かったので、『ヒープリ』のオーディションの時とはまた違う、明確になったプリキュアへの憧れを追いかけるような気持ちがより強くなっていました。
でも、だからこそと言いますか。スタジオオーディションには、自然に培ってきた想いで臨めたので……それがなかったらもしかしたらプリキュアになれてなかったのかな?とも思っています。改めて『ヒープリ』チームに感謝の想いでいっぱいです。
──『ヒープリ』は加隈さんにとって、それこそヒーローだったわけですね。
加隈:そうですね。プリキュアたちはもちろん、チーム、キャスト、スタッフ、みんな大好きな人たちでした。当時ご一緒した方たちに「プリキュアになることになりました!」とお伝えしたときも、すごく喜んでくれて「見るね!」と言ってもらえて。
それが嬉しすぎて「もっと力をつけて頑張ろう!」というモチベーションにもなりました。でも『ヒープリ』と『ひろプリ』ではテーマや世界観も違いますし、新たな良さに気づけていけたらなと思っています。
──関根さんはいかがでした?
関根:今までも何度かテープオーディションを受けさせていただいていて。スタジオオーディションに進ませていただいたこともあったのですが、これまではオーディション前にYouTubeなどにアップされている『プリキュア』シリーズの1話を見て「私はこれからプリキュアになるんだ……!」と気合いを入れて、自分の中で気持ちを作っていました。
でも今回はソラちゃんと自然とリンクするところがあり、逆に「見ないでいこう!」と。これまで何年も習慣となっていたことをやめて、オーディションを受けさせてもらいました。
──それこそまっさらな気持ちで、自然と湧き上がるものをというか。
関根:感じたままに演じてみたいな、と。収録がはじまってからも、ソラちゃんを自分の中でしっかりと作った上で、今までのプリキュアシリーズを観たいなって。
なので収録が進み、土台が見えてきた今、改めてこれまでの『プリキュア』シリーズを観ています。そこから何かを得ようと思いつつも、ただ楽しませてもらっているんですが(笑)。
「ソラちゃんは絶対に受けたいです!」とマネージャーさんに自らお伝えしたのもはじめてで。いつもは「このキャラとこのキャラでどうですかね?」と相談をしながら、受けるキャラクターを決めていたんです。だから受かった、と聞いたときはとにかく嬉しかったです。
──おふたりとも合格はサプライズ的な形で受け取ったのでしょうか?
加隈:そうです。それぞれのキャストの合格のときの様子を映像に残し、そのときの様子をスタッフさんに映像でお渡ししているんです。私の場合は「あるコンテンツで写真を撮るから、この日はちゃんとした格好で来てね」と言われていて(笑)。
当日事務所に行ったら、マネージャーさんから「以前受けていただいたプリキュアなんですけど……」と真面目なトーンで言われて「ああ、終わった、ごめんなさい!」と思いました(苦笑)。そしたら「ましろ役、お願いします!」と。
そして、事務所にいた人たちが「おめでとう!」と声をかけてくれて、その場で思わず泣いてしまいました。皆さんの言葉がとにかく温かくて。嬉しさの涙と共に……言葉にできないほどの、温かな気持ちになりました。「自分の人生、こんなに幸せで良いのかな?」と思った瞬間でした。
──先日のトークショーで明かされていましたが『デパプリ』チームも同じように、その様子をカメラに収められていたそうですね(笑)。
加隈:私の場合はよくよく見るとマネージャーさんのそばにカメラがあり、あとから言われたのですが、部屋の左と右にもカメラがありました(笑)。
──(笑)。関根さんはどのような形だったんでしょうか?
関根:スタジオに行ったときに「関根、ちょっと良い?」と声をかけられて。私も真面目なトーンで話しかけられていたので、「何かやってしまったのかもしれない」と(苦笑)。しかも「ちょっと(カメラ)回すから」と言われて「えっ、なにを……!? 言質を取られる!?」と(笑)。
加隈:(笑)。
関根:そしたら「ソラちゃん受かりました!」って言われて。「受かりました」という言葉はすっと入ってきたんですけど、頭の中で処理ができず「へ?」「え?」しか声が出なくて。その後少し経って落ち着いてきても実感が湧きませんでした。
最初はおもちゃの収録からスタートしたのですが、そのときも夢見心地で「ああ、現実だったんだ……」と思いながらアフレコをして。
事務所のマネージャーさんやスタッフの皆さんとお会いするたびに「関根、決まったんだって!? おめでとう!」「頑張ってきて良かったね」と言ってくださり……徐々に「本当にこの作品に関われるんだな」という想いが浸透していきました。
おもちゃの収録は何回かさせてもらったんですが、そのうちのある収録スタジオで、偶然にも以前お世話になったマネージャーさんにお会いして。
──すごい、運命的!
関根:まだキャスト発表になる前だったので、『プリキュア』シリーズの収録に私がいるとは思わなかったようで。私の姿を見て涙を流しながら力強く抱きしめてくださって。「良かったね!」と。
──お話を聞いていて、思わず泣きそうになりました。
加隈:泣けますよね。本当に良い光景でした。
関根:ありがとうございます。「ここまで続けてこられたのも本当に偉いよ!」って褒めてくださったことも含めて思い出深い出来事です。