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アニメ『僕とロボコ』大地丙太郎監督インタビュー

ロボコの場合はどんなことをしてもOK!? ロボコ役にチョコプラ松尾さんを起用した理由とは? アニメ『僕とロボコ』大地丙太郎監督インタビュー

ロボコ役にチョコレートプラネットの松尾 駿さんを起用した理由とは?

――『僕とロボコ』をアニメ化にあたって意識されたことをお聞かせください。

大地:一番は尺ですね。約3分の中にどう当てはめ、入れ込んでいくかが大変な作業で、ギャグのテンポを落とさず、かつ見終わった後に印象が残るのはだいたいラストのオチなので、どう持っていくのか、毎回考えています。

――原作自体もテンポが速い作品なので、やりやすかったのでは?

大地:それはありますね。それでも1話の中で落とさなくてはいけない部分も結構あるので、その選択が難しいです。原作の意図はわかっているけど、もったいないなと思いながらあえて落とすことも多々あります。

――このアニメは、地上波はテレビ東京系で日曜深夜24:30から放送されていますが、放送時間も意識されましたか?

大地:前後の番組(『乃木坂工事中』と『そこ曲がったら、櫻坂?』)も意識しながら、アイドルファンの皆さんがこのアニメを見て、喜んでもらえるようにしようと制作陣みんなで考えていました。でもやっているうちに、3分に収める作業に没頭するあまり、そのことをいつの間にか忘れていました(笑)。

――私もその前後の2番組を含む坂道系(乃木坂46、櫻坂46、日向坂46)の番組が好きで毎週見ていますが、『ロボコ』が放送されている時間は番組宣伝が流れていることが多く、あまり気にして見ていたことがなかったんですけど、このアニメが始まった時は「何? これ?」と衝撃を受けました(笑)。

大地:見終わった後、「今の何だったんだろう?」と思われるのが最高の喜びなので、そう言っていただけて嬉しいです(笑)。

――時間がないのはわかりますが、本編のラストの途中から流れるクレジットの速さとED曲の短さも「これは何!?」感に拍車をかけているような。

大地:あのスピードにはこだわっています。余韻なんて持たせないぞという(笑)。

――ちなみに原作の宮崎周平先生や編集サイドからオーダーはあったのでしょうか?

大地:その都度、「ここはもう少し原作のセリフを入れてください」みたいなことはありましたが、大きなオーダーはなく、お任せいただいていると思います。キャストについてはご相談させていただきながらやっています。

――キャスト面でいえば、まずロボコ役をお笑いコンビ、チョコレートプラネットの松尾 駿さんが担当されていることが話題になっていますが、どうしてこのキャスティングに?

大地:僕も最初はロボコ役を演じるのは女性だと思っていて、器用なことができる女性声優さんを選ぼうと思っていましたが、宮崎先生から「男性のお笑い芸人さんで」というリクエストが出てきて。「いくら何でも、それはないでしょ?」と思ったけど、みんなで相談して、ネタで女性役をやっている男性芸人さんを何人かピックアップして、ネタを見てみたら、松尾さんのIKKOさんネタはTVでよく見て刷り込まれていたし、松尾さんの明るさも合うんじゃないかと。

――1話のエンドクレジットで松尾さんが演じられていると知ってビックリしましたが、違和感がまったくなかったです。

大地:松尾さん、頑張っていましたね。

――収録の時、松尾さんへのディレクションは?

大地:本番の収録前に、声出しや練習の意味でスタジオに来ていただいて、「こういう感じで」といろいろ試していただきましたが、松尾さんの引き出しの広さで、何をやっても大丈夫だったので安心しました。あとは松尾さんの感覚で、その場で出てきたものがそのままロボコになるんですよね。

この作品の珍しい部分のもう一つは、原作ものではキャラクター性を守るために「これはしないでください」みたいなルールがあるものですが、ロボコの場合はどんなことをしてもOKなので、キャラクターを固めないで良かったのも大きくて。松尾さんもやりやすいと思うし、ロボコがどんどんおもしろくなっている理由の1つじゃないかなと思っています。

――ロボコの言動やリアクションが常に前回を超えることで、回を重ねるごとにロボコや作品の魅力を増している気がします。

大地:松尾さんがやっている限りは何をしてもロボコになるんですよね。

――他のキャスト陣も主人公のボンド(CV.津田美波さん)、ボンドの母(三石琴乃さん)、ガチゴリラ(置鮎龍太郎さん)、モツオ(武内駿輔さん)、円(M・A・Oさん)、蚊トンボ膝ロボコ(水瀬いのりさん)などすごく豪華ですね。約3分で、しかも帯ではなく、週1の放送なのに予算は大丈夫かと心配になるくらい(笑)。

大地:気が付いたらこうなっていました(笑)。選考はすべてテープオーディションから始めて、各キャラの候補者を選んで、実際にスタジオで演じていただいて決めさせていただきました。

――作中にやたらとファンタとファミチキが登場するので、影のスポンサーなのでは?と疑ってみたりして(笑)。

大地:どうなんでしょう? 出資していただけたらありがたいんですけど(笑)。

――実際に第1話をご覧になった感想は?

大地:想像以上に豪華だったし、スタッフみんなの気持ちが込められているのを感じられて嬉しかったです。

――確かに3分という尺以上のパワーや熱量を感じました。

大地:演出としては押しつけがましい演出は他の作品ではあまりやらないんですけど、『ロボコ』ではむしろ押しつけがましいほうがいいとわかっているので、なるべく地味にならないように、どんどんパワーを出していく方向にしようと言っていました。それがうまくいっているのかなと思っています。

――ちなみに第1話の放送後の反響はいかがでしたか?

大地:友達からたくさんLINEが来ました。小さいお子さんが見ていると言ってくれる人が多くて。ちゃんとご家庭で見ていただけているんだなとわかって嬉しいです。

(C)宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会
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